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呪いの蛇は調理器具ともなる存在

・『世界蛇の呪い』発動!



 この感覚…久しぶりだ。

 自らを殺した者を呪い殺せ…

 食らいつくせと…

 衝動が外に解放される、この感覚。


 アスピクがいなくなった今となってもそれは変わらず。

 呪いの力とは…恨みの力か?

 それとも…この世界に蔓延する魔法の力が、

 波動となって相手を消滅させるだけの力か?


 それは分からないが。

 やはり、どうやら、なんとも言い難いが。

 自分の今の意識は。


 呪い…そのモノとなってしまったようだ。


 それでいて尚且つ、今は死んでいる自分からあふれ出るこの呪いの力。

 やはり金色の蛇のような…『ヨルムンガンド』?

 そう、この金色の蛇はヨルムンガンドであった自分を、

 小さくしたような姿をしていた。 

 

 何故、その姿を見る事が出来ているのか。

 例えるならば、3人称視点と似ている。

 言葉にすると妙な例えになってしまうが。

 死体となった自分の体から見えるのが今の自分。


 自己の姿を認識しながら自由に操作できる。

 これは…自由に…、自由に?



 う・ご・か・せ・な…い?



 いや、でも勝手に動く訳でもない。

 となれば動かし方がある筈だ。

 対象に逃れられない死を与える。


 つまり…今はその対象を指定していないだけ。


 ならば簡単だ。

 この力を使い…殺したい相手がいるのであれば。

 ソレを…対象を選べば良いだけの事。


 そう思い立ち。

 今までに戦ってきたであろう冒険者達を見下ろした。

 何事かと喚いているようだが聞こえない。


 対象を認識した事で、体の動かし方が分かってくる。

 つまり、相手を憎めばいいのだろう?

 自分を殺した相手を殺し返したいと念じれば良いのだろう?


 だけど、自分がしたい事は。

 この力を思うように動かしたい。

 驚かす程度に留めておきたい。

 ならばどうする?


 スキルでこの力に感応出来るものは無いか?

 程なく…発動させる前にシミュレートした事を思い出す。

 試してみるか。どうせ何度でもチャレンジできるんだ。



ザッ―――



・『精霊化』発動 




 元素の強い場所でのみ意識体となれるスキルだ。

 なんとなくだが、この『世界蛇の呪い』も元素魔法とも似たような感覚を覚えていた。

 ならば精霊化とやらのスキルで、何とか思い通りに操作できないかなー

 そう思い、スキル的な感覚を意識してみたのだが。



 なんとも不思議な結果になった。

 金色の『ヨルムンガンド』の姿が一瞬の閃光に包まれ。

 その後に大量の『スネークリング』が産まれたではないか。

 どれもこれもが金色に光る意識体の姿ではあったが。


 なんとも幻想的な光景だった。

 触れれば何もかもを食らいつくすであろう呪いの姿が。

 精霊化により、蛇達の楽園のような光景となってしまった。

 折角なので辺りを適当に散歩してみよう。

 思うが早いか勝手気ままにソレ等は動きおる…

 が…大体の動きは意思を向ければ言う事を聞いてくれるようだ。


 複数の体であるが、細かい動作をする訳でもない。

 冒険者たちを取り囲みぐるぐる回って

 当初の驚かしたい欲を満たそうではないか。

 ついでにネーサンの顔もなんだか優れず、青ざめているような気がした。

 なんだいネーサン? こーんなに可愛い子達なのに?

 近づいてみればネーサンは後ずさる。

 それもそうだ、触れたら死んじゃうんだもの。

 これが呪いの力…、我ながらに恐ろしい。


 誰も死んでいないのに、死を確認出来たのは何故か?

 無論、襲わせてみましたよ。冒険者は全滅です。

 その後にロードをし直しましたから。

 ネーサンにその様子を確認させられなかったのは残念ですが。

 呪いの力を間近に怯えさせる事が出来たのだから上場でしょう。


 とりあえず呪い自体に自動で襲いかかる危険性は無くなったが。

 呪いの死をもたらす力、それ自体は健在であるな。

 それを知ってか冒険者達の一部は怯える者が多い。

 仕方ないか。彼等は人間だし。自分も全てを理解出来た訳じゃない。



 どれ、呪いの力も解除出来そうだし。

 自らの体へ戻すとしようか。



 そして念じるが早いか金色の蛇達はアサシンヴァイパーの死体へ収束し。

 自分は再び蘇る事になった。



 …復活! アサシンヴァイパー!



―――確認 その前に 進化可能です



 ほえ? もう進化できんの?



―――確認 前世でのアサシンヴァイパーの経験がある故にと思います



 そういえば、あの姿でも結構な年数生きてた覚えがあるけど。

 負けて進化とはこれいかに?



―――確認 進化先は『イレイサー』となっておりますが?



 勿論進化ですぞ。

 復活タイミングに合わせて出来る?



―――確認 ではそれに合わせて進化します



 では! いざ進化の時!



 金色の蛇達の全てが体内へ収まり。

 一瞬の閃光が辺りに迸る。



 それに合わせ、自分の姿も『イレイサー』となっている筈である。



 初めての見物客を間近に控えてだが、まあ良いだろう。

 別に邪魔をされるようでもなし。

 ネーサンが見てる分、ちょっと緊張するぐらいだ。


 さあさ…ごらんなさい。

 魔物の進化する瞬間ですよ!?


 『視覚的呪術』を最大限に活用し。

 元素魔法による色とりどりの爆発もご用意しましょう。

 派手に。とにかく派手に。全てを消し去って…



 スコーン!



 おうふ。

 ネーサンの方向より飛来した針がドタマに直撃致しました。

 ちょっと調子に乗り過ぎた?


 正気に戻ってみれば、全てを消し去りたい欲が一瞬で沸いてきたような。

 これがイレイサーの本能的な欲求なのかしら?


 頭に突き刺さる極太の針を引き抜きながら平常心を取り戻し。

 辺りの様子を見渡せば。


 おお、なんという惨状!


 あのだだっ広く頑丈だった広間の一角が。

 瓦礫の山と化しているではないですか。

 冒険者達は無事のようだが。どうにも引き気味だ。

 やはり。調子に乗り過ぎたようだ。

 ネーサンの視線が怖い…



(えーと。ネーサン。。。ゴメンナサイ!)


「その様子なら、正気みたいね」


(ところで、今の自分の姿変わってる?)


「見ない姿が暴れてたから、ついつい一発ぶち込んじゃったの。

 針撃ってからヨルンちゃんかも。って気がついたぐらいに変わってるわよ?」



(ふーん、後で鏡で確認するとしようかな)



 という訳で変身、ティアちゃんでーす♪

 一瞬の後、普段通りのお姿となりました。

 この姿がメインで良いんじゃないかなと思い始めるぐらいに。

 丁度良い大きさと使い勝手を兼ね備えた良い体なのよ。

 何より可愛いというのはそれだけで武器となる。

 相手を威圧する系のお姿も中々なんだけど。

 なるべくなら平和的に行きたいものね。



(さーって、冒険者さん達?)


「おう…もう良いのか?」


(うん、楽しかったよ。あれだけボッコボコにされたの久しぶりだよ)


「そうかい。こっちは呪われるもんかと思ったんだがな」


(ああ、アレはちょっぴり驚かしてあげようかと思っただけだからね)

(一回死んじゃった後は…ああしてちょっと力を解放しないとイケナイの…)

(良い顔が見れたからボクとしては満足!)

 

「じゃあ…俺達は返して貰えるのか?」


(そうだね。ちゃーんとお家に返してあげても良いんだけど)

(運動したらお腹が空いてきちゃって…ね?)


「まさか…」


(そう、察しがいいね?)


「俺達の事…」


(キミ達…こんな森の奥深くまでやってこれる程の冒険者なんでしょ?)


「返すつもりなんて元から無かった訳だな!」


(そうだよ。冒険者が作る料理が食べたかったの)

(何かおいしいものご馳走してくれない?)


「…え?」×6


(ボク達、魔物だから、お料理が上手くいかなくて)

(冒険者さん達の参考にしたいんだー)

(作って貰えるんなら、ちゃーんとお土産も渡してあげるからさ?)



「おい、どうする?」

「どうするも何も。おいしい話じゃない?」

「そもそも本当かどうか分からんぞ?」

「いや…だけどココまでやっといてそれは?」

「別に料理ぐらい作るけど?」

「アンタが料理されちゃったらどうするのさ?」

「でも、あの子達可愛いじゃん?」

「可愛くても…魔王とアレよアレ。」

「でも、言う事聞かなきゃ怒らせちゃうじゃん?」

「ユグドラシル種って言ったら…教会からの」



(はいはーいストップ!)

(教会は関係ないでーす)

(そのうち教会には直接お話しに行くから大丈夫だよ)


「どういう事?」


(んーと、魔王辞めるから)

(ネーサンと一緒に仲良くしようって、話し合いに行くの)


「はい?」

「そんなの、無理に決まって…」

「一体何考えるの?」


(だって、ボク生まれて5日目だし)

(ネーサンだってココ最近はやってくる冒険者相手にしてるだけじゃない?)

(そもそもキミ達、ココに何しにやってきたのさ?)


「あ、いや。それはだな」

「蜂蜜目当てでやってきました」

「それも…所謂。ローヤルゼリーと言われる、上品質なモノを。です」

「うむ、それが欲しくて来た訳で」

「ちゃんと、指定された入り口から入って来たのよ私達!」

「何気に今、生まれて5日とか言ってなかった?」


(じゃあ、その懐に色々入ってる物品の数々は何かな?)

(ネーサンに見せても良い?)


「えっと、さっきから言ってるそのネーサンって?」


(キミ達が魔王様って呼んだ子の事だよ?)

(ボクはネーサンって呼んでるの)


「それなら…」

「あれだ、これ見よがしに宝箱で置いてあったから。戦利品としてだな」

「んむ、ちゃんと生きて帰れたら持って返っても良いと書いてあった」

「そうそう、挑戦者として…ちゃんと守る事は守ってるわ」


(ネーサンそんな事してたんだ)



 視線を移し、話を振ってみればネーサン参戦です。

 自分達の様子を遠巻きに観察していたと思いきや、気が付けば傍にいらっしゃる。

 ステータスを見ても、物凄い速さの数値だったものね。

 自分が魔力特化ならネーサンは速さ特化といったトコロか。



「そうよ、一応理解して来てくれていたみたいね。アナタ達。

 ちゃんと6人揃ってるし。冒険者ランクも基準以上。

 だけど…アイツに負けてるようじゃまだまだね。

 手加減したヨルンちゃんには勝ったみたいだけど。

 まあいいわ、おいしい料理…ご馳走してくれるなら。

 ハチミツでもなんでも持って帰って良いわよ」


「…どうやら本当みたいだな」

「任せたわよ。ネネちゃん…」

「やっぱり私ですよねー」

「でも材料どうするの?」

「私達携帯用の食料しか持ってないし」


「別に、材料ならこっちで用意するわよ。

 そうそう、人間が普通に食べるもので構わないわ。

 蜂蜜使っても良いし、香辛料も保存が効くから結構持ってるし。

 野菜でも肉でも欲しいなら好きなの持ってきてあげるけど?」



(わあ…ココに来るまでに話してた内容とは思えないお言葉が)

「何? お料理の材料にされたいの?」

(いえ、食べる側に回りたいです!)

「なら変な事は言わないの」



「それじゃあ、後は作る場所さえあれば。何とかなりそうですけど」

「俺達は?」「何?見てるだけ?」「おなかすいたー」

「昨日からパンと水だけなのよー」「アンタが一番食べてんだけど…」



(それじゃあ、一緒に作ってみんなで食べよう!)



 そんな感じでお話が纏まりました。

 意外となんとかなるものね。

 冒険者って逞しい!


 この調子で、食事に毒を盛られる…なんて事はないよね?

 流石に中途半端な毒は効かない耐性持ちだけど。

 まあ心配あるまい。そうなった場合はその時その時で考えれば良いだけの事。


 今は仲良くしよう。

 警戒はされてるものの、みんな解放して自由にさせてるし。

 ディッグとやら、多分リーダー格であろう男は。

 寝る! とかいって石畳の上に袋を置いて、やわらかなでもない枕にして寝始めているし。


 彼なりの経験から安全な今の内に体力を戻しておこうという事だろう。

 他のメンツは適度にネネちゃんと呼ばれた料理係の手伝いやら何やらで、

 右往左往としている。次々と材料を運んでは指示に従う男組。


 ネーサンもネーサンで結構、やる気ではないか。

 何かの拍子にサクっと誰かをヤってしまわないか心配であるが。

 セーブはしておいた。一切の問題は無い。


 そして自分はといえば。

 今の自分は蛇の家電製品をしております。


 流石に元人間だけあって、それっぽい厨房を備えていたネーサンの魔城。

 材料さえあれば現世においてのキッチン的な物の大半は揃えられるらしく。

 電化製品は流石に無理だったようだが、色々と取揃っておる。


 煮たり焼いたり蒸したりと出来る環境は揃っていました。

 これには冒険者達も驚いたようで。

 ネネという女性は熱心にどれをどう使えば良いかと教えを乞っていた。


 そして自分は。

 蛇の家電製品をしております。

 大事な事なので2度言いました。


 つまりは、何をするにもまずは魔法の力が必要だったのです。

 鉄製のフライパンや土鍋を熱するのは自分の仕事。

 何かを燃やして燃料にするよりもヨルンの方が効率が良いのだ。


 石釜の使い方は良く分からなかったけど。

 やっぱりそれなりの力で熱する事で使えるようだ。


 この世界で使える調理器具については分からない所が多いが。

 少なくても冒険者が普段使う品とは大分違う所があったみたいです。

 こういう所を見ると、やはりネーサンは同郷人なんだなとさらなる確信が持てる。


 何はともあれ、道具の使い方はなんとかなっているようで。

 冒険者であるネネさんの料理も本人が満足行くぐらいの出来にはなったようでした。



 うーん良い匂い。一体どんな出来になっているのか気になるのです。

 でも摘まみ食いの衝動を抑えられているのはなんでだろう?

 ネーサンもなんだかんだで暴走する事はありませんでした。


 少しは人間寄りの思考になれたという事なのかな?

 結構楽しかったし、気が紛れれば、魔物としての本能も薄らぐのかもしれない。


 そもそもユグドラシル種って基本は温厚な種族だったらしいのですよ。

 敵とみなした者に対しては容赦なしというだけで。

 人間側に感化されて変な方向に進んでしまったとかなんとか。

 他の2種類はどんな感じなんだろうか。

 会ってみたい気もするが、今はお食事の時間です。


 大広間で、大勢で。

 大きなお皿に、食欲をそそるおいしそうな匂いの料理が立ち並び。

 ココまでの数になるとは思わなかった。

 30人前ぐらいはあるのではないか?

 見えているだけの範囲であるが。


 ディッグとやらが寝ているので、仲間が起こしに行くのを待っていて。

 おあずけ状態となっている今この時。


 数分待たせてやってきた彼の姿を見るなり。

 ネーサンが針を射出しようと構えるのを見た瞬間。


 止めに入るのが間に合って良かった。

 お陰で頭部に角が生えましたよ。

 自分だから良いものの、人間相手にコレをされるとなると…

 ネーサンの突っ込みは命に係わる事例が多い。

 一つの課題であるな。



 自分以外のネーサン含め皆が驚いているようだけど。

 このおいしそうな料理の前にそんな些細な問題等どうでも良い。

 では全員食卓に着いたな?



 もう待たせるものは何もない。

 遠慮なく…食べさせて貰うとしよう。



(みんな。揃ったね?)

(それでは。いただきます!)



 その日…蛇の魔物として生きてきた中で。

 最高に至福の時を味わうことが出来ました。


 食事の作法も何もあったもんじゃなかったですが。

 冒険者側も男性陣の遠慮なさでトントンです。


 ネーサンはと言えば、視線をチラチラ横目で伺う事の、それが気に障ったのか、

 お上品な仕草で一口サイズに食べ物を切り分けて、小さめで可愛らしいお口にゆっくり運んでいますな。


 自分も真似をしようとしましたが。

 触手では上手く扱える気がしませんでした。

 それでも不器用ながらに頑張り、扱える本数が増えていた自分が、

 この時に新たな使い方を見出したのはまた別の機会にて語るでしょう。


 何せ今は緊急事態が発生です。

 ついつい視界をネーサンに収めて顔を綻ばせるヨルンはチラ見どころかガン見レベルでした。

 見惚れたヨルンは気が付かなかった。

 ネーサンの手に握られるモノの一つにヨルンの尻尾がある事に。

 そのままガブっと噛みつかれたのですが、ヨルンとしては恍惚とした表情を浮かべるばかり。

 お食事中に戯れる、無作法を叱り付ける者は誰もいなかったので色々と、この空間はおかしいです。


 その後は色々と荒れましたよ。

 流石は冒険者、遠慮無し。

 自分も魔物、負けてはおらん。

 綺麗に用意された全ての料理は瞬く間に消えてしまいましたとさ。


 結局、間近で料理を作る様子を見ても。

 守護者にスキルの取得は出来るかと聞いても。

 その能力を得られる様子はないようです。


 ネーサンも無理だわ…こりゃあ。なんて言ってたものだから。

 こういう思いをするには人間側を頼るしかあるまい…と結論付ける。

 つまりおいしい料理を味わうには、人間側と交流せねばならんのだ。


 俄然やる気が出てきた。

 こうなれば聖都とやらをどうにか攻略せねばならんね。

 そう考えると…あれ?

 アスピクが…どうなるか、アレの動向次第で大分方針が変わってしまう。



 ちょっぴり不安は残るが。

 今は今で、追加の料理オーダーだ。

 まだまだ食い足りないのでお願いします!

 ネーサン秘蔵の蜂蜜酒を飲んでしまったらまだまだイケルと宴会ムードに。

 こうしてその日は一日働かせ続けてしまいました。


 ネネさん…ゴメンよ。

 でも美味しかったと伝えれば笑顔で返してくれました。

 ネーサンに頼んでちゃんと良い報酬出して貰おう。

 ついでにネーサン、料理がダメでも蜂蜜酒は作れるのね…

 自分も何か…形になるモノ。作れれば良いんだけど。

 そう思えば自分はスキルとしてなら、錬金術が使えた覚えがある。


 上手い事、役立てる事が出来れば人間との交流において一つの武器になるかな?

 いつかのおっちゃんも…褒めるだけ褒めて伸ばしてくれたスキルだ。

 自信はある…使いどころを間違えなければ通用する筈!

 今回の世界は…やはり、癒しだ。癒しを求む!


 故に他のユグドラシル種と全面戦争は避けたい。

 ネーサンが言うには、ほぼ確実に敵対するだろうとか言ってるし。

 やりあうにしても…周りを巻き込む抗争にだけはしたくないね。


 先に対処してしまうか。避け続けるべきか。

 何よりも情報元がネーサン情報だけだし。

 判断するには材料がまだまだ足りないのでセーブ&ロードの出番であるな。


 まあ…今日は十分に堪能した。

 もう暫く食べられません。


 ボクぁ…幸せだぁ。

 難しい事は後に考えればいい。

 今はただ…ネーサンの下敷きになって眠れば良い。


 うーん流石に寝辛い、今の自分の上に抱き着いたまま動かなくなったネーサンがいる訳だし。

 勿論起こすわけにもいかずに動けない。


 そういえば無警戒だけど、大丈夫かな?

 相手は一応、少しは共同作業をしたものの、その性情も知らぬ冒険者…

 妙な視線を感じて心配するものの、こんな流れで敵対するような事にはなるまい。


 こんなに姿が可愛いのだ。

 無防備な所を見せてあざとく生きるのだ。

 癒しを得るために。ネーサンを人間側に引っぱり込む為にならば。


 …どこまでできるだろう?

 …何ができるだろう?

 …結局はネーサン次第という所もある。

 …人間側に引き込んで貰いたいのか。

 …それとも自分を魔物側に引き込みたいのか。

 …分からないが。考えていても仕方ない。

 …意識も微睡んできたしそろそろ寝よう。


 明日からがんばる。

 そう決意を固めておやすみなさい。


 でも、その夜はネーサンに噛みつかれて眠れず。

 人間側が受ければ死んでしまうであろう威力の組み付きを続けられ。

 喘ぐ声が一晩中続きましたとさ。



   *   *   *

蛇の主人公は検証が上手くいった回しか語らない

今回はテイク3ぐらいの結果かな?

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