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オリジン・シード  作者: 草間
イースター・エッグ~VSメカ宇宙怪獣~
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1話 ドリーム・ラーニング

めちゃくちゃ2000年代の伝奇ヒロインみたいなのが出てくる!

■夢 白と青の花畑

 

「御子さま……今宵もこちらへ。その子も連れてきてください」


「さぁ、おいで。よっこいせっ」


 私の夢の中にある団地……のダイニングのテーブル席から立ち上がった巫女の彼女。彼女が先に団地の戸を開けて出ると、その先には白と青が混ざり合った花畑になっているのだ。彼女と会っている時だけの光景なのだが。


 そこを私は……隣の部屋で待っていた()()()()()()()()を連れて歩いてでた。あの居間にはテレビを見ていたロボットもいたはずだが、今はいない。その代わりと言っちゃなんだがずんぐりむっくりの……マスコット怪獣が一人で留守番をしているようだった。あのお金を食べたりセミ星人が連れてくるようなタイプ。


 彼女と夢で出会った頃合い。それがわかり……一緒に連れて行っていいかと聞けば、彼女は笑顔で応えてくれたもので。そこから夢の世界の始まりは彼女との挨拶と、マスコット怪獣をも連れてのお出かけとなっていた。


「それにしても不思議な世界だ。ここが君の夢でいいんだよね」


「えぇ。今は夢という意識を通して私と御子様は繋がっています。ここは星夢の世界のようなもの。ですから物質世界から()()()()ここは御子様の修練に一番よいのです」


「たしかリィンやソニアのとは違う修行法、だった」


 覚えていらっしゃるようで、思い出しながらやりましょうと……白く青いスミレ色の髪を揺らしながら彼女が笑う。錫杖を持つ手を後ろに。そんな彼女の笑顔につられて天を仰いでみれば、いつもの通りこの世界では……空にある太陽の輝きも、星の瞬きも遠く線を描いて流れている。この星の世界で生きている者たちの夢の世界だというが。ぼんやり思い出しているとマスコットの怪獣は私の手を放して花畑を走っていく。この子もわんぱくだ。


「教導院のエルダーは調和とバランスを重んじる方々であり内の心より成る法。それに対してエルダー・ヤガールの法は発であり外への心から成る操法。二つの宗派と流派はエルダー大戦で大きく対立しました」


 それは双方ともハイ・エルダー時代の隆盛を忘れられなかったからだ、と彼女は語る。選ばれし長命種族ではなくなり零落したともいえる彼女らは、その力の扱い方を巡って対立した。今ではあくまで調和とバランスを重んじる銀河教導院が……銀河の社会的に受け入れられているだけではあるとも。


「ですがそれはエルダーの話。長命種族であっても、御子様と同じというわけではない」


「大元の大きな力を私が自由に扱えるから、彼女らとは違うんだっけ」


「その通り。ですから再生者であるアナタ様は()()()なのです」


 エルダーやそれら力……銀河流れている宇宙の聖なる力を扱う才能がある者たちとは違って、()()()()()を出したり閉じたり蛇口の水感覚で出せる私とは話が違う。自由に出し入れできるなら、蛇口どころか水道管レベルで水を放射できるのだから……そりゃ扱うどうこうの話じゃなくなってくるよなと。そこまでは聞いていたんだったか。


「そんなまずい状態だからこそ、教導院の方法で十分だと思うんだけど、それ以上を君は?」


「それ以上と言うものではありません。外への力の扱い方を御子様は学ぶべきなのです。よくお聞きください。これは危ないものだから、知っておこうというの話ではないのです。お優しい御子様なら……それが一番当たっている、ような?と思われるはずです」


 そりゃそうだ。そんな力、いつ誰かを傷つけてしまうかもしれない。巨大すぎる制御できない力なんて……そもそも持ちたくないし。そんな私を見て彼女は……袖元で口を隠し、微笑む。つい笑ってしまったからと。


「ですからです。アナタ様の内にある恐れこそ、一番恐れなければならないのです。力が恐ろしいものと思っている心があるならば、恐ろしいものにかえてしまう。ですから少しずつでもよいのです。この力はそれだけではないと、心に覚えておいて欲しいのです」


 恐れ……彼女の言葉には力がある。説得力とかではなく、その言葉で私の思い当たる記憶が呼び起こされるのだ。一番に当てはまった記憶がヴォイド将軍の時。あの時は……あの姿も、あの力も海賊ということも全てを恐れてしまってあんなことになってしまった。本当はもっと、あんな暴力的なものでなくとも解決できたのではとも今でも思ってしまうぐらい。


 ちょっと落ち込んでしまったが……彼女は、転がっていたマスコット怪獣の側に座り。私にこちらを見るように袖を振って促せば……その袖で輪を描き。白く青く描かれた輪がそのまま花束となったのだ!その花束はマスコット怪獣の頭に被さると、あの子は喜んでまた走っていった。


「星の光は滅びと熱の光。しかし虚空の闇を照らす暖かな光でもあるのです」


 おぉ、と感心してしまった。こうしてエネルギー……力を自在に操る彼女はその力の使い方をよくわかっているのだ。扱う技術ではなく、操る心の術やあり方とか。そういう類のもの。私も真似して手で描いてみれば……彼女の頭に花冠が出来上がって降りてくれた。綺麗に出来て中々の出来栄えである。彼女はそれを微笑み、受け取ってくれた。


「御子様、おばあ様……エルダー・ヤガールは()()()()に触れました。己の法をあの子たちに用いてしまったのです。それはもう内でも外でもありません。全てを冒涜する滅びの光。闇に堕ちたエルダーがどうなるのか、銀河の神話にはありません」


「私は動けませんが……どうか、おばあ様とあの子たちを止めてください」


「そして()()助けに行く……そうだね?」


 この夢の世界で出会うこと。すなわちあの惑星ヤマト04から離れられない……のっぴきならない事情がある。あの惑星トリ・ヴィルムの護衛官アルハ・サリムのよう助けを求めて来た。窮地にいる彼女をも助けに行く……それが次に私のやるべきことであり……やりたいことだ。大変で、他の人の手をだいぶ借りることになるだろうが。それでも、よっぽどのことで助けを求めて来た彼女。自分の持てるもの、持てないものでも助けたいじゃないか。


 皆までいうな、任せておけと親指を上げて約束すると……花冠を被った彼女は微笑み頷き。そして私に両の手を差し出すように伝え、巫女服の袖を通して彼女の手と手の指が絡み合い。


「これで私と御子様の心と夢は正しく繋がりました。私はいつでもあなたのお傍にいます。例え恒星であるあなたが自分の光で……自分が見えなくとも。私が必ず、虚空の闇の中でも()()で輝いていますから」


 その後に手元から光る薄い白光で目が眩んでしまうと……うっすらと意識が光の中に溶けてしまって、気が付けば朝を迎えていた。今までにないぐらい快眠を実感できる朝を迎えて。


■早朝 第三執務室


「おはようアンジェラ!元気!」


「……今までになく元気なのはいいけど、音量を下げてくれないかしら。これは着替え、出る準備が出来たら言って。ここで官報を読んでいるから」


 ツナギやボロ服じゃ見栄えも悪いだろうで用意された新たな洋服。21世紀の活動的で、汚れてもいい服装に加えてオレンジの超目立つジャケットを持ってきたアンジェラと朝の挨拶で一日が始まった。


 惑星ヤマト04への出発。地球帝国の封鎖と監査を担当する艦隊へ向かうため最初の一日が、だ。



 

 






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