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戦う信念

「うおおおぉぉぉーーー!!」

「先ほどよりも鋭く、重い攻撃。戦う信念を持ったか」

 エクスカリバーによって防がれる攻撃。だけど、攻撃の手を止めない。どうすればいいのか分からない。どうしたらいいのか分からない。

 けど、戦う。きっとその先に答えがあるから。・・・スカーレット。

 自然と視線が合う。真っ直ぐでぶれることが無い眼。疑わずに信じてくれてるんだ。勝つって。

「愛すべき人のために戦う。素晴らしいことだ。世界を救う必要も守る必要も無い。その愛すべき人を守ることが全てなのだ。

 ヒーローになろうとするな。君はちっぽけな人間だ。その両手に抱え込める量は多くない。だから選択するんだ。守るべき者を」

「さっきからよく喋るじゃないか! 俺が何のために戦うのかは俺が決める!」

「子供に何が出来る!! いいや、大人であっても関係無い」

「何が出来るのかやってみないと分からないだろうが!」

「いいや、分かる。分かるさ。大きな理想を抱き、力があるために思い上がった人間を知っているからな」

「・・・どういうことだ?」

「口ではなく手を動かしたらどうだ?」

 アーサーの攻撃が激しさを増す。俺たちの攻撃がぶつかる衝撃で城の装飾が壊れていく。激しさを増す攻撃に俺は必死に食らいついていた。

「うおおおぉぉぉーーー!!」

「はあああぁぁぁーーー!!」

 渾身の一撃がぶつかり合う。上から仕掛けた俺の攻撃をアーサーは下から斬り上げた。衝撃で地面が凹んでスパークが巻き起こる。

「素晴らしい。どこまでも無限に力が湧いてきている。君にも分かってきたはずだ。愛すべき者を守るための戦いの素晴らしさが」

「・・・確かに愛する人を守る戦いは素晴らしい。けどな、スカーレットを見くびるな。彼女は誰よりも強い。だからこそ、俺は彼女のためだけじゃない周りを守る戦いをするんだ」

「竜王女が強い・・・? なるほど。竜の強さを間近で見てきたから分からなくなっているのか。竜王女は竜。そのことがそのまま弱点となる」

「何?」

「ガウェイン! 封印を解き放て。・・・竜殺しの剣だ」

 スカーレットと戦っていたガウェインの魔力が急激に膨れ上がる。他の機械兵と違って国民から魔力を奪ってるのじゃないのか?

 ガウェインは背負っていた剣を抜き放つ。封印によって解けなかったその剣を魔力の高まりによって解除したのか。

 禍々しい剣。あれが竜殺しの剣・・・。

「かつてジークフリートという者が使っていた竜殺しの剣。伝説の武器だが、効力は本物だ」

「ッ! マズい! スカーレット逃げろ!」

 スカーレットも剣に気付いたが遅かった。そのままガウェインの凶剣に斬られる。

 いつものスカーレットならそれほど深くは無い傷ですぐに治るはずだった。だが、傷は治ることなく、スカーレットはその場に崩れ落ちる。

「スカーレット!!」

「見ろ! 竜も無敵の存在ではない。誰かが守る必要のある存在なのだ。分かってくれたかね?」

「・・・んだよ」

「ん?」

「うるせぇんだよ。そこをどけ」

 周りで戦っていたモードレッド、ジャンヌと円卓の騎士達が一斉にこっちを見る。そんなに俺はブチ切れてるか。ダメだ。今すぐにでも力に身を任せてこいつを殺してぇ。

『竜王女の眷属。竜を侮るな』

 突然、脳内に響き渡る声で俺は冷静さを取り戻した。今の声は一体何だったんだ?

「・・・何という殺気。この城全てが震えていた・・・」

 俺はスカーレットから驚いているアーサーへと向き直る。その事に再び驚いてアーサーは狼狽する。

「ば、バカな! 愛する人が死にかけているのに何も思わないのか!?」

「バーカ。スカーレットはそう簡単にくたばらねぇよ。そうだろ、スカーレット!」

「あ、ああ。主様の言う通り、妾はそれだけでは死なん。だけど、さすがに戦うのは厳しい。助けて主様」

「やっぱり竜王女って言っても、竜だから世界の災厄って言われても、女の子なんだよな」

 俺は瞬時に移動してスカーレットをお姫様抱っこする。こんなにも軽い女の子なのに強いからって俺は守ろうとしてなかったんだな。ごめんな。

「何で泣いているんだ、主様。あぁ、アーサーに言われたことを気にしているのか? けど、仕方のないこと。妾は竜だから。だから、守られる存在じゃないから」

 いつもよりも弱気な発言。竜殺しの剣によってかなり弱っているんだ。

「ジャンヌ。すまないが治療してやってくれないか?」

「けど、こっちの敵がフリーになっちゃう」

「任せろ。俺が2人共相手にしてやるよ」

 俺は2人の円卓の騎士と対峙する。片方はガウェインという名前の騎士。もう片方は不明。さっきからガウェインの方の魔力がジリジリと上がっているのは気のせいじゃないだろうな。

「どんな敵でも関係ない。俺とスカーレットの道を邪魔する奴は全員倒す!」

 俺は速度を上げて斬りかかる。前よりも力が自然と湧いてくる。これだったらジェネシスの刀の特性を引き出せるかもしれない。

「触れたら爆発するなら爆発するよりも前に斬りつければどうなるんだろうな!」

 ジェネシスによる攻撃で爆発が起きる。その爆発が起きるよりも前に斬ればどうなるのか。爆発が連鎖してより強力な物へとなる。

「うおおおぉぉぉーーー!!」

 1撃を入れると同時に2撃目を。そうして、2人の円卓の騎士が反応するよりも速く斬り続けた。息をする暇も無い怒涛の攻撃を終えて、肺に貯まった息を吐き出す。上がった息を整えるより、2人がどうなったのか気になる。

 城中に響き渡る爆音が何度もする。そして、爆発が止むと同時に2人の円卓の騎士は倒れた。

「はぁ・・・はぁ・・・。次はアーサー王。あんただ」

「満身創痍。だが、力は前よりも強く感じる。いい戦いになりそうだな」

 一足飛びでアーサーのところまで行く。そして、上空にいる状態から思い切り斬りつける。アーサーはそれを受け止める。剣身の部分を手で押さえての全力の受け止め。

「まさか・・・これほどとは! はあああぁぁぁーーー!!」

 魔力を高めて攻撃を弾かれた。

 俺とアーサーは再び対峙する。

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