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オリジン・シード  作者: 草間
コスモ・レコンキスタ~宇宙回帰運動~
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6話 デカ自然保護区、デカ・ネイチャー?

コストコのキヌアサラダが好きで自宅で作るぐらいではあるんですが

面倒なんですよね刻むの…

■惑星ネザリア 森林管理区域 民家


「まぁそのぐらいでいいの?遠慮はしないで、十分いただいているから」


「そうよ。もっと食べないと。それとも後で食べる?別に分けておくけど」


「いえこれで十分でございます……あとお茶を一杯いただければ」


 少女と老婆、彼女らの食卓にお邪魔している私とポリは腹いっぱいはちきれそうな心地で……彼女らのおかわりのオススメを断り。食後の一服というものでお茶をなんとか流し込んで落ち着こうと試みていたのだが……そうもこうも事態がこうなったのは2日ほど前。


 機械福音教団(エヴァンゲリウム)の偉い人、であるマシウスとの対面が終わった後のこと。私はそのまま軟禁……されるということもなく。形はどうあれ見に来たのであれば一人の市民として我々の統治方針を見てみるといい、とのことで。私を最初に助けてくれた彼女らのところでしばらく生活してみろと言われたのだ。


 つまり推定敵国の占領政策を現地でみろ、と占領勢力の司令官に薦められた、という。


 なもので女性騎士……いや、彼女らも同じく機械福音教団というように機械の女性騎士、名前は何かと聞いても騎士は騎士としか返ってこなかったのであれだが。とにかく機械騎士の彼女らの護衛……都市部へ向かったものとは違い、えらい少数……もっと言ってしまうと彼女1人で私とポリだけを連れてここまで戻って来た。


 これは我々が何も出来ないだろう……という舐められた対応、というものではなく。マシウスの話し方や態度から考えれば一種の信頼から出されたものかもしれない。変なことはしないだろうし、機械騎士の彼女らの手を煩わせることを実行するなとも取れる。その上、この民家にいる彼女らに危険が及ぶようなことをするなよ、というメッセージにも思えてくる。みすみす他者を危険に晒すような人物ではないだろうと。


 これは非常にやりくいもので、私がそういうことをしないと見透かされた……よく言えばそんな人間ではないだろうと評価されている結果なのだ。悪く言えば対面すらしてない段階で人物評がもう出てしまう単純な行動を取ってしまったわけで。


 そんなわけで私は彼女らの家にご厄介、ホームステイみたいな形で寝泊まりをさせてもらい……食事や生活の体験をさせてもらうことになった。


 なったのだが初日から異常な量の飯を食わされている。


 いや海兵隊の食事より量はないが、それでも森の中に住む老婆と少女が食う量とはとても思えない。山盛りのキヌア(あのスーパーフードとか呼ばれる鳥の餌みたいなやつ)のような雑穀のサラダに白パン。鳥肉っぽい肉に野菜がこれでもかと盛られたスープや乳脂肪分の塊……チーズとかバターみたいなものをご馳走になっている。歓迎会の量なのか、普通の夕食なのか判断に困る……が、彼女らはもっと食べているのでおそらく普通の量なのだろう。


「男の人と食事したことがなくてねぇ……みんなそんなものなのかい?」


「お食事会とかではもっと少ないのかしら?他の惑星の社交界にお呼ばれした時はあまり食べないとか?」


「いやぁそのあたりはなんとも……そういう業務に携わっていなかったもので」


「あぁ、まぁそうねぇ。何か事情がありそうだし。使徒様からの直々のお話だし……」


 まぁ、そのあたりは深く聞かないでおこう、とした彼女は私の話はそこそこに。適当に流されるテレビのニュースに話題が移る。森林火災は収まり、この惑星に落ちたギルドならずものも()()捕まったと。国営放送の地域別の話のように……この西方地域の森林管理区域のニュースを伝えている。あまりない事態なのか、連日報道がされていたようだ。


「これなら明日から仕事を再開できそうだね。出来ない間は補償をしてくれたけど、やはり働かないと」


「働く……そういえばこちらでは一体なにをされているんですか?」


「もちろん森林管理だよ。若い子は野生動物の管理も任されているね。今日の食事もそう」


「私が捕ったものよ、明日は朝から一緒に見てらもう予定だけど……体はもう大丈夫?」


「えぇおかげさまで、都市部のほうでよく看てもらったので」


 おそらく体中に痛めつけられたような痕跡のあった私は、彼女らが知るような地球帝国側の男性》》という社会的地位存在?ではなくもっと何かひどい目にあうような場所にいた……と思われているようで。ど、奴隷とか?


 こうして老人、成人、少女……そして犬とくればそこそこ一般的、市民的な生活風景に見えるがまぁ飯もでかければ彼女らの図体はでかい。聞けば少女はまだ10代半ばらしいが私と同じ程度の背丈、一方で老婆は私よりも頭1つ分大きく、34世紀の地球人類手成人女性は本来このぐらいだと言わんばかり。普通老人って骨の関節の間がどうのとか筋肉量の関係で背が縮むんじゃないのか?そんなことないとばかりにデカい。ポリは元々でかい。


「まぁ、その。どこまで出来るかはわかりませんがなんとかやってみますよ」


「初日からがんばりすぎないでおくれ、山歩きは思わぬ怪我がねぇ」


「どの程度動けるかもわからないし。猟に出る男の人って聞いたことないもの。気を付けるけど迷子にならないでね」


 この時代の地球人系の男性はまぁまぁそう言われるような存在らしいが、私はこう見えても数日は海兵隊と生活していた身だ。運動不足もそこそこ解消されそれなりに動けるはず。明日の山歩きも最低限……倒れないぐらいは出来るはず。そうだよな、ポリと見れば全くそんなことはないだろとばかりに……どこからか拾ってきた木の枝で歯を磨いている。器用だ。


■ 翌日 昼 森林管理区域 休憩小屋


「えらい!よくやったねぇ~よしよし」


「フッ!」


「まぁまぁ、あなたは初日でどこか転ばなかっただけでも十分。お昼の休憩にしましょう」


 そりゃまぁそうだよって話でしかないのだが……生活体験最初の朝からの森林管理、野生動物の調査と記録というお仕事。一番役に立っていたのはポリである。訓練された軍用犬でもあり、スペース・ウルフドッグは鋭い嗅覚や聴力に洞察力で彼女から先んじて動物を探り、観察を促していく。


 開始早々先に別れ、今は合流した老婆もだが……彼女らの足取りは軽妙。支給されているというフィールドワーク用の靴と丈夫な衣類、200リッターぐらいの容量がありそうな背負いバッグ類を持っても軽妙な歩きで進んでいくのだ。その歩調はどちらかといえばポリが合わせなくてもよいほど軽妙。ほぼ海兵隊ではないか?老婆と少女が……山歩きや、そういう環境に左右される現場で働く人のペースで進んでいくのだ。どっちかというと歩荷(ほっか)さんじゃないかってぐらい。あの冷蔵庫みたいな荷物背負った配達の人みたいな…


 一方で私は衣類や靴、帽子やバッグを用意されても不慣れな土地な上に不整地で全然慣れることが出来ず。


 というか植生がデカすぎる。


 元々この惑星の原生林がそうなのか、はわからないが巨木の連続であるし地を這う根が太くデカい。彼女らが軽く登っていくのに比べて私の場合は地を這いながら隙間を潜ったり、ちょっと浮いている部分の下を潜ったり。自然のアスレチックを体感する羽目になっているのだ。ここはもののけの森か?


 そんなもんで後ろからついていくのが精一杯で……彼女らが何か機械?で記録している間も私はひぃひぃ言いながら歩いていく。時たま彼女らがペースを落としてこちらを気にかけてくれたのだが……ポリは私が無理をしなければ特に動かず。私が自分のペースを守りながら歩く限りは振り返りもせず。


 こんなサイズ感なものだから、原生動物もデカいんじゃないか……と怯えてしまったがポリの様子から見ていきなり襲ってくるような事態ではないらしい。それは安心できたが……そこまで、そこから先までは頭が回らないぐらいにへとへとだ。


「ちょ、ちょっとは待ってくれてもいいじゃないかポリ……」


「フッ……」


 立って歩ける大人なんだから、初日は仕事の邪魔にならない程度にできていれば十分なことぐらいわかるだろう?というような素振り。ずーっと息切れと、休憩を繰り返す私を見て……いや、鼻を鳴らし臭いを嗅ぐと。体で押して、休憩所にある井戸へと追いやる。小屋に入る前に汗を流せというのだろうか、そこまで臭うのか……


「先に汗を流しておいで、昼食の準備をしておくから」


「井戸に落ちないようにね、見てあげてねポリ」


 すっかり私より彼女らに馴染んだポリに見守られながら……井戸、井戸?私が前に立ったら自動で水桶が昇って来た()()を受け取り。頭からかぶったり体の汗を流したりして……午前中のフィールドワーク・体験を終えた。


 終えたがもう一日の労働全てやりきったかぐらい疲れたのだが、少女はともかく老婆はなんで平気なんだ。いや……しかし21世紀でも秘境の山奥で1人農作業を頑張る老人らはいた……のを地上波で見た。そういうものなのか?環境が作るのだろうか……私には到底追いつけそうもない。


 このハードな生活体験は何日続くんだろうか…!?




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