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オリジン・シード  作者: 草間
ヴォイド・コンバット~虚空戦記~
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18話 ビクトリー・コマンダー

■惑星アレクサンドリア 第三執務室 に隣接する 仮設応接間


「正義の勇者、ビクトリー・コマンダー!かっこいいなぁ~ギリギリで間に合ったんだ!」


 アース・ゼノンの調理場はいつでも使えるわけじゃない。なんでアレクサンドリアに離れずとも、小休憩できる場所をくれないかと頼んだもので……第三執務室に隣接するところに急遽仮設で応接間を作ってもらった。プレハブ小屋みたいな速度で建築してくれたが、ほぼほぼ昭和の一軒家……の応接間。


 そこでアンリ少年は”友達の家で夕方にアニメを見に来た”感じの大興奮でハシャいでる。


 見ているのはもちろん先日惑星バニッシュ・グラウンドで行われたヴォイド・コンバット……超戦士たちの戦いの数々。その最後の局面である生体兵器型の宇宙怪獣と戦う銀河統合軍総司令旗艦ビクトリー・コマンダーの姿。共に戦う宇宙獅子武者に機械騎士ケンタウルスにも喝采を上げている。


 ビクトリー・コマンダーに搭乗し……ソニアにカナタとエステルとの連携の音頭を取っていたエルシー。彼女は自慢げに……満面の笑みを堂々と浮かべてアンリの側に控えている。お盆持った家政婦姿で。私の焼いたバナナケーキを提供して、だ。


 しかし本当に全く知らないんだがビクトリー・コマンダーとは何か?一応私は統合軍の総司令官なのに……許可を出した覚えというか話が上がってきた覚えのない戦闘艦の改造に困惑しっぱなしだ。


 責任者としてどうなんだ、ではあるが……そんなものでつい「これは一体?」と聞いてしまったらしまった。そんな素朴どころか正直な困惑の声が聞こえてしまったらしく、アンリがテレビ・モニターから視線をぐるっと私へ向けて振り返り……胸を張って答えてくれた。


「説明しよう!銀河統合軍総司令旗艦 ビクトリー・コマンダーとは!」


「いや、こっち見た方が早いな。エルシー、メディアを再生」


 はい、こちらを。とエルシーが「このおうちの家政婦なので勝手知ったるですが」みたいなお返事の後に、リモコンを押す具合にテレビ・モニターへ指示すれば……再生されるのは別の記録媒体。


 いや……プロモーション・ビデオだ。軽妙なBGMと映し出されるアース・ゼノンの戦艦形態に解説を始める凛とした女性の声。軍の将校っぽい声だが聞いた覚えのない声だ。声優さんかな?まぁその……その解説が始まる。


 幻の発掘戦艦であり1000年前に作られたオーバー・テクノロジー戦闘艦アース・ゼノン。史上初のゼノ・テックにより開発され専用機構を搭載された宇宙艦……そのModification2、Mod2。


 それは1000年前に戦うことのなかったダーク・エルダーの超獣バファムトとの戦いで敗北を喫したことを教訓に、今後の機械福音教団(エヴァンゲリウム)との戦いを想定した改修計画が始まった。その第一弾としてが別機動装甲との合体機能の搭載である。


 これはアース・ゼノンの特徴をより伸ばすための()()()()として地球帝国宇宙海軍技術将ナディア卿から立案され、Mod2の絶対要件として採用された。


 ゼノ・テックのカンブリア紀とも呼べる1000年前に生まれた第一世代艦としての特徴……異なる次元宇宙から呼び出されたマスター・パワーを操る機能を洗練させただけに留まらない。


 高いエネルギー変換率と伝導効率、そして強力無比な通常装甲をもつアース・ゼノンではあるがその多くは固定兵装や艦船武装に留まっている。起動状態ではその素体を用いた格闘戦に頼るしかなく、出力はあるものの対応能力に問題があることが問題視された。

 

 銀河連邦統合軍及びアース・ゼノンがこれから戦う相手の多くはこちらの戦力を見て対応が出来る相手や、現在まで確認されていなかった宇宙怪獣となる。そのため必ず苦戦、或いは敗北することが予想された。


 そこで対応能力の強化と武装の追加を、別の機動装甲として運用されているものと合体させることで達成させようとなった。これは他の機動装甲を用いるという第一弾としての間に合わせの案でもあったが、アース・ゼノンのモジュール化とジョイント追加という小改修のみで効果的に運用できることが立証されることとなる。


 その第一弾がビクトリー・シャトル。


 ビクトリー・シャトルとは、地球旧時代に開発された宇宙事業の成果スペース・シャトルをモデルに開発した機動装甲であり可変式タイタンである。


 全長35m程度のオービター(白いボディに黒い耐熱底面パネルを持つ飛行機のような形状)と50mの外部燃料ロケットブースターをコンテナとし擬装したVロケットライフルが1機、個体燃料補助ロケットを模したVロケットカノンを2機搭載した推進ユニットで構成されている。


 Vオービターは教導院の騎士であり生体サイボーグであるソニアと融合することでビクトリー・ナイトに変形し独立して戦闘することが可能。銃撃や砲撃も可能だが得意とするのは剣での戦いである。


 これは単体としての戦闘能力をオペレーターであるナイト・ソニアに依拠しつつも重火力を内蔵及び携行させた独立ユニットとして構成することを試みてのものだった。


 試験合体は行えなかったものの、第一回の合体であるヴォイド・コンバットの最終戦では無事に成功。全高55mのアース・ゼノンと合体することで、ハイパワー・クラスのタイタンであるビクトリー・コマンダーとなった。


 配色は艦艇の黒鉄色をメインとしたアース・ゼノンと打って変わり、ビクトリー・シャトルのホワイトを基調とした胸部追加装甲に加えてウイングがメインを占める。頭部は格闘戦追加補強用のマスクと装甲により赤へ変更。青と黒のVロケット武装もアース・ゼノンをして単純な戦闘艦であるというコンセプトを廃し、統合軍の総司令官という存在を示すヒロイックな外見となっている。


 これによってアース・ゼノンことビクトリー・コマンダーは出力に見合った火力を手に入れ、また直前に作られた聖鉄製のパワード・セイバーにより対宇宙怪獣戦闘能力を飛躍的に上げることが叶う。汎用性のなかった胸部ドリルや腕部ブレードを移動させ、左肩や脚部にすることでウェポン・バランスの整ったフォルムとした。


 生体兵器型宇宙怪獣戦において背部Vロケットカノン2門と携行するVロケットライフル、各種対空火器や砲塔の火力を惜しみなく発揮。接近戦ではブレードやドリルによる攻防一体の格闘、そしてパワード・セイバーによる一刀で勝利することに成功するのだった。


 そして第二弾であるパワード・セイバーを運搬するキャリア、聖鉄製機動装甲獣パワード・レオについても説明しよう。これはMod3での


「あっここはまだいいやエルシー、止めて」


「ここは!?もう次の計画が進んでいるの!?ねぇ私許可したかなぁ!?これ私許可したかなぁ!?」


「許可も何も、許可が出される前段階ですよ。お忘れですか?統合軍の目的はエヴァンゲリウムや未知の宇宙怪獣への対処。そのために作られているのですから総司令官の最終許可が下りなくとも試作の申請は書類上あなたのもっと下の段階で通りますよ」


「まぁエルシーみたいな超戦士が乗ってなんとかなるならそれでいいかぁ……?」


 アンリ曰く地球帝国ではアース・ゼノンのような変形し、タイタンになるような艦艇は他にも製造して研究されているようだし。エルシーのような強戦士が乗り込んで戦う、というための試験であるならそれで統合軍も帝国側もいいってことなんだろうな?


 まぁ役にやっているようならそれでいいし……今回の件もひと段落させたのはエルシーとビクトリー・コマンダーなのだから書類上の筋が通っているなら問題ないかと納得しお茶を啜ろうとした時……アンリの深い、とてつもない深いため息が聞こえた。なんで?


「じいさんはわかっていない!そうじゃないんだよなぁ~銀河統合軍総司令官は、じいさんなの!他にいないんだからさぁ!ビクトリー・コマンダーはケンゴ・ナンブただ1人なんだからそこを外しちゃだめだって!」


「えぇ?いや結局マリネリラには負けてしまったし、勝ったのはエルシーだよね?」


「負けていない!ヴォイド将軍には勝ったじゃないか!中身を知ることが目的だったんだろう!?だったら超戦士マイティが勝った!負けてなんかいない!」


「その通り。その上で出て来たマリネリラと私が、戦ったに過ぎません。再生者である超戦士マイティはヴォイドとの戦いで疲弊していたので私が委任されビクトリー・コマンダーを操ったに過ぎません」


 そういうロジックでいいのかなぁ?いやまぁ確かに?私がヴォイド・コンバットに参加した目的はヴォイドの仮面の下を暴くことであったし正体が明らかになったことで目的は達成されたが。それでも戦いの結果はボコボコにされて転がされてしまったしなぁ。


「だがその後、打開策を実行したのもケンゴだ。マリネリラもそこは認めている。途中は未熟な部分があり、押されてしまったが……力や技術の押し引きでは決着をつけることが難しいそういう存在がこの時代に並ぶべきものとなって出現した。それが彼女の出した結論だ」


 私の隣でゆりかごの中にいる超能力赤ちゃんがテレパシーでみんなにそう語りかけてくれている。いやなんでいるのってあの後もクオンと共に着いてきてしまったもので急遽私が私的に面倒を見ることになっている。


 出生の経緯を説明したら面倒なことになったり……私が認知しているかどうかの問題は考えること自体控えたいが、21世紀的観念なら親の元にいるのが一番だろうとのでだ。


 ちなみに第一子?長男?長女?ぐらいかということについては赤ちゃんからの提案で上はアンリ扱いらしい。なもんで弟か妹という下が出来たアンリは喜んでお兄ちゃんしている。かしこい下の子の同意に、今もご満悦だ。


「セシルの言う通り。しっかりしてくれよ、じいさん!そんな雰囲気でさぁこれからどう戦うっていうんだよ」


「どう?どうって……ううん?」


 セシル、こと超能力赤ちゃん(アンリからちゃんと名前を付けて、あとちゃんとした雰囲気で……というので選んだ。男女兼用みたいな名前のイメージでつけたが)の反応からするとこれからの状況を統合軍総司令官としてどうするか?という打開策の話だろう。力と力でぶつかり合うのではなく、だ。


 それがどういうことを意味するのか、何を問うているのか?アニメのこれからの展開を聞くキッズの質問ではないことは確かだ。なので軍事増強!もっと強いものを、もっと数を揃えて!というのではないのなんて明らか。だからこそ今この場となっているのだ。


「産業同盟を支配下に置いたマリネリラ、彼女を相手に力の駆け引きをするということは銀河連邦を分割する戦争を始めること……それは彼女の望むこと」


「だからこそ、ここは正攻法で行こうと思う」


 力以外の正攻法、政治的な方面の正攻法だ。


 その答えにうん、と頷くアンリとセシル。そして興味深そうに「まぁ聞いてあげますから」と他の同席者にも目配せをして……同席者の空になったカップへ茶を注いでいるエルシー。


 簡単に言うと弾劾みたいなものだ。


 ヴォイドの正体はしれた。だが私や他の銀河連邦の者が告発したところで連邦社会の運営に完全に噛んでいるヴォイドと産業同盟の動きを止めるのは難しい。黙殺されるか適当に時間を引き延ばされて終わる。


 ならもう1つの方向からアプローチすればいい。


 エヴァンゲリウム側からの弾劾だ。エステルがマリネリラに向けて問いただした協定。それに違反しているというのならばそうした方向から行くのもありではないかと考えたのだ。聞くに高位使徒は4人、偶数だからこそ割れて決着がつかず現在の体制になっていると。


 なら協定違反を理由に他の高位使徒を招集し罷免することも可能ではないのか?その結果暴くことで、連邦に既にエヴァンゲリウムが食い込んでいるということから動きを止められるかもしれない。与太話として処理されるより、現在の敵対勢力からの工作……いや内部の告発となると別の色合いとなってくれると考えた。


 正確には休戦を申し込めないか、というものだ。良ければ終戦でいいし、そうなれば戦争自体を回避できる。戦時体制と連邦の解体も回避できるのではと。1:3で休戦支持なら止められるでしょうで。


 そのためあの戦いの後、エステルに頼み彼女の上司であるマシウスに連絡を取ってもらうように計らってもらったもので……こうして私の隣に彼女がいる。エヴァンゲリウムの高位使徒マシウスが。


 そして後ろにはエステルが控えているわけだが……二人してすごい神妙な顔をしている。今大事な話をしているし、きちんと真摯に向き合った上で他の人……ネロやフィオナにも聞いた結果ではあったし大丈夫そうと考えて、なのだが。


「すまない、銀河連邦と地球帝国の内部について詳しくはないのだが新兵器のプロモーションというのは……こういう具合でやっているのだろうか?」


「いいえ?統合軍、というより彼のところだけですが」


 PV作成を指示したアンリがVサインしてアピールしている。セシルもそれに気をよくしてるのか、他のも見たい……というので別の方向で作ってるPVをテレビ・モニターに移して仲良くみている。ううん親戚の家に集まって子供だけアニメとか特撮ドラマみている絵だ。昭和だな?あっミニチュアおもちゃの方の宣伝まで作っている。


「私は、いつも……こうなのかと聞いている」


「それはわからない……なんか、こうなっているというか」


 私と同じく……いや、休戦に関してのことで招待された先で待っていたのがプロモーションビデオ集であり。この部屋に来てからほぼ視聴情報がおもちゃの宣伝……それら見せられたマシウスは白磁で作られたドールのような顔を険しくさせ聞いてくる。均整の取れ美術的なその顔は、理解できないものを見せ続けられている苦悩を表していた。


 休みの日に子供が見たい、と言って連れて行った映画がまったく理解できない時の親のよう。


「話を進めよう。我々はそれぞれの意志で分断選んだが、非常事態の招集コードは存在する。それらの使用をする代わりに、我々が欲しい情報の提供をする。それでいいな」


「ダーク・エルダーの情報だったね」


 エヴァンゲリウムでもこの宇宙の潜在的脅威、として認識しているのだろう。かつて起こったエルダー大戦で分かたれた闇の勢力……となっているらしいダーク・エルダーについて。ヴォイド、ことマリネリラもその存在を探る目的もあっただろうコンバット。


 私はそこでダーク・ソーサラーとも遭遇し一応友好的な感触の繋がりも持てた。


 その彼か彼女かの誘いもあり、師筋たるダーク・エルダーとコンタクトを取る予定を取り付けられたのだ。そこで我々が持っている情報の提供もあるが、ダーク・ソーサラーとの旅路の同行をエステルに申し出た。現地に行くのが一番感触として早いし、ある程度見知った顔でもある。都合がよいのでは、と。


「申し出はありがたいが、よいのか?お前たちもそう多く同行するわけではないだろう」


「アンジェラとポリがいれば十分って話だけどね。私もよくわからないし……まぁその、バファムトやヤガールの時のようなことにはならないと思いたいし」


 なったらなったでまた大変だし、その時にはエステルを大いに頼らせてもらえばいいしとマシウスに伝えれば。頼られて悪い気はしないのか、マシウスの背後でエステルは深く頷き静かにほほ笑んだ。


「それならいい。だが我々の認識としてはダーク・エルダーは未知の脅威であることは依然変わりない。お前が内側で従えているということも、な」


「それも考えすぎでは。私は統合軍最高戦力のアンジェラを間近で見れるのですから私は期待しかありませんよマシウス様」


 バファムトは別に従えているわけじゃないんだけどな、と答えても形式が違うだけとそっけなく返ってくるのは……やはり統治者としての考え方だろう。まぁただしい。私もよくわかっていないしな……なんか繋がっている感はあるんだが。実際クオンからもバファムトの権能?だかを取り上げた方がいいとは言われているが、そういうことはしたくないしなぁ~


 そんなぐだぐだしたことを考えていたら扉が開かれた。ここは一応第三執務室の隣だし仮設なもんで重厚な扉ではないもので、軽く……しかし強く。許しもなく入って来たネロの様子から火急の要件であることが伝わってくる。


「話も終わっているだろうから邪魔とは言わせないわよ、ケンゴ緊急事態。総司令官として招集。はやく!」


「えっえっ何が?宇宙怪獣の大群が攻めて来たとか!?クオンにも連絡してなんかこう……しないとまずいなそれは」


「違う、違う。フィナメスで緊急動議が出されたの。エヴァンゲリウムとの事態収拾に現議長が不適切という不信任案をね」


 つまり、と言葉を続けるまでもなかった。エルシーは何が起きているのか察してすぐに応接間の黒電話を取って連絡を取り付けている。名前が聞こえたからわかるがクラウディアだろう。事態がこれから開示されるだろうから、何も隠していない。どういうことか、と直で聞いている。


「即選挙。過半数を取って銀河連邦議長が退任、後任が決まるまで別の件で捜査があると移送されたわ」


「ちょ、ちょっとまってそれは流石に速すぎない!?民主的プロセスを通しているからもうちょっと……」


「惑星開拓機構、産業同盟の主導よ!ここまで狙っていたなんて……」


 こちらがエヴァンゲリウムとの休戦に関してマシウスと会談や何やら取り付け参謀本部での採決も取れた後のこと。いや最中には既に事態は進行していたのだろう。それにしても移送とは一体?そこまでの権限があるというのだろうか?解任されてすぐなんてあまりに出来過ぎている。


「事実上銀河連邦議会は停止、そうですねネロ執政官補」


「惑星開拓機構、産業同盟……銀河連邦は非常事態宣言を出す目前ってこと。その時に、後にも邪魔な議長達を排除にかかっている」


 ヴォイド、ことマリネリラが行動を起こしてからこの速度。確かに彼女の言う様に私は遅すぎたのかもしれない。遅いのかもしれない……だが、これあまりにも……言い表しにくい恐ろしさしか感じられない。これはちょっと、困る。ヴォイド・コンバットというあの戦いは、見世物ともいえるもので目くらましのショー。


 いや……既にいつでもこの段階に踏み込めるから、仕上げに私へ向けた宣戦布告だったのかもしれない。


 完全にしてやられて……愕然としている私に向けて言葉が、問いかけられる。テレビ・モニターの映像再生を止めて……こちらを向いているアンリの声が。問いかけてくる。


「それで総司令官、これからどうするつもりなんだ?連邦内の政治的問題だし統合軍が介入していいもんなのか?」


「そんなのは決まっている……統合軍、出動だ!」


「だからその出動する件の話をするんだから早く来いって言ってるんでしょうが!時間を無駄にしない!」


 出鼻どころか色々挫かれそうになったものの、アンリの問いかけで再認した方針。それを言葉に出したものの……そんなものはとっくに決まっていて、そこからの話をするために呼んでいるのだと。ネロが首に腕を回し〆て……踏まれたままぐえーっと声が出すカエルみたいな具合のまま、連れていかれてしまう。


「じいさんがんばれよーっ!僕もこれセシルと見終わったらエルシーと帰るから」


「こちらも処理がありますから。クラウディア、ヴィルヘルミナは……いない?こんな時に?いや今か……なるほど」


 手を振ってこちらを見送るアンリと、電話しながら残ったケーキを包んでいるエルシーを横目に私は第三執務室へ。あっマシウスとエステルは残るんだ、あのままPV見ていくのかな?と思っていると……そこからもさらに離れて。


 どんどんずんずんネロに運ばれて車に乗せられてしまった。これはちょっとまずいぞ、現場にすぐ連れて行かれそうな事態なんて!


 一体いま、どの程度まで事態が動いてしまっているのだろうか!?


 なんとしてでも銀河連邦の分裂や、銀河規模の戦争開始をくい止めなければ……


 

第六章 エピローグへ続く


エピローグ、その後にサイドストーリーを2つ挟んで7章に入ります。


いよいよEP1って具合なのですが…

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