プロローグ5 デカいみっちり執務室
いわばオリジン・シード デカい女性に囲まれないと生きていけない世界 ということか!
所属について述べるくだりがありますが、長いので分かり易く点うってます。用法的にはおかしいかもしれませんがご容赦を
■惑星アレクサンドリア 第一執務室
「お待たせしました、ナンブ様。あいにく椅子の用意が出来ませんでしたが」
「いいのよ姉さん、適当に立たせておけば。私たちも……私たちも!立っているのだから」
ネロはなぜ立っていることにイラ立っているのか。いやこの状況を見ればなんとなくわかるが……ちょっとその話はおいておこう。それよりここ惑星アレクサンドリアの最高権力者であり執政官フィオナ・ウィンタースに呼び出された経緯について,、思い出さなければならない。”なんでこうなってんだよ”って顔のネロから出るお言葉にちゃんと対処するためだ。
さてアンリから「遊びに来るならどこがいい?」みたいなノリで外遊公務の予定を出され……選んだ時から数日が立った。
外遊公務といっても地球帝国側と、そこに所属しているアレクサンドリアとの関係の上であるものだ。アレクサンドリアはあくまで地球帝国に所属する、地球人類文化補完機構という組織母体が運営する惑星国家であるがため。私もあレクさんドリアに所属する外交官みたいな立場……だ!
そういう概要であると聞いたのは、ここに来た当初のこと。最高権力者であり執政官フィオナ・ウィンタースから聞いた話なのだ。そう……補であるネロは妹、姉妹関係らしい。最近もカナタとハルカで聞いたな?姉妹揃って国家運営に関わらせるのが地球帝国の勢力圏惑星国家の統治形態なのだろうか?
外向け、銀河連邦と地球帝国の銀河国際社会な公務でいえば……惑星の再生事業に関してだろう。何せここらの始まりと言えば敵性異性体……エイリアン・モンスター、宇宙怪獣による地球の侵略と壊滅から始まる。そうした脅威で地球が破壊されて既に1000年も経っているが、国土や故郷を破壊される災害被害というのは年数など関係ない。とかく破壊され尽くされた、という地球を再生するための事務レベルの会合……つまり連邦の再生事業に関する合意を地球側とどのあたりにするかのが必要だという。
私としてはメインはこっち、こんな言葉で語ってしまうのは滑稽かもしれないが……地球人類にとって「母なる星」にして「何もかも皆懐かしい」と言わしめる地球の再生についての合意や相談が最も重要だと思っていた。そのためどの程度の規模か?政治的なレベルの話かは以前から聞いていたもので、地球側との間での文書調整や地球側での政治的都合も時間を要するものだろうなとはわかっていたのだ。
私の故郷でもあるし、今の地球帝国がどうかはわからないが……地球人類発祥の土地、なんとか再生できればとは常々。
しかしそれは私の気持ちの話であって実務の話は違ってくる。
宇宙超常存在が残した破壊前の地球のデータの在りか……その探索。また再生するにあたって文書や条約、銀河連邦や他の惑星とのも調整について行うのは政治に長けた人たち。もっと小さく個人の話に落とし込めば、若くして執政官補を務めるネロや執政官のフィオナ。それに地球帝国からの駐在武官として来ているクラウディアやら……ここに集まっているデカく見目麗しい才女才媛の方々の出番。私のやることといったらあちらにいって、アンリが誘ってくれたような外遊で顔見せするぐらい。
その日程の調整が終わったのかな~って思ってたらだ。
「では改めて惑星アレクサンドリア執政官フィオナ・ウィンタースより各々……所属は略式で構いませんから自己紹介を、お名前だけで構いませんので」
「銀河連邦統合軍・対外惑星作戦部・宇宙海兵隊・総司令官、アメリア・バロウズ。制服を着て挨拶に来たよ」
「同・海兵隊・副司令、エメラダ・バロウズ。ご紹介はよろしいですね?」
「地球帝国・(圏)内惑星作戦部・宇宙海兵隊所属。フランソワーズ・バロウズ少将。正式な場では初めてとなるね。親子三代で挨拶する日が来るなんてな~」
「銀河連邦統合軍・対外惑星作戦部・対外派遣艦隊下・第三艦隊司令エレナ・ローデンシア。こうしてこの場にお呼びいただけるとは……感無量!」
「あんたは勝手に入って来たんでしょうが!呼ぶのは移動と警備計画が決まってからだってのに!海兵隊は直接動くのと……別件となのよ!」
「まぁネロ執政官補ともあろう方が移動計画について、ロメオ作戦分遣隊と協力関係にある第三艦隊を抜きに?お話しなさるわけがないと思いましたが」
「指揮系統を逸脱するなと言っているの!アメリアは現在作戦部の直下!呼ばれて当然のポストなの!」
これはまたすごいメンツだ。惑星アレクサンドリアに関わる背丈も体格も地位もデカい女性が集まっている。他にも各省庁のトップに、統合軍の作戦本部長もいる。早々たるメンツがこの第一執務室に集まっているのだ。ミッチミチに。
いや……私何かしてしまいましたか?そんな変なことをしたつもりはなかったのに!これではこの前の聴聞会みたいなもんじゃないか!ネロの機嫌が大層悪いのはミッチミチ詰まっているせいか?それだけじゃないよな?こんなトップ・オブ・トップみたいな官僚や軍人の方々といて感情を露わにしているのは。
尚この中で最大身長を誇るだろうエレナ・ローデンシア氏だがヒール履いているもんだからよりデカく感じる。この執務室、どころか地球人女性用の部屋の間取りというのはまぁマジでデカい。ビバリー・ヒルズの豪邸ぐらいデカいんですけど……それでも多少余裕がある程度に見える。そんな感じに恵まれた体格レベルの近い人らがまぁミッチミチ。
「ウカレてる提督はさておいて、アンタは今回何するかは把握しているわけ?」
「地球の惑星再生について文書レベルの調整と合意形成でしょ?流石にその程度は……」
その瞬間、ネロの100倍濃縮柑橘類を噛み潰したような顔が見えた。いかん何を間違えた?いや……覚えがない。全く身に覚えがないな?覚えがないところで問われても困るから、私がわからないのもわかっているのかネロは何も言わないでいるが……その、周囲の空気も困惑というかやや張りつめた空気を感じる。これは……私以外の皆さん事情が全てわかっているやつだ?困るな?聴聞会より厳しい雰囲気が伝わってくる。
「ナンブ様。そちらは順調に進んでおります、どうかご安心を」
「あ、はい。それならよろしいようで……その、聞いた方がいいと思うのでお伺いするのですが。この集まりは一体どのようなことで……?」
そこでより周囲の方々の空気がピリッとしたのを感じる。あぁこれ本題だな?とわかってしまうのが辛い。何かよくないことを?しでかしてしまったか?先の聴聞会から何もしてないはずだが?しかも執政官……惑星国家を運営する最高権力者が、直々に呼び出しているのだから相当なはずだ。
「ナンブ様がお選びいただいた外遊公務先なのですが」
「あぁはい、もしかして雨天とかで?」
「いえ太陽系惑星地球圏・慰霊式典についてです。そちらの予定なのですが」
そう、アンリとエルシー駐在官にクラウディアから選んで欲しいと出された予定。そのいくつかはおもしろそうな……見てて派手そうなものもあったが。つい目が追ってしまって選んだのがこの行事。太陽系?惑星の地球……圏はどの程度広がっていたのかはさておいて地球の慰霊祭。つまりむかしむかしの戦争の慰霊だ。昔といっても私がいた21世紀より後だと思うが……その時代にあった、宇宙怪獣の侵略侵攻で亡くなった方たちや過去の戦争被害を偲ぶ行事。
日本人の私の記憶にもあるが、夏のある時期は朝からどこのテレビ局もこれを放送していたものだ。風物詩とまでは茶化して言わないが、そうして見ている記憶が中々に残っていたもので選んだ。当然私のいた地球での出来事に関係すること、出た方がいいだろうと選んだわけだが。
「この式典について先に、地球帝国皇帝から通達がありました」
「おぉ……あぁごめん!式次第が出たなら挨拶あるもんだよね!ごめん、文章考える時間が必要ってことだよね?ネロが代読してくれるものをかぁ」
「全宇宙に散らばった元地球帝国の人間は、この再生者が出席する式典に参加するのであればこれまでの行いについて不問とすると」
「えぇ?そういう恩赦とか特赦みたいなのが出るってこと?気前がいいですね~」
言っておいてなんだが、気前がいい程度で済む話ではない。お前事態が飲み込めているのか、わかっているのかというネロの険しい顔。いや……その、何?恩赦とか特赦とかそういうのって参加賞ぐらいの感覚で貰っていいものなのかな?
「アンッタがどうして皇帝から名指しで御旗にされているかは、今更聞かないわ。知らないし知りたくもないから。意地の張り合いや子供の真似っこ期みたいなもんって言える規模でもないし」
「私も心当たりがないから答えようがないな……」
「でもね、これからどうなるか事態は予想できるの。宇宙中から!地球人類の!アメリアみたいなのが集まってくるかもしれないのよ!地球帝国首都セカンド・アースに!アンタがいく式典に!この前のアレクサンドリア以上のことが起きるのが、わかりきってるの!」
「かもしれないじゃなく十中八九来るだろうに、だからこうして集まってるんじゃないか私たちが」
「母上、それではどちらの意味か伝わりにくいのでは……」
「どっちにしたってそうだろ、うちらだって後ろ指刺されなくて済むんだから再生者様万々歳じゃないか」
「ご安心くださいナンブ様、このエレナ・ローデンシア。重力子サーベル免状を持っております故に。如何なる危機からもお守りいたしましょう、ロメオ分遣隊に隙間がある今……」
「キィ~~~~~~~~~~~~~~~~~!今度こそ事務レベルの協議で済むはずだったのにぃ~~~~~~~~~!」
「おやめなさいネロ!そのような物言いは!彼と長く時間を過ごしたからとで、分別を捨てたのですか!」
あまり声を荒げるような方ではないのか、私もびっくりしてしまったが。ネロもまたびっくりしてしまって……狼狽えるように、姉を見て何かを言いたげにしている。上司や上の責任者を見るというよりも姉に叱られてしまってショックを受けているそのもので。ネロはあんまりみたことのないような顔で……こちらへ向いて黙って頭を下げた。ネロが?仕事の結果と今後のことで私に?
「皆さまも重々承知でしょうが、これは公務でもあり公務以外のことです。21世紀の、地球人類であるナンブ様が参加される式典であることを決してお忘れなきように」
フィオナ・ウィンタースの一喝で静まり返った執務室は、その一言で引き締めたかのよう。立っているものは皆、官職であれば私に黙礼を……軍人であれば敬礼をし始めたのだ。
これが一体どういうことか、どういうものだと見られているのかを知るのは……式典に参加した後。自分でも嫌というほど理解させられてしまった。
ただアンリに招待されて、遊びに行くつもりだったというのに。
「今回は規模が規模ですので、私が同行します。アレクサンドリアにつきましてはご希望通りネロへ」
「ね、姉さん!これはその……ちょっとした、その……なんというか……」
「執務室は執政官の私的な場ではありませんよ。公務の場であることを忘れないように」
ごめんネロ、私のその……なんというか、判断の行いのせいでお姉さんに公的な場で叱られるような事態にしてしまって……!




