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オリジン・シード  作者: 草間
コスモ・レコンキスタ~宇宙回帰運動~
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21話 しばしの別れはデカい別れ

■惑星ネザリア 衛星軌道上 戦艦アース・ゼノン 艦橋


 結果だけで言えば私はアース・ゼノンという55m級の体を手に入れたことで……ネフィリムⅢ・エステルと戦い、退けることが出来た。そして墓守ロボットの彼の見送りを受けて戦艦に変形した後、輸送機を収納し今度は軌道上へ向けて発進。大気圏を離脱したわけだ。隣にはソニア、リィン導師や戦士長もいる。


 眼下に広がる惑星ネザリアを艦橋で見下ろし、超空間航法でさらに逃げるか?と思っていたとき。通信が入り……立体投影で姿を現したのは機械福音教団(エヴァンゲリウム)の使徒マシウスだった。滅茶苦茶オメカシしてすごい装飾の、だ。この絵面で別れの挨拶をするのか?


「その戦艦を使い、惑星を焼き払わなかったことだけは褒めてやろう。だが……我々の手を取らなかったということをよく考えて生きていけ」


「私はもう決めたんだ。よくわかったからさ……自分がやるならばと。だから別れの前にこれだけは言わせてほしい」


「なんだ、他の使徒の居場所は教えられんぞ」


「……この惑星にいた人々を助けてくれて、ありがとう。過程はどうあれそれは伝えておきたい」


 確かに植民政府の人間を……残酷な方法で処したのは受け入れられない。しかしそれが彼女らのすべて》》ではない。あの少女も老婆も……あぁした生活をできたのは彼女のお陰である。それは間違いなくあり、彼女が《《なしている善なるところ》》だ。彼女らが今も生きていることに、私が出来なかったことには言葉で伝えなければならない。


「……愚か者め。全機構作動せよ!緊急惑星跳躍シークエンス開始!事前プランαを選定、座標へ向かう!」


 惑星跳躍シークエンスとは!と思ってリィン導師を見ると食い入るように艦橋の大型スクリーンを見ていた。彼女も知らないこととは、と続いてみれば……いずこからか出てきた巨大で真っ白い外殻が展開されて……惑星ネザリアを覆っていくではないか!その展開速度は速く……緊急用のものだという言葉の通りか。驚いている間に、惑星ネザリアはすっぽりと白いもので覆わられてしまった。惑星はカプセルトイじゃないんだぞ!?


「再生者、私は……我々はお前を見ている。私が再びお前の前に姿を現す前に、他の使徒がお前の前に現れるだろう。あれらは私のように甘くはないぞ」


「己の振る舞いや心を正しておくことだ。今度は加減などせんからな……」


「ネザリア、ワープ!」


 そうして彼女の言葉と共に……外殻に包まれた惑星は、まばゆい光を放った後にどこかへ消えてしまった。本当に言葉の通り……どこかへワープしてしまったとでもいうのだろうか。


「えぇ、その通り。彼女らは既に惑星そのものを跳躍させる技術を持っていた」


「いやしかしそんなポンポン引っ越せるようなものじゃ……キャンピングカーじゃないんですよ!」


「あるのでしょう。惑星がそのまま維持できる、星系を作ることのできるテックが……彼女らはあなたに最も近い。宇宙を再生する技術に到達しかけているのではないですか」


「そんなことが……いや、そうか。だから私が……マシウスは私を」


 ここまで出来る彼女らにとって足りないもの、ピースが私だから求めていたのだろう。それともそれ以外のものがあるからか……例えばと何か妥当なものが想像できるわけではないが。とかく……何か大きなもののが始まる予感がしてならなかった。これぐらいと出来るものが、この宇宙にはいる。しかし誰がやるかが問題となっているのでは……あるのだろうが

 

 そんなちょっと、どうしようかなって思っている時にまた……新しい閃光と衝撃が船体に響く。どうやら別のものが跳躍してきたようだなと思ったら……巨大な戦艦が出てきた!アークⅡやⅣのようなソリッドな形状で構築された船ではなく。艦橋もはっきりあったり砲塔すらもある……どちらかというと、このアース・ゼノンに近い機構。しかしもっともっと巨大な船。しかも外からみても強そうなシルエットの船がやってきた。


「ちょっと、急いで来たっていうのにもう終わっているの?それにその……それは何。工作艦?ネロ、記録は」


「なにあれダッサ……地球帝国のデザインじゃないわね。エヴァンゲリウムの?あいつらデザイナーってもんがいないの?」


「どういうことですの……もう全部終わっているなんて!艤装の完全装備も切り上げてきたというのに!全て終わっているなんて!し、新型戦艦でしてよ!?このための!?」


「ローデンシア提督落ち着いてください、まず状況を聞かないと……」


「あぁ、あぁ~また、また……また遅かったぁーッ!」


 アンジェラとネロの声が聞こえたと思ったら、あの何もかもデカい山の帝国海軍提督さんの……何かひどく錯乱したような声が聞こえたところで。今回の件が一応の区切りがついた、ということを実感できた。


 いや、まだもう一件あった。それは……


■ 新型戦艦 甲板上


「本当にいいの?まぁ何言っても無駄だと思うけど一応聞いてあげるわ」


「いいんだ、私は彼を信じることにしたんだ。信じている、それでいい」


「バカねぇ海賊軍ならまだしも、ギルドの小間使いよ?恩なんて三日あれば忘れるわ」


「いつまでもグチグチ言い過ぎよ、そろそろやめたらそれ」


「はいはい悪うございましたよ守護天使様。口うるさくてごめんなさいね、執政官補として当然の仕事をしてるだけですので」


 甲板から見送っているのは輸送機。その中に乗っているのは、あのギルドの戦士長と部下たち。このまま連行して銀河連邦警察のほうが……という話だったのだが、戦士長から急に頼まれたのだ。今は見逃してほしいと。


 ソニアもリィン導師もすっごい渋い顔をして止めたのだが、やることがあるとのことで。そのやることってなんだろうと聞いたが答えてはくれず。しかし隣にいる副長がものすごい驚いていて、何度も彼に聞き返していることだから只ならぬ事情があるのだろうと感じられたのだ。


 ならもう行ってもらった方が悔いも何もないだろう、と輸送機を渡していってもらうことにした。終わったら自首してくれればいいやと。あと困ったら助けに行くからとも伝えて。戦士長のほうは言葉少なく、ではあったが副長のほうが何度も手を握っては頭を下げるもので……まぁその、目先の逃亡のための芝居ではないと思うし騙されたらまぁそれでいい。


 そうして彼のまぁ、なんかやりたいことが無事終わればなぁと輸送機のワープを見送った後。ネロに肩を叩かれた。


 こっちを見ろと。


「本来ね、状況を聞かなきゃいけないエレナ……ローデンシア提督が伏せってるから私が聞くのだけれどね。今そこにある、あの乗ったら一生の恥とも言いたくなるダッサい工作艦は何?ちゃんと説明してくれるのよね?再生者(リ・マスター)様?」


「そ、それはもちろん……その、食堂とか、で?」


「今ここでしなさい」


 アンジェラがあぁ、はいはいという具合で……こっちを見て船のことだけに何か助け船を出せないかとおろおろしてるソニアを連れて船内に戻り。私とソニアだけ……彼女しか聞くものがいない状況を作ってしまい。適当に誤魔化すことも出来ないので正直に話す。全部話せばわかってくれるよね?


「拾ったんじゃなくてね、あれはね」


「あれは何?」


「いやあれは私で……」


「だから何?」


 これはまずい、正直にそのまま言うとヤバそうだという気配を感じて……ちょっと筋道立てて説明しようとしたら全部バッサリ切られてしまった。だから、その……重要な部分だけ伝えるしかない。


「だ、第一世代ゼノ・テック……1000年前の第一次宇宙怪獣侵攻の時に作られた地球防衛軍の宇宙戦艦です」


「ゼノ・テックで作られた地球防衛軍の宇宙戦闘艦ん~~~~~~~ッ?!アンタまたそんなもの拾ってきてェ!海賊の次はこれってどういうつもりなのッ!次は宇宙怪獣も拾ってくるんじゃないでしょうねッ!」


 宇宙空間なので届かないはずなのだが、滅茶苦茶な音量で叫ぶネロの声で……固有周波数だか音波の共鳴だかで船外服のヘルメット・バイザーが割れるかと恐怖戦慄してしまった。


 本当に違うんだよ、何か……何かそんなつもりがあったわけではなく!だからヘルメットの上からグーで叩かないで欲しい!せめて、せめて何が悪かったか説明してから叩いて!


「何もかもよ!このバカッ!」



34世紀のデカい女性らからみてださい、で統一されているドリル戦艦ですがぁ

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