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王とは

「あとどれくらいだ?」

「およそ500mといったところか。遠くも無いが近くも無い。これだけ戦場が激化している中だとより遠く感じるな。

 行けるか? グレン」

「当然だろ。一気に駆け抜ける!」

 俺、モードレッド、アーサー王は城までの道を一気に駆け抜けていた。城の周りは機械兵の数が尋常じゃない。

 10万以上はいるな。だけど、突破する。この先の目的地に行けばジャミング装置が使える。そうすれば、全てが終わるんだ!

「左から一気に来てる。俺がこっちをやる。グレンは右をやれ」

「了解!」

 次から次へと押し寄せてくる機械兵を倒していく。スカーレットを除けば最高戦力が集まってるんだ。そうそうやられはしない。けど、この数を相手にするのはさすがにしんどいな。

「息が上がってるぞ。無駄な動きを減らせ。最小限に敵を倒すんだ」

「最小限か・・・」

「魔力の動きを感じろ。考えるよりも感じるんだ。動きを的確に最小にすれば体力の消費も少ない」

「そんなこと急に言われても分かるか!」

「はぁー・・・。例えば、10の力で倒せる敵に対してグレンは常に50や60で倒しにいってる。それでは、バテる。だから、相手を見極めて必要な力だけを注ぐ。

 繊細なコントロールが必要だが、極めれば全てにおいて向上する」

 モードレッドは次々と機械兵を淡々と倒していく。疲れた様子もなくひたすらに倒していく様は無双だな。魔力のコントロールと見極めか。とにかくどれぐらいの力加減で倒せるのか実戦を通じて分からないとダメだな。

 とりあえず、いつもより少なめの魔力で機械兵を攻撃する。その攻撃によって機械兵は倒れる。なるほど。今までよりも少ない力で倒せたのか。

「段々とコツが掴めて来たな」

「魔力武装はするな。あれは魔力を大きく失う。ここぞという時に取っておく」

「了解!」

 アーサー王を守りながら目的地へと到達した。周りには倒された機械兵の残骸が山のようになっていた。どれだけの数がいたんだ。

「ジャミング装置を起動する。モードレッドとグレンは下がってくれ。・・・これをこうして。起動だ!」

 ジャミング装置が起動した・・・。辺りの機械兵の動きが止まる。これで、アンドロイドも止まってるはず。

「王座へと行こう。そこにいるはずだ」

 俺たちは城に入って王座のある場所へと行く。モードレッドもアーサー王も沈黙し、それがいるであろう場所へとただただ歩いて行く。

 そして、目的の場所へと到着する。

「・・・ここだ。開けるぞ」

 重苦しい扉をゆっくりと開ける。そして、王座にそれは座っていた。

「待っていた。この反乱は予期出来ていたから」

「アンドロイド・・・!」

「アンドロイドか。面白い。そこの私に似ているのが言ったのか?」

「似ている? 違う! この人がアーサー王だ!」

「なるほど。なら、血は流れるはずだな!」

 アンドロイドによる斬撃。不意を突いた速すぎる攻撃に俺とモードレッドは反応できず、アーサー王の体が傷つけられる。

 血が流れるはず? どういうこ・・・嘘だろ。

「血は流れなかった。これが意味することが分かるか? そうだ。そこにいる者こそアンドロイド。私が本物のアーサー王だ」

「どういうことなんだ・・・」

「大戦後の記憶が無く、魔力を失った。そんな都合のいい嘘を信じてはいけない。大戦後の記憶が無いのは大戦前の私の記憶をコピーしたから。魔力を失ったのは最初から魔力を持っていないから。

 アンドロイドは父である真帝が作り出した存在だからだ。理由は、私の魔力を奪うため。違うか?」

「・・・・・・」

「な、何か言えよ。あんたがアーサー王だって貫き通してみろよ! モードレッドも黙ってないで何か言えよ!」

「少年よ、これが現実だ。俺はあいつに復讐するためだけに動いてきた。俺の全てを奪った男への復讐こそが俺の全てなのだ!」

「まだそんなことを言っていたのか・・・。それで、そのアンドロイドと手を組んだのか」

「手を組んだのではない。利用したのだ。自らを機械だと知らず、王だと思い込み人々を動かしてきた道化として利用した。・・・それだけだ」

「そうは見えないが・・・。まぁ、いい。アンドロイドが起動したジャミングのお陰で全てが計画通りに動く」

「何!?」

「あの装置は機械兵の動きを抑制するための物ではない。本質は魔力の吸収。徐々に魔力を吸収することで人間の動きを止める。

 お前たち2人の魔力は尋常ではないから影響はまだ出ていないようだが」

「なら、お前にも影響が出るはずだ」

「アンチジャミング装置。この指輪を装着していれば効果は無い。さて、どうする?」

「・・・おい。あんたは何でこの国の人を犠牲にするようなことをしてる」

「来るべき戦いのためだ。大戦の後に私は知った。この国―――いや、世界を守るためには戦力が足りないと。だから、戦力を増やすことにした。

 人間という脆弱なモノでも魔力を別に移すことが出来れば、兵器になる。それがこの機械兵だ。

 機械兵はそもそも日常生活の利便性向上が目的で作られたとしているが違う。実際は兵器転用が目的なのだ。ありとあらゆる場面で兵器として基準値以上の活躍が見込まれる機械兵。

 今の世界にとって必要な存在はこれなのだ。

 世界が生き抜くためには無くてはならない。分かるだろ?」

「あんたが言ってる通りに世界を守るために戦力は必要だろう」

 アーサー王がニヤリと笑う。俺が意見を肯定したからだろう。だけど、俺は―――

「だけど、あんたのやり方は間違ってる。世界をなぜ守るのか。守るためになぜ強くなるのか。あんたは言った。この国の民を守るために戦うんだって。

 そうだ。この世界に生きている人を守るために戦うんだ。世界を守るから戦うんじゃない。守りたい人のために戦うんだ」

「・・・話にならない。アンドロイド。お前はもう用済みだ。前のように消えろ」

「前のように・・・?」

「そうだ。前のように力が無いからと嘆いて消えるんだ」

 うな垂れていたアンドロイドが少しずつ顔を上げてアーサー王を見据える。その目には今まで以上に力強さを感じる。

「私は、まがい物だ。この記憶もまがい物。だが、この胸に抱いている国の民を守りたいという思いだけはまがい物ではない。

 きっとあなたが昔に抱いていた思い。だから、私は貫き通す。この国の人々を守ることを!!」

 それが合図となり、モードレッドはアーサー王へと攻撃を仕掛ける。全力全開の攻撃。魔力武装もされた攻撃。あの一撃は避けれない!

 だが、目の前で信じられないことが起きる。モードレッドが振り下ろしたクラレントを片手で受け止めてる・・・。嘘だろ。あの魔力が乗った一撃だぞ。

「王とは―――資格ではない。王とは人々の上に立つべくして立つ存在。ゆえに強者でもある!」

 そのままモードレッドを吹き飛ばす。そして、アーサー王は魔力武装を身に纏う。

「聖剣エクスカリバーによって消えるがいい」

 息をするのも苦しい。それほどまでの重圧。・・・けど、引き下がるわけにはいかないよな。ここで下がったらあいつの意見を肯定することになる。それだけは出来ない。だから、戦う!

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