授賞式!
「リーネ・ヴァンシュタイン 前へっ」
大広間に集まる総勢100名程の貴族の前で、私の名前が高らかに叫ばれた。
私はもう限界だ。
正面にいる国王様と王妃様も、お目通りした時より威厳に満ちた顔つきで私を見下ろしている。
その横に佇むラウル殿下も、いつもとは違う肩飾りの付いたキラキラした正装を身に着け、目を向けられない程輝いている。
(くっ、これが王族と言うものか‥)
ガルデンリバー国の王城に来て、こうした改まった場を見るのは初めてだ。
私は少しコミュ障は脱したと思っていたのに、ここでは何もかもが光り輝いて、私は目を開き前を見る事すら出来はしない。
どうやら私は勘違いをしていたらしい。まだ早かったんだ。
(もう私の頭の中まで光で真っ白……)
どこをどうやって歩いたのか、気がつくと私は国王様の前に辿り着いていた。
「リーネ・ヴァンシュタイン」
国王様が私を見つめている。濃い紫の瞳に見つめられ、体が凍りついたように動かなくなった。あぁ、やっぱり国王様の眼力って強い。
「我が息子、ガルデンリバー国第2王子であるラウルの窮地を救ったことに相違はないな?」
「はい。そのとおりにございます」
シエルさんに、何を言われても肯定しろっ言われてるんだよね……。
「其の方、身分の違いはあれども、ラウルから求愛の言葉を受け取った。相違はないか?」
「……はい、違いませ、ん?」
あれ?そう言われればそうなんだけど。あれはおそらく気の迷いだよ、ね??
何だろ?この質問?
「その後2人の関係は変わらず、お互いを心から思い合う主従のまま、今日を迎えた。……ラウルの思いは伝わったのだろう?私はそう解釈した」
え?ええっーー!!
勝手に解釈されても困るんですけど?!
最近はラウル殿下と話すタイミングもサッパリ無かったのに!!
「よって、リーネ・ヴァンシュタイン。
身を挺して我が息子の命を救った功績により、ガルダンリバー国15代国王として、第2王子ラウルをそなたの伴侶として授けよう!」
はぁーーっ?????!!!
えっ?今、今なんて……、聞き間違い??
依然として固まった体のまま動けずにいる私を見て、目の前の国王様はニヤニヤしている。
あ、これ、この国王様の素の顔だ。
固まった首をギギギギッとラウル殿下の方へ向けると、何故か殿下は頰を赤らめ私を見ていた。
色白な殿下なので、染まった頬の赤さがよく目立つ。そんな乙女な視線を送られても、今の状況では余計に私はパニックだ。
「あ、あの、あの……」
「おおっと、これにて本日の式は終了だ。ラウルの籍は今後改めるが、それは後程、詳細を詰めてサクサクっと急がせるからなっ。以上っ!」
はぁーーー???!
国王様の隣にいる王妃様が、私に労るような視線を送ってくる。まるで「ごめんなさいねぇ……」とでも言っているように。
えーっ??!!そうなの?
これってもう、決定なんですか??




