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次なる場所へ

「もう行くの?」

「ああ、四帝の最後の一人に話を通さないといけないからな」

「・・・そう」

「王として立派にやれるさ」

「ありがとう。けど、さようならは言わないわ。あなたとならまた会えるから」

 突然、唇に柔らかい感触がしたと思ったらオリヴィアが顔を赤くしながら離れる。

「私、負けないから。恋にも、ね」

 ウィンクをしながら立ち去るオリヴィアを見て、後ろにいるスカーレットとジャンヌから殺気が漏れ始める。怖いって・・・。

 にしても、オリヴィアも変わったな。王としてだけでなく、人としても大きく成長した。

「2人共、いつまでも睨んでないで行くぞ。次は東の大国だ」

「主様! さっきのはどういうことだ!? それに冷静に対応してるのはおかしい!」

「あーもう! 俺が好きなのはスカーレットだけだから。・・・言わせるなよ」

「うむ・・・。すまない」

「お父さん、お母さんを泣かせたら・・・分かってるよね?」

 うちの女性陣は恐ろしい。けど、頼もしいな。次なる大国 カムイへ。


「ふむ・・・。某の出番がほぼ無く終わったか」

「あら。あなたも来ていたのね」

「アスモデウスか。何の用だ?」

「つれないわねぇ。こうして顔を合わせるのも久々でしょ」

「某は会いたく無かったがな」

「酷いわね。あぁ、そういえば、計画が失敗に終わったからあのゴミの始末をお願いね」

「強欲になり切れなかった出来損ないか」

「そう。七つの大罪の名を持つにはそれ相応の力がいる。だけど、彼では無かったわね。惜しいところまで行けたみたいだけど」

「惜しいでは駄目だ。力無き者に全てはついてこない」

「なかなか辛辣ね。傲慢の罪を背負うルシファーさん。いいえ、プライドって呼べばいいかしら」

「某は竜王からムサシという名を貰っている。その名は止せ」

「そうだったわね。それにしても、真帝の手先でもあり竜王の手先でもある。あなたの立場ってよく分からないわね」

「真帝には七つの大罪として忠義を誓った身。だが、竜王には人として武人として忠義を誓った。それだけのことだ」

「言葉では簡単に言えるけど、実際、真帝も竜王も何も言わない訳? 互いに敵となる存在なのに両方に付くんだから」

「互いが敵だからこそ何も言わぬのだ。敵だからこそ心の内まで見透かしている。いわばライバルのような存在と言える」

「なるほどねー。男の子ってよく分からないわ」

「分からなくても良い。さて、某は帰るぞ」

「ちょ、ちょっと! あいつはどうするのよ!?」

「もう済んだ」

「え?」

 アスモデウスはマモンだった物を見る。そこには細切れに刻まれた肉片が転がっているだけだった。そちらに視線を移すことなく、近付くこともなく、一瞬で全てを終わらせた。

「これが傲慢の罪を背負うムサシね・・・。強さこそ七つの大罪に必要な物。世界はもうすぐで救済されることになる。

 偽物の世界は崩壊し、本物の世界が訪れる。

 全ては真なる神の意思のままに」

 アスモデウスは影へと消える。そして、ムサシ自体も次なる場所へと旅立つ。

「次に向かう場所は・・・東の大国 カムイか。ふむ・・・今まで以上の試練が待ち受けるか。もっと強くなって某に挑みに来て欲しいものだ」


「竜王様。ムサシが帰還するとのことです。目的の物は手に入れたとも報告を受けました」

「そうか。なら、問題無い。世界を救う道は切り開かれ始めたな」

「では、次なる作戦のために行動を起こします」

 竜王は部下が行ったと同時に機械を起動させる。そこには1人の女性が写し出される。そして、ホログラムで投影された女性は本物の人間のように動き始める。

『・・・これからどうするの?』

「分かっているはずだ。世界の救世。それが全ての意志」

『全て? 嘘よ。あなたを創造した存在の意志でしかない』

「黙れ! 我の何が分かる!?」

『分かります。私もあなたと同じく作られた存在なのだから』

「・・・もういい。計画を始動する。至高の宝を用いた世界の変革。それこそが我に課せられた使命」

『悲しい使命ね。けど、私も使命のために動くわ。―――システム起動。全項目チェック。オールグリーン。ジェネシス起動』

「世界の創世が始まる。竜王女、竜王女の眷属が全ての起点となる」

 ホログラムとして写し出された球体に赤と青の勢力がある。赤は内界。青は外界。内界の人間が外界に侵攻しているのが分かる。

 だが、それを気にせずに竜王は球体に触れて操作する。

 赤と青が消え、2点の存在が出現する。

「我が娘とあいつの息子。巡り合わせによって世界は動き始めた。我が先か真帝が先か。この世界を救うために動き続ける」

 狂気のように世界を救うことに固執する。創造主の使命によって2人の計画が動き始める。衝突の時は近い。

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