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オリジン・シード  作者: 草間
イースター・エッグ~VSメカ宇宙怪獣~
85/101

10話 出現!サイボーグ宇宙怪獣!

マスター・オブ・ユニバースを見てきました


100点満点中!1億点!

ぜひパンフレットもお買い求めください

■ヤガールの寺院 道場


「まさかヤガールの気を正すとはな、言葉通りの再生者というわけだ」


「執政官補、使徒プリム!逆探知はかけられますか!」


「必要はない。私はこの惑星の首都とやらにいる。執政官は留守だがな、お前たちの想像する通り」


 カナタが勢いに任せて立ち上がり、エルダー・バファムトの姿をを投影するプリムのフレームを掴むがそれで何かが変わるわけでもなし。想像する通りとは、即ちヤガールの巫女をサイボーグ宇宙怪獣の制御ユニットにしているということだろう。妹のハルカがそうなっている、と聞いて堪らずだろうが……!


「なぜこんなことを!こんなことをする必要があるのか!?」


「あるさ。それはヤガールと同じよ。むしろ教導院の者たちの方が理解できんな?今はマスター・リィンとやらか、お前の師だなお供その2」


「えぇその通り。マスター・リィンは多少雑で癪に障るところはありますが立派な人です。あなたには理解できないでしょうが」


「あははは、そうだな。そうだ立派だろうな!エルダーといえども()()はなるか、年は取りたくないものだ」


 宇宙長命種族(エルダー)らしいのに何をいうのか!?と驚きながらも、正気なのか狂気に飲まれているのか。そもそも自分で正気と言う人間は正気なのかとも疑ってしまう。特に自分はわかっている、というような雰囲気で喋っているようなヤツは!以前のヤガールと同じ。人と、人じゃないものを弄って何かやってるのがそもそもおかしい!


「虚無の外へ至るためだ。この作り物の宇宙を破壊し尽くし……その崩壊の力の総和で外へ」


「バファムト、あなたは……!」


 そんな考えをどうして出来るんだ!何が作りものだというのか、この宇宙で。確かに歪んでしまっている状況がある……というのは私でもわかってきた。この惑星も、帝国も、銀河連邦でさえもだ。それでもそこには人がいる、生きている人が。それを作り物といってしまえるのはどういうことだ!?


「私もヤガールも父母たる宇宙超常存在(ザ・マスター)により力を授かった。ヤガールはククッ……マスター・パワーを用いて操るもの。私はザ・マスターが創世したこの宇宙の生命を如何様にでも出来る力を」

「そんなことはない!ここにある命全ては、それだけで本物じゃないか!そもそも偽りか真かなんて!」


「本当に?父母と同じように、私は自由に生み出せるのに?私は模造だらけの宇宙であっても生命なら好きなようにできるのだ。それはお前とて同じ。惑星を、宇宙を再生できるなら……父母の作りし宇宙を好きなように模造しているだけ。そんなものに価値はない、いつでも作れる弄れるものなど!」

 

 急に声のトーンが落ち着きつつある。()()()()をしているんだぞという威圧感が投影映像ごしのスタチューであってもバシバシに伝わってくる。彼女が考えていることの核心を、自らの手で内から引きずり出しているような血の怒気をも含めて。その声のトーンには、再生者と呼ばれる私が……彼女のいう父母であるザ・マスターと同じとし。そのそれに向けて言葉を放っているようだった。


「だからこそ私はお前を誘ったのだ。この宇宙を崩壊させ、別の宇宙へお前と私で旅立つ。父母と同じようにな。その先で惑星を作り、生命を作る。新たなる父母となるために。残念だよ」


「それで作ったのがサイボーグ宇宙怪獣、お笑いね」



 そういう考えのあなただから、私はあなたと行くつもりはない!と投影スタチューモデルへ叫ぼうとした時。そ、のあたり。後ろから、こちらの肩に手を置いたアンジェラが……私越しにバファムトを睨み口を挟んできた。えっ今?私とバファムトがっていう時じゃないのか、と見上げるのと同時。私の両肩に力が込められて背が沿って彼女の胸元下辺りに頭が埋まる。後頭部に伝わるのは柔らかさではなく、榴弾収納用ポーチの硬さ!表面の粗さ!そして整体より痛い背中への指圧!いたい!ざらざらする!


「勝利の女神、守護天使(アークエンジェル)アンジェラだったか。出来の良い量産品(マスプロダクト)の既製品風情が口を挟んで良いことではないぞ?再生者の側にいて自分が特別だと思ってしまったか!かわいそうにな、昔の私を見ているようだ」


「ご自慢のサイボーグ怪獣、既存のものを弄り回しただけの粗製品をとっとと出してみろと言っているのよ」


「ちょっとアンジェラ、何言ってるの!アンタ今この状況がわかってないとは言わないでよ!?クレア少佐、ウエダ提督には!」


「先ほどから、戦闘中としか!繋がらないのよ!他の艦艇にも!旗艦とのネットワークが繋がらない!どうして!?」


「やられた……!既に交戦中か、そうよねぇ!軌道上に並んでいるもんねぇ!封鎖艦隊は!クレア少佐!今すぐこっちへ降下して!そのままいたらフリゲート艦ぐらい通過した程度でデブリになる!」


 続いてクレア少佐の艦へも情報を送っているのか、プリムから転送されていくる軌道上で行われている戦闘行動のデータ。そこでは既に封鎖艦隊の多くが奇怪の機械の半身を持つ宇宙怪獣によって攻撃を受けて多大な被害を受けている映像が流れて来た。こちらの通信要請への対応もままならないぐらいに。幸いクレア少佐のフリゲート艦は封鎖艦隊とは惑星を挟んで対角のところなので難を逃れていた。ネロの声を聴いてすぐ、東方大陸軌道上にいたフリゲート艦が降下の軌道を取った。


「よし、では小生意気なお供その1のお願いを聞き入れてやろう。只今より弾道突入軌道でそちらに送る。適度なところで敗北を受け入れろ。その際に再生者はこちらで受け取る」


「在庫のチェックは今からしておくことをお薦めするわ、全て叩き潰すから」


 そこで、バファムトの顔が苛立ちを現し……少々の間の後に通信は一方的に切れた。切れたが隣にいるネロもキレつつあり私を挟んでアンジェラに掴みかかった!私はネロの胸にあるマルチツールポーチで潰されそうだが?これたぶん計算機だよね?丸いへりあたりが特に痛い!めり込む!34世紀でも相変わらず軍隊のポーチの表面は硬く粗いのか顔がおろされてしまいそう!


「アンタねぇ!もう、こんなこと何度も言いたくないけど!私たちには今時間もないし、ウエダ提督の封鎖艦隊から支援を受けることも、スター・ブレイザーの到着もまだで!」


「クレア少佐、捜査局の船にはタイタン不正行使と製造対策に当然タイタンが積んでいるはずよ。それをここに寄越して、私が乗るわ。座標はここと敵着陸予想点の中間でいい」


「何を言っているんですか!アルテミス艦隊のタイタンはご自分で言った通り!タイタン犯罪対処のためのもので!」


「そうよ!あんなの対タイタン用兵装しかないんだから使い物になるわけじゃない!あんた自分の実力を過剰評価しすぎ!」


「なんですって!新型ですよ積んでいるのは!今回のような不明な案件のためハイマン姉様が!」


 そこで、また間があった。投影スタチュー越しに見えるクレア少佐は……言ってはいけないことを漏らしてしまったというような。気まずさでこちらから目を逸らしたが、もう言ってしまったことなので忘れることもできず。アンジェラとネロの言葉が重ねて出た。


 いいから()()()()()()()()()()、と。


「ダメ、ダメです!言いわけありません!」


「敵サイボーグ宇宙怪獣、大気圏に突入しました!」


「アレクサンドリア執政官補ネロ・ウィンタースからアルテミス艦隊クレア少佐へオシアナ非常事態宣言の発動を伝える!ただちに最高戦力を供出しなさい!」


「これは犯罪捜査の、取り締まりのためで姉様が引き込んでくれた執行騎士型のであなた達の使うようなものでは……」


「着弾まで30秒!」


「わ、私が責任を持つ!持つから、お願いしますクレア少佐!アンジェラにタイタンを!あ、あぁそうだ!そうだ私がアース・ゼノンを呼べば」


「それは今はやめて、後で説明する。クレア少佐!早く!」


「着弾まで10!」


「わかりました!わかりました!アルテミス艦隊クレア少佐の責任をもってタイタン・ブルータル・ナイトの使用を許可!搭乗者権限は特別R分遣隊アンジェラへ委譲!」


「着弾!」


「転送!」


 2つ、衝撃があった。


 我々が野営していた旧都市部のところに1つ。それが着弾で巨大な衝撃波を生み出し……廃墟の高層建築群をいくつか吹き飛ばした後。山脈を切り裂くような高い金切り声の雄たけびが聞こえた!ネロから渡された双眼鏡を覗くと、禍々しい漆黒のオーラを纏った星形が姿を現していた。


 その星形は、ことさら高い音を立てるとオーラを吹き飛ばし。自らの体を誇示するように大きくそそり立つ。大きい星形の……ヒトデにも見えるが違う。真ん中の三角形部分が灰色の生態。その他両サイドの手足となる4つの三角は……機械で出来ている。それらはシャープでソリッド、雑にはっ付けたようには見えない!生体を弄れるというバファムトの仕業とするなら、最初からそうであるように生命を弄れるとでもいうのか!


 そしてそれへと立ち向かい、立ち塞がるように落ちて来たものが。全体的な表面は銀色であり、しかしその上を広がるネイビーブルーとスカイブルーが交差する青いボディカラーの巨人。対宇宙怪獣用に生み出した人類の人型決戦兵器。55m級の巨人……ライトシールドに、ソードを持つ白兵戦用主体のように見える巨大人型ロボットが地表を噴き上げて現れたのだ!


 搭乗者がアンジェラなので、ここにいるため中身が不在が故か……膝をついたままであるが。



「プリムは私の補助!いいわねナンブ!」


「りょ、了解!負けないで!プリムも!」


「承認。では私と共に該当兵器直上へ転送します」


 アンジェラはプリムのフレームをひっつかんだいたカナタの手へ手を添えて。任せるようにと頷いた後……プリムと共に数歩離れるとこの場からワープし。次の瞬間にはタイタンの首元へ向けて降下していた。そのまま彼女の出現に呼応するように首元のハッチが開き、吸い込まれるように落ちて入れば。タイタンの瞳に光が宿り、力が巡っていくのか……そのまま膝から立ち上がり、ライト・シールドを構えてサイボーグ宇宙怪獣へ突っ込んだ!


「手短に対処するわよプリム。こんなゲテモノ相手に時間をかけたくはない」


「スキャニング中。生体制御ユニットを探り当てるまで耐えてください」


「冗談、その前に叩きのめす!」




悪人:自分語りを始める


善人:説得を試みる



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