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リムの魔城

 今までにない豪華なお食事中。

 蜂蜜をかけるだけの簡単な物ばかりですが。

 どれもこれもが美味しいのです。


 目の前に並ぶお皿の数々。

 その上に乗るは。


 珍妙な虫でした。

 獣が丸々一匹乗ったりしています。

 それどころか蜂もいます。

 ネーサンの眷属であろう蜂が食べて貰いたそうに此方を見ています。

 生きたモノをそのまま出される事に驚きですよ。


 見つめてみると…蜂蜜を抱えて澄んだ瞳で見つめられてます。

 ちっちゃくて可愛い…もしかすると、アレかな?

 アーンとしてみたら、ハイどーぞして貰えるのかな?


 そう思い目の前でお口を開けてみたら

 蜂の子はそのまま自らの体をお口に捻じ込んで

 なんと…口内に体ごと侵入してきてしまいました。

 奥まで突っ込んで来たので思わずごっくんと呑み込んでしまいましたが。


 ネーサンが笑顔でもっと食べる?

 なんて聞いてくるものだからこれが普通なのだろうか?

 お腹の中がちょっとムズムズかゆいです。



 そんなこんなで驚いたものの。

 お腹はまだまだ満たされぬ。蜂蜜をぺロペロ続け。

 目の前でスライスされる虫肉をペロリと一呑み。

 意外と虫系の魔物はおいしいの。

 殆ど丸呑みではあるが、お口の中で堪能と。

 胃袋の中で堪能する2種類の味があるのですよ。


 …しかし先に呑み込んでしまった蜂っ子が気になります。

 お腹の中で未だに蠢いているこの感覚。

 喜びに悶え苦しんでいる感情が伝わってきます。

 都合よく妄想している訳でもなく。

 呪術による感染の応用術『共感』にて感じ取れてしまうのです…


 これが魔物の感覚なのでしょう。

 もうどんな事があっても驚かない。

 互いにそう望んだ関係なら、これ以上何も考えまい。


 そんな至福の時間を終えて。

 ネーサンとの対話も弾み続けてこんな話題になりました。


「あとは、お部屋の問題ね。

 私と一緒の部屋でも良いけど。

 一人部屋も欲しいわよね?」


(うん、出来れば欲しいけど。今まで殆ど外だったし)

(おっと。そういえば魔城作成が出来るんだった)

(丁度良い場所開いてれば軽く作れるかも)


「そういえばアナタも持ってたわね?

 レベル1だと大した物作れなかった覚えあるんだけど。

 折角だし私が作ってあげるわ。私の部屋のすぐ外で良いわよね?」


(ネーサン! お手本見せてもらいます!)


「任せなさい! ティアちゃんの服もみーんなそっちに移動ね。

 引っ越しだけはちゃんと自分でやってもらうからそのつもりで」


(そこら辺はちゃんとやるよ~どんな感じになるか結構楽しみ!)


「それじゃ行くわよ。見てなさい!

 どっかの鞭を持った変態がやってきても、

 私の城は安全って事を見せてあげるわ」


(おお、流石ネーサン。心強い)

(それ聞いて思いついたけど)

(城の外から直接この場に攻め込まれるスキルなんてないよね?)


「そうねえ、空間系スキルとやらで、ひとッ飛びはあり得るかもしれないけど、

 魔力の影響が濃い場所に辺に飛ぶとなれば制御も難しくて。

 下手をすると所謂、壁の中にいる!となって人間なら軽く死んじゃうらしいわよ?

 ついでに真面目な話。『鬼神流派』なんて使ってくる人間がいたら要注意。

 壁抜けしてきたり超スピードだったり似たような事してくるからね」


(ふーん、それなら安心できそうだね)

(なんて言おうと思ったらそんなヤバイ人間本当に居るの?)


「私の魔城も半分は魔力の塊みたいなものだし。

 正確な場所に飛ぶ事はほぼ不可能。

 もし飛んできても、近場に干渉されれば分かるから問題なし。

 テレポートだの壁抜けだの、その辺は気にしなくていいわ。

 『鬼神流派』を持ってる人間は早々いないから…っていうとフラグね。

 まあ実際目の当たりにして戦闘状態になったら。

 覚悟を決めるしかない相手だけど。

 とりあえず私達ならなんとかなる相手。っと~。っせいや!」



 ズドーーーーン!



(そんなこんなで。凄い音がしたけど)


「はい。出来上がりよ。一応中身確認ヨロシク。

 ちょっと広いかもしれないけど我慢してね」


(はーい。見た目はやっぱりハチの巣なんだね)


「一応私だって蜂の魔物だし。ずーっとコレばっかり作ってたの。文句ある?」


(いいえ。文句なんて!)

(蜂蜜頂いて住処まで用意して貰って…感謝するしかありません!)


「よろしい。食事代と家賃は私の言う事を聞いて行動する事で免除!

 別にキツク縛りつける気もないけど。せめて解剖ぐらいたまにはさせてね?」


(あー、たまになら。ってOK出しちゃう自分がここにいる!)


「それで良いのよ。私の機嫌だけは損ねないようにね」


(うん。気を付けるね!)


「よしよし。それじゃ早速拷問部屋いこう!」


(たまにじゃないの!)


「思い立ったが私にとってのたまぁーにだけど?」


(今度は心臓食べるなんてなしだよ? 流石のボクでもキツイからアレ)


「3つあるんだから一つぐらい良いじゃない?」


(呪い…漏れちゃうから!)


「うーん。仕方ないわね。じゃあ先にその呪い見せてもらうから、

 捕虜部屋いくよ。今日の晩御飯ついでに」


(げっ…何? その捕虜って人間?)


「勿論、私の財宝目当てでやってきた人間よ。

 ちゃんと浅い部分にもお宝おいてあげてるんだから。

 それ持って逃げれば良いのにね。

 欲張って奥まで進んでくるからこうやって捕まえちゃうのよね」


(へぇ、お宝ってどんなの?)


「ん~とね。そうだ。折角だしお食事済んだら。

 私とティアちゃんでゲームしない?」


(むむっ…ゲームとな?)


「そうそう。私が追いかけるから。

 ティアちゃんはお宝集めながら私から逃げてお部屋まで持ってくるの」


(お、楽しそう~♪)


「勿論。私に捕まったら拷問部屋行きね!」


(うん。それなら…罰ゲームみたいで良いかも!)


「よしよし、決まりね。じゃあ先ずは呪いみせてよ」


(その前に。その晩御飯って。人間とか言わないよね?)


「良いじゃない。魔物なんだし別に気にする事はないわ。

 向こうも自分の命と財宝天秤にかけてやってきてるんだし。

 それともティアちゃん。まだ人間食べた事ないの?」


(んーと、癒しが遠のく事を感じたよ)

(そりゃ…食べた事あるけどさ)

(一応、この世界の人間と係わるの。ボクはまだ諦めてはないんだよ?)


「まあ、ティアちゃんがそう言うなら。

 私も協力するつもりはあるけど。

 今の私は魔王として知れ渡っちゃってるし」


(そういえば魔王って言ってるけど。この世界の魔王の基準ってあるの?)


「とりあえず、純粋に強い事。

 手を出したら確実に人間側に大損害が起きるぐらいの魔物である事。

 あとは知恵があって多少なりとも

 交渉の余地が残ってるとかがあると呼ばれやすくなるぐらい?

 といってもアスピクみたいな単純な脳筋馬鹿が、

 魔王って呼ばれる事もあるから別にそっちは重要じゃ無さそうね」


(要は強くて人間世界の脅威と認知されれば魔王って呼ばれると)


「そゆこと。ちなみに私はそこそこ人間側とも交渉してるけど。

 ティアちゃんが希望するような交流はしてないから期待はしないでね」


(はーい、なんとなく想像つくよ)


「今晩は人間ハンバーグと骨砕スープよ~


(調理までしちゃうの!?)


「から揚げや天ぷらの方がよかった?」


(むむむ。。。このままだと魔物道へ引き込まれてしまう)


「だからティアちゃん…

 じゃなくてヨルンちゃんが私をそっちに連れ戻してよ?」


(一応その気は残ってるんだ)


「どっちに転んでも私は別に良いんだけどね」


(だったら。まず人間食べるのやめない?)


「じゃあ代わりに食べるものってなにさ?」


(材料があればボクが料理するよ?)


「家庭用レベルの料理なら残念ながら私も出来るわよ?」


(そんじゃだめか。正直ボクもそのぐらいなレベル)


「人間なら。料理人用のスキル持ってるかもしれないけど。

 どういう訳か。魔物だと全然そういうの覚えられないのよ」


(ネーサン見た事あるの?)


「うん。人間の町に繰り出したとき。

 料理人だとか商売人だとか魔物じゃあ、まず見ないスキルが多かったかも。

 ちゃんと剣士とか魔法使いなんてのもあったし。盗賊なんてのもいたわ」


(へぇ。魔物とはまた違った能力を持ってる訳ね)


「なんなら捕虜相手にスキル使って見てみればいいじゃない?」


(おお、そうだった。やってみよーっと)


「別に呪いさえ見せて貰えれば後はその場で食べちゃってもいいからね」


(うっ…止めるんじゃなく勧めてくるネーサンがやらしいです!)


「だって。一緒に魔物道歩んだ方が楽だし。

 その方がティアちゃんは死なないと思うし。

 多分ね。私。もう一回ティアちゃんが死ぬような事があったら。

 この世界ぶち壊すと思うわ。

 今はヨルンちゃんだけど、その辺覚えておいてね?」


(わ、分かったから。その舌舐めずりはやめて!その顔のネーサン怖いの!)


「あら?どんな顔してたのかな?

 ティアちゃんに怖がられるのは嫌だから気を付けるけど」


(でもそんなネーサンも…ちょっと魅力的?)


「んっふっふっふっ…後で優しく解剖してあげる♪」


(それ喜ばせる行為じゃないからね!)


「そのうち癖になってくるわ。っと、それよりも到着ね」


(おお。なんて禍々しい)


「魔王の嗜みって奴? 地下牢ダンジョンって良い響きじゃない」


(捕らえられてる方は溜まったもんじゃないねコレ)


「牢屋に捕らえられて普通、喜んだりする?」


(まっ、それもそうだけど)



 こうして2匹の魔物は立ち止まる。

 辺りを見渡せば蜜蝋の回廊が終わりを告げて。

 石造りの門が目の前に塞がっている。


 そんな門の前に跪く、この巨大な魔物が看守代わりなのか。

 と思ったが、この先はちょっとしたダンジョン風な作りになっているらしく。

 ネーサンの言うお宝。でもネーサンにとっては必要のない物を

 適当に宝箱に詰めて冒険者達を招き入れる為の餌にしているのだとか。


 ともあれこの魔物は他とはやはり一風変わっていた。

 なんというか、蟷螂?

 メタリックな質感で、いかにも首を跳ね飛ばすのが得意そうです。

 イメージ的にシンボルエンカウント系の中ボスである。


 ちょっと前までの自分なら、目の前のコイツもラスボスクラスに見えてたりしたかもしれない。

 ふぅーむ、ネーサンの配下だけあって強そうだ。

 蜂の魔物だけを従えている訳ではないのか。


 ちょっと挨拶してみれば。

 なんともまあ、愛想は良いようだ。

 可愛くは無いが鎌を閉じて一礼してきたよ。


 その後は真っ直ぐ地下へ続くであろう斜面をゆっくりと下っていく。

 しかしネーサンの部屋のファンシーグッズと違い。

 地下牢はなんというか。しっかりとした石作りであった。

 ネーサンの内面を現したかのような蜂の姿をしたオブジェを立ち並べ。

 作りも頑丈で。尚且つ魔力で発動するトラップが幾重にも仕掛けられている。


 その一つに。

 足首を切断するような位置に、刃物を高速で走らせるトラップが仕掛けられていた。

 特定の位置に対象物が触れると。その瞬間シャッ…!!!

 という音と共に切れ味抜群の三日月形の刃が通り抜ける。


 その切れ味の程はと見てみれば。

 自分の触手がなんの抵抗も感じさせずにスライスされました。

 ネーサン、何も言ってくれなかった…

 まあ自分からじゃ魔力の流れが見えてるし。

 位置が丸見えなトラップなのでなんとかなってはいるのだが。


 続けて見かけたのは古典的な釣り天井である。

 降ってくるのは逆さトゲ付きの鉄板もあったがそれだけではなく。

 代わりにハチの巣が降ってくる物もあるという面白いトラップもあった。


 ぶわっ…と小型の蜂が大量に現れる様を目の当たりにしたその瞬間の心情は。

 なんとも生理的な恐怖感に包まれたものだ。

 勿論、ネーサンがいるので笑って吹き飛ばしてくれたけど。

 タイミング次第では頭に直撃しハチの巣をすっぽり被り…

 うむむ、その後は想像したくない。

 鉄板を頭に受けて即死のがまだマシだ。


 バリエーション豊富なトラップ群を楽しみながら進んでいくと。

 ネーサンの石像から針が跳んでくる仕掛けがあるのが面白い。

 分かりやすくシンプルで尚且つ頑丈なのでちょっとやそっとじゃ壊れないらしく。

 試しに壊してみたら?って言われたのでやってみた結果。


 ハリネズミ状態となった自分がココに居た。

 一本や二本どころではない。

 ミニガンクラスの連射力で撃ち放ってくるこたぁないでしょうに!


 その後でネーサンが言うには、像を壊そうとする愚か者に対する報復射撃。

 だったそうで、普段はこんなに打たないそうです。

 ネーサンはこの程度じゃ自分が死なないと、

 分かっているから勧めたようだけど、ただの人間が受けたら即死であるな。


 それにしても、まだまだトラップは種類を増していく。

 完全に殺す気のトラップばっかりだ。

 しかも即死級のトラップは少なく、

 じわじわ長く時間をかけて命を奪う系が多い。


 何コレ?

 木の杭が横から下から。凄い勢いでピストン運動してるんですけど。

 刺さってみるとなんと…その時点で動きが止まり貼り付けにされてしまった。

 先のギロチントラップといい。動力や制御装置はいずこに?

 それもこれも魔法の力なのだろう。なんて便利な魔法の世界。


 ハチミツ落とし穴なんていうトラップも見かけたが。

 これって、人間にとっては底なし沼なんじゃない?

 あ、でもやっぱりハチミツだ…おいしい。

 でも品質は悪そうで粘度が薄くて味も普段食べてるのに比べれば微妙やな。


 そんな蜂蜜落とし穴もネーサンが言うには、

 ハチミツ漬け人間が作れるからこの落とし穴は一石二鳥とか。

 結構数を仕掛けてるみたいです。

 これが300年間魔物として生き続けてしまった元人間のやる事ですね。

 でも複数の冒険者達なら他の者達に助けられるから致死率は低いようです。

 となると、単品で侵入してきた冒険者がトラップに引っかかった場合の末路は

 虐める系トラップにより動けなくなる…からの長く苦しんで。

 その後にお亡くなりに、という流れが出来る訳か。


 ともあれ様々なトラップをその身に受けたりしながらも先へ進み。

 自分も自分で生きているのが不思議なぐらいにひどい目にあった。

 殺しにかかってくるトラップというのはなんとも恐ろしい。

 それ等をまともに受けて生きている自分も大概であるが…


 過剰なまでに殺意たっぷりのトラップ群を抜けようやく本物の地下牢である。

 ネーサンの此処までがダンジョンって所という報告を頂き、一息ついてヨルンは思う。

 この世界にやってきて、初めてダンジョンと呼べるようなアトラクションを楽しめたと。

 なんだかんだで面白い地形を潜り抜けてきたので参考になりましたな。

 こんなの作れるなんて。ネーサン凄い…素直にそう思ったけれど。

 この地下牢ダンジョンって、もしかして?



「普通の人間は大体こっちから潜入してくるのよ

 表の森からだと高い場所にしか入り口作ってないのよね。

 それに入るにしても直接私の眷属を相手にしなくちゃならないし。

 わざわざ人間用に入り口いくつか用意してあるのよ」


(へえ、森から行く方が大変なんだ?)

(ボクは全然苦労しなかったんだけど)


「空飛べるとかなら、楽かもしれないけど。

 人間側はどうやって入るのかしら?

 フックやソレが付いたロープを使って登って来ようとする輩もいたけれど、

 末路は別に語らなくても良いわね。

 それに人間側にはちゃーんと伝えてあるの。

 私に挑戦するなら、玄関からどうぞ。

 私が用意した入口以外から来るなら。全力で潰すってね。

 挑戦者としてなら私としても楽しめるし。

 ある程度の財宝ならくれてやって良いかもなんてね。

 それでも理解してない奴は来るものだから。

 そういう奴等には最高のおもてなしをしてあげてるわ」


(ふーん、挑戦者ってそんなに多いの?)


「ほどほどよ。地下牢用意するぐらいにはね。

 最近は少しどころか大分減ったかなとは思うけど。

 やっぱり纏まった冒険者がたまにこうしてやってきて。

 途中で動けなくなっての、こういう状況よ」


(ほほう。確かに。人間だー)


 気が付けば、ヨルン達は地下牢で捉えられている牢屋の前に辿り着いていた。

 鋼鉄製の檻の中で捉えられている人間は、6人PT。

 前衛3人。後衛3人といった所だね。いずれも人間である。

 ケモケモした子はいないんですね。

 じっくり観察し、装備の状態を見るに、斧装備の重層鎧。軽装な剣士が二人。

 いかにもな魔法使いが二人ともう一人はその回復要因といった所か。


 勇者パーティというよりは傭兵団的なイメージが得られた。

 リーダー格であろう男はなんともごついが…頼れる兄貴的な印象を受ける。

 どれ、一人目を詳しくステータス閲覧。



――――――――――――――――――――――――


 名前【ディッグ】Lv:83 職業【傭兵】


 HP187/187 MP101/101


 攻撃:150

 防御:129

 魔法:65

 速度:80



 職業スキル

 『片手斧 - Lv:7』『両手槌 - Lv:7』

 『重層盾 - Lv:5』『小盾 - Lv6』『拳闘 - Lv7』...etc


 通常スキル

 『不動の心得-Lv4』『無呼吸運動-Lv3』『読唇術-Lv2』

 『超力収束-Lv2』『カウンター-Lv4』...etc


 攻撃スキル

 『3連撃-Lv4』『強撃-Lv5』『貫通攻撃-Lv4』

 『甲殻割り-Lv3』『断頭-Lv2』


 加護

 『フィンブルの加護』


―――――――――――――――――――――――――



 うむ、脳筋タンク的なステータスのような気がする。

 特性とか耐性が無い分。職業スキルやら加護ってのがあるのか。

 自分達も特性は世界樹の加護とやらに放り込んであるから、

 それと似たようなモノだろう。


 なるほどね。他の人間は?

 見れば剣士だと思われた女のうち一人は盗賊だったようだ。

 詳しくは省略するが。

 他の面々を見ていた所に。気になるスキルを発見した。


『料理 - Lv8』


 うむ、生かす理由が出来たかも?

 ネーサンも同じような事を思ったようで顔を見合わせる。


 ともあれ、初期の目的。

 呪いの確認。これをどう納得させるかにかかっている。


 守護者は自分の呪いとなった事である程度の操作が可能といっていた。

 という訳で脳内シミューレート。

 自分の覚えているスキルを組み合わせ。

 出来る事と出来ない事を練り合わせ。


 うんうん、出来そう。多分イメージ通りならこんな感じ。

 あとは流れを作り、挑戦あるのみ。



(ネーサン。さっきの場所でちょっとした広間があったけど)


「良いよ使っても。そこで遊んであげるのね」


(適当に流れ作って戦う感じでいい?)


「ティアちゃんに任せる。呪いが見れれば私は満足」


(それじゃ、こっちに合わせてねー?)



 という訳で冒険者達と思われる方々と対話のお時間です。

 ネーサンも一緒。冒険者も沢山。どうなる事やら。

 相手さんも対話のリーダー決めてきっちり話してくれるといいな。

 ごちゃごちゃしてたら多分。

 料理を作って貰うどころか料理されて食卓に並ぶ羽目になりそうだし。

 ネーサンの人間に対する態度が怖いです。

 自分に対してはすっごい優しいんだけどね?

 ティアちゃんに対するこのネーサンの反応はもっと理解してあげないと。

 そのうち、とんでもない事になりそうだ。


 ともあれ今は対話に集中せねば。

 上手く行くことを祈る。

 あっ、守護者よ。クイックセーブ頼んどく。



―――確認 あと1分待って下さい 手が離せません



 え?

 どゆこと?



―――確認 終わりました クイックセーブ完了 



 1分どころか10秒も経ってないけど。

 まあいいや、対話開始!

 どんな反応見られるかなー。楽しみだー。冒険者さーん。

 といった所で、高速で何かが顔の横を掠め、通り抜けていった。



 え? ネーサン?



 視線を向ければ魔法使い風の男性らしき

 人間の頭部に一つの針が刺さっていた。



 おびただしい りゅうけつ!

 ぼうけんしゃの ひとりは

 そのばに くずれおちた

 どうみても えいえんの ねむりに ついている



 いや、まあ分かってたんだ。

 冒険者側の一人が魔法の詠唱を隠れながらに続けていて

 そこそこに強めの魔法を放つ準備をしていたっていうのは。

 向こう側にしてみれば、チャンスが無ければ死ぬだけだったし。

 その気になるのも分からないでもないんだけど。

 だからって、あんな魔法受けたところで自分達、死ぬ訳じゃないんだし。



(ネーサン?)


「ティアちゃんが攻撃されるから、ついついやっちゃった」


(ボクが止めてれば。殺さなかった?)


「それなら。大丈夫だったかも」


(ま、いっか。大分ボクも感覚ズレてるよね)



ザッ―――



   *   *   *

次回。ヨルン死す。

昔のアニメはこんなタイトルを普通に出していたような気がします。

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