表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オリジン・シード  作者: 草間
イースター・エッグ~VSメカ宇宙怪獣~
87/101

12話 キック・オフ

■惑星ヤマト04 首都へ最大船速で突き進むフリゲート艦 艦橋


「あのぉ先輩?まだ状況が上手く呑み込めていないのですが、なぜ私の搭乗機に捜査局の押収品を?」


「説明した通りだけど。ナンブの()()()()は使えない、首都への揚陸後はカナタと二人で執政府への道を切り開いて」


「また省かれているぅうう!順を追って説明してくださいいい!なんでぇ!ブリーフィングもなしで!こんなの無理ですよ!またですかぁ!?」


「はいはい、そこまで。アンジェラは休息、管制の私が説明する」


 スターブレイザーの艦橋にはアンジェラが戦闘班長席に座っているのが見えた。班長は今泣き言ばっかり……いや正当な?訴えをして涙目のミカエラではないのか?彼女はタイタンに搭乗しているようで可哀そうな声だけが聞こえてくる。


 その様子を私はフリゲート艦の艦橋で、ソニアとエルダー・ヤガールことレーツェンと共に見て聞いてる。当然艦長でありこの艦船の最高責任者のクレア少佐も。カナタはフリゲート艦に回収されたタイタン・ブルータル・ナイトに搭乗して待機中。


 ネロは管制の都合上スターブレイザーの方に搭乗している。そうした機能は統合軍第三艦隊の旗艦たるスター・ブレイザーの処理能力が一番らしい。現状この惑星で運用できる艦船の中では、だ。軌道上に展開していた封鎖艦隊は壊滅。壊滅といっても全滅というものではなく、軍隊の用語で何割か行動不能になってしまったということで……スター・ブレイザーから救護艇が複数出動しているのを、この出撃前に見送ったことを覚えている。



「ミカエラ、データから見てもわかるけど現在惑星ヤマト04首都ニュー・カピラには6体のサイボーグ宇宙怪獣が出現。オシアナ非常事態宣言により捜査局の戦力を全て供出させている状況、わかった?」


「わ、わかりません!なんで6体も宇宙怪獣が惑星上に!?しかもサイボーグ宇宙怪獣ってなんですか!聞いたことありませんよ私!ネロ先輩も正気で言ってます!?」


 私は土曜の朝ぐらいに聞いて見たことがあるけど、実物見たのは初めてだなぁ。実物でいいのかあれらは。


 さて状況を私の目から見た範囲で説明すると、だ。


 戦艦スター・ブレイザーと合流後、惑星ヤマト04首都カピラへ向かう我々に知らされてきたのは……首都を守るように出現したサイボーグ宇宙怪獣!その数は6体、首都を防衛するため執政府のお城を中心にした1体と……周囲の5体で五芒星を描くように配置されていたのだ!神の摂理への反逆者たるサタニストの所業とでもいうのか?


 それらサイボーグ宇宙怪獣のどれも形状が、最初に送られてきたヒトデみたいなやつとは違う。それとなく完成された無駄も遊びもないフォルムなものでアレと同等の存在であることは予想できた。パーフェクト・サイボーグ・宇宙怪獣とでもいうのか?なんというものを作っているんだ!?


 では何を用いて脅威に対抗するか。


 その決め手は海軍捜査局が押収していたという希少金属の武器。なんでもヤガールが技術供与と材料提供していた聖鉄とやらを製錬する際に出る不純物があるらしいのだが……それを宇宙の聖なるエネルギーを散らす効果がある。元々高伝導のものが聖鉄で、放射してしまう性質の不純物をさらに精製し液体金属化したもの……合金なのだろうか?


 聖鉄に対して呼ぶなら悪魔超合金?魔神……いや、やめておこう。そういう名前で呼ぶのは。さておいてそれを刀身にしているらしい。それが2本あり、カナタとミカエラの乗るタイタンが受け持ち宇宙怪獣を受け持つ。


 スター・ブレイザーはそれの援護もあるが、首都封鎖と艦砲等による支援にためにギリギリまで同行するとのこと。


「ぜんっぜんわかりません!6体2?1人で3体相手を!?」


「私に再生者様のお力をお貸しいただければ……あれらを抑えるなど」


「それはやめて。説明はするから、聞いて頂戴」


「そっちにいる()()()()()()()()()()は誰なんですかぁ!?」


 アンジェラは戦闘班長席で深呼吸し、息を整えた。体に酸素を多く取り入れて少しでも回復を促そうとしているようである。だが伝えるべきことは伝えねばならないと戦闘班長の席という座席に相応しい気を張り、通信で伝えてくる。アース・ゼノンも使うなという理由を。それは至極簡素なもので。


「捜査局が押収したもののように、マスター・パワーは完全な力ではない。いえ完全な力かもしれないが、使う我々が完全ではない。その完全ではないものに対処する方法は出てきている……デリガット・バフム、エルダー・バファムトがそれを用意していないはずがない」


 確かに、それは考えられる話だ!


 カナタも言っていたが、ザ・マスターの力や知識には才能や……物資があればある程度の到達点には至れるようだ。それが故に先の戦いでアンジェラはあのサイボーグ宇宙怪獣を切り刻むことが出来たわけだし。つまりバファムトにはアース・ゼノンにもエルダー・ヤガールにも対抗する手段を持っていると見て言い。彼女はここで全てを決めるつもりで来ているのだろうか?


「ゼノ・テックを重用しているものは全てもそう。本当はこの艦も危険、それでも必要だから出している。バファムトが対策していないはずがない。でも心配はしないで、あなたは私を待ってくれればいい。必ず駆けつけるから」


 心配するなというアンジェラのタイタンはギリギリまで調整が必要だとか。そのため……この状況は6対2という厳しいものになってしまうが……それしかないとカタリナ副長やエレナ提督も承認した。航空機や戦車でどうにかなるとは思えないし。ましてや徒手空拳でもだ。戦艦もサイズが合わないからだとか。


「当代で優秀だった巫女は6人。先のと合わせれば……あの中心にいるのは恐らくカナタ。私の妹です、であればあれは私が」


「しかしバファムトのやつの姿が見えませなんだ。おそらくは……本来の隠しておきたい我らへの対抗手段の下。執政府である城の地下、あやつが我々との協定で得た研究所にあるやもしれません」


 えっそんなところがあるのか!?とレーツェンを見れば。


 協定を結んでから主要な研究所は惑星に分散させて作っていたが首都には暴走の危険もあって作らなかった再生宇宙怪獣。しかしデリガット・バフム……バファムトが来てから安定性が出始めたもので、専用の研究施設を地下深くに作っていたようなのだ。ようだ、というのはレーツェンの記憶がまばらというのもある。なんてこった!


「聞こえたわね?目標は首都直下研究施設!航空隊から先に出撃しフリゲート艦も同時に突入!地上戦に入って!こちらはタイタン2体で敵サイボーグ怪獣軍団を破壊する!よろしいかエレナ提督!」


「こちらはオシアナ非常事態宣言にて馳せ参じました。全面的に承認します。それよりナンブ様が陸路で向かうのは本当ですか!」


「他に足のアテがないからね……アース・ゼノンが使えなくても、私とソニアにレーツェンとで地上から突入しに行けとのことだけど」


 最悪の場合、が今なので最悪の最悪の時を考えてのことだ。


 その時というのは……サイボーグ宇宙怪獣らが暴れに暴れてタイタンが敗北し、スター・ブレイザーもフリゲート艦も敗れて……バファムトが勝利した時。そのため戒厳令下で封鎖されているだろう首都、マスター・パワーに関わりがある3人と1匹のポリは途中下車し陸路で向かうことになった。一般人も襲撃者の兵隊もそうはいないだろうと。


 輸送機や車両にバイクではなく……寺院から引き連れた馬に乗って、駆け抜ける形でだ。


「こういうのもなんだけど、みんなも無事で!生きて帰れるように!」


「軍人には難しい話ではありますが、遂行してみせましょう。それではご武運を」


 最高責任者でもあるエレナ提督へ連絡事項は終わったもので、私とソニアはレーツェンと共に艦橋から離れて格納庫へ向かう。その後ろから悲鳴が聞こえてきたが……今は急ぐもので聞こえないふりをして早歩きで向かってしまう。


「こんなことなら刀剣訓練もう少し真面目にやっておくんだったぁ~!」


「ヤガールのシルバー・サムライから学ぶいい機会よミカ」


「先輩またそんなことを言う!それでどれだけ変なことさせられてきたか!この前やらせたこと忘れたんですかぁ!?」


 アンジェラって後輩にはいつもこんななのか?戦闘前でも休憩中のおしゃべり、出来ているなら休めているだろうし……いいのだけれど。


■惑星ヤマト04 首都ニュー・カピラ 執政府のキャッスルへ向かう街の中で


「ねぇレーツェン!話が違うんだけど!人っ子一人いないって話じゃなかったっけ!?」


「これらは武士のもの!バファムトの術で宇宙怪獣の細胞兵器との融合体に……それらを首都防衛に置くとは!」


「ショック・セイバーも錫杖も通じます。物の数ではありませんよ!」


 レーツェン・ヤガールは徒歩!というかもう巨体で瓦敷の家屋の屋根を飛んでは……群がる、元武士とされる偉業の兵士を打っていた。両手には2本の白青銀の10フィート以上ある金属棒!あの赤錆の棒を私が振れたら?磨いたように美しくなったものだ。


 ソニアは舗装道路の上を……私の前を馬で駆け抜けながらショック・セイバーを振り、飛び掛かってくる者たちの相手をしている。馬上というのにあれだけ器用に徒手空拳と組み合わせた剣術で迎撃出来ているのは……手数、と攻撃の動きの小ささからリィン導師の教えだろうか。私が通る道を開けてくれているようだ。


 私はポリに乗って突き進んでいるが、何も起きていないはずはなく。


「まずは1体!御子様!執政府から離したいところですが、やつらは防衛をするようにされている!なるべくそちらに向かわないようにしますが……」


「プラズマ放射にはライト・シールドを!避け続けていたら執政府に到着する前に街がなくなっちゃいますよ!」


 遠近で分かる程度に遠く、しかし近い位置にもいるタイタン2体の攻撃が振りまく余波を搔い潜りながら進むはめになっている!瓦どころじゃない、家屋や肉片というにはビルみたいなデカさの宇宙怪獣のボディの欠片が飛んでくる!これ本当にたどり着けるかなぁ?!執政府の城に!


「たどり着くのです!たどり着かなければ宇宙はあやつの言う通り!父母のつくりし者が虚空すらも残らず消えてしまう!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ