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オリジン・シード  作者: 草間
ヴォイド・コンバット~虚空戦記~
124/137

4話 予選開始!

■ヴォイド・コンバット予選 レプリカ・マンハッタン島 ブルックリン橋


 クオンとの無人ハコダテ・ドライブが終わり2日後。予選の開始が宣言された。ハコダテからマンハッタン島までどうやっていくんだろう?と思ってだらだらしていたら。ドロイドから青函トンネルから行け、と言われたもので超装甲パワー・アーマーを装着し……ヘビー・バイクでポリと共に青函トンネルに潜ったのだが。


 ある所から景色が緩やかに青白く歪み変わり……空間が歪み、光りを伸ばしていく光景で包まれ……場所を移し。ブルックリン橋の上を走行していたのだ!海底トンネルから、地上の島と島を繋ぐ地上の橋へ!トンネル内部からワープさせていたのか!?


 私がどういうことだ?と周囲を見回していたら……ポリが吠える!ある一方を向いて!下方から何か来ているのか?と見たら……見たらでまたビックリ!治安の悪いノコギリブレードついてるホバーポッド?が橋の下、イースト川からしぶきを上げながら浮上してきたのだ!


「俺はぁ運が良かったぜ!予選からマイティ、お前と会えるなんてな!お前みたいな目立ちたがりはしょっぱなに潰しておくもんだ!」


「オッズが低いぜ!見たかよ!まぁお前が来るまでに俺らで組んだんだがな!」


 俺ら!?ちょっと待てよ仲間外れか私だけ!と思ったらもう遅い。浮上どころかバスバスと川から飛んでくるジェット・ポッド!どれも治安の悪そうな戦士が治安の悪そうな武器を持っている!


「あの鎧、どう見ても聖鉄だ!殺してもいい!囲んで叩いて、身ぐるみ剥がせば死ぬまで遊ぶ金に困らねぇ!」


「なにがマイティだやっちまえ!橋ごと落とせぇ!」


 ウワーッ!一晩の酒代とかギャンブル代にされてしまう!とにかく速度を落としたら終わり!アクセル吹かしてショック・マグナムで迎撃するしかない!加減なんてできない、顔から水面に落ちても知らないんだからね!


 あとクオン、聖鉄のこういうマーケット的な価値を教えて欲しかった!いや売っぱらおうとかではなく、こういう俗な狙い方してくるのがこんだけいるとか思わないよ!


 ■レプリカ・マンハッタン島 セントラルパーク


「もしかして私が最後だった?!徒党を組んで待っていたなんて……ひどい1日になるかもしれない」


「フッ」


 そんなこと今更だろう、とポリが鼻を鳴らすものの私の身には全く覚えがない。この鎧がどうして聖鉄の……うううん?もしかして軌道上での戦いの最後に大気圏突入した時なのだろうか?単身で突入するからと……バリアーを貼ろうと思いAIプリズムに問えば。マスター・パワーを出力しフィールドを出せる、というので任せた後に気絶してしまったが。


 あれを見て他の参加者で……治安の悪い連中がこの神秘のボディが何で出来ているかを察し、狙ってきたか!


 ヴォイド将軍がアタリをつけて顔を見に来たのもそれかぁ~?毎度何か土壇場でやる時には……これ!って決めて方法だけ、後出しで考えるのやめたほうがいいのかな?でも考えている余裕が中々ないんだよな。特に不測の事態しかない……こういう変な場合の時とかは。


 例えばブルックリン橋をヘヴィ・バイクの全速で駆け抜けた時にチラッと見えていた自由の女神像。リバティ島にあるその象徴的なものが……なんか、ダブって見えていたこととか。追われているし、今は気のせいにしておこうと……ついスルーしてしまったことが今目の前までやってきているこ場合の時か。


「自由の女神じゃなく……だ、誰だ!?」


 私もポリもびっくりしたのは無理はない。自由の女神像を持ってきた……同じぐらいのサイズの巨人がいる。33mだっけ?それぐらいの巨人が抱えて、持ってきているのだ。そこから像を丸太のように持ち上げて、顔をこちらへ見下ろして。参ったな、マシュマロ人間と戦うために動かすんじゃなくて、マシュマロ人間みたいなのが自由の女神像を持ってきちゃってる。ただし服装はオシャレじゃない、野性味あふれる衣類にパワーな鎧の巨人。


「あぁ~聖鉄、聖斧。私用の斧が欲しい……あと、お前を潰すと……もっと聖鉄がもらえるらしい」


「誰から情報だか知らないが、取引は信用できる相手とするのをオススメする!銀河連邦銀行の融資先にもなっている資材屋を紹介しようか?ホームセンターのほうがいい?」


 返事はただひとつ。自由の女神のフルスイング!


 これはやばすぎる。話が通用する気がしない。フルスイングで地面に打ち付けられて破損した自由の女神像が……破片をセントラルパークにまき散らしながらバラバラになっていく!30m以上の巨人が来るなんて聞いてないぞ!おそらく他に参加者もいるだろうに、あのデカいのに巻き込まれたくないのか出て来やしない!


「アース・ゼノンを呼ぶのか?いやしかし今?」


 私とポリは間一髪避けられたが……ヘビーバイクは完全におしゃか。機動力を奪われてしまった!だが自分達の足(バイクではなく両足)を奪われたわけではない。他の連中がどう出てくるかは知らないが……私にはアーマードしてるポリがいる。二人でかかれば、30m以上の巨人でも怖くはない!


 そう思ってポリへ頷き……駆けだそうとした瞬間。


 巨人の足が下り曲がり、体が曲がり、腕が回り……そのままひっくり返ってしまった!?私にわかったのは……本当に立った一瞬の出来事。セントラルパークの美しい植物群を薙ぎ倒しながら倒れていく巨人と言う結果しか見えなかったのだ!


「未確認目標出現。距離感知できず、測定方法を推論します」


 プリズムの警告と共に目の前に会われたもの。それは……真っ白い鎧の戦士、いや騎士!この宇宙でそんな恰好をしているものなんて早々はいない!おまけに抜き身の長剣とシールド……いや、しかし内部から漏れるエネルギーラインはない。機械福音教団(エヴァンゲリウム)ではない……いや、そうなのか?


 あまりに見知った、見覚えがあるものに近いシルエット……そう考えてしまったのがよくなかった。


 たった一瞬のうちに巨人を倒すような、超高速で動く相手に隙を見せてしまうなんて!


 私が気づいたときは、先ほどの位置から遥か後方。セントラルパークの貯水池の淵あたりまで吹っ飛ばされていた!なんでわかったかって数回バウンドしたような衝撃の後に今!半身池ポチャしているかだよ!


 次の第二撃がくるのはそう遠くない。だから考えないと……ポリは無事か?いやポリの方が私よりずっと優秀だ。頭がいいはずだ、無事に違いない。だから私が、なんとか対処を考えないと。超高速で動く相手に……いや、こういうのは色々対策があるのはコミックやアニメ、ドラマで履修済み!


「未確認目標出現、測定方法試算中……」


「いまだ!トォ!」


 私は貯水池の淵から……後ろ、敵に背を向ける形になるが、貯水池の中心へ振り返り。水面へ拳を叩きつけた!ただ叩きつけるのではない……マスター・パワーを発しながら思いっきり叩く!すると貯水池の水が、水面から湖底まで……衝撃の共鳴が連鎖し吹きあがる!巨大な水柱をいくつか、そして霧雨のように水粒をまき散らしながら!


 マスター・パワーを中国拳法の気?とか発?見たく使ったものだが……目的はこの水しぶきにある!


 超高速で動く相手がこちらに接近してくるのならば、その機動がこの水を通り浮かぶはず!煙とかレーザー光で探るやつの応用だ!


 考えていた通り、水のしぶきの中を通ってくるシルエット、その機動が来る方向へショック・マグナムを引き抜き引き金を引く!


 引く、が着弾した感触よりも先に……私の体が腕を中心にぐるりと反転する光景が見えた。相手の方が一枚上手か!?いや……ショック・マグナムを抜くのが早かったのか?!相手の方がギリギリで機動変更する制御能力がある!?


「発想は古臭いものだがないよりはマシ、しかし発想がそもそも間違っているな再生者」


 びしゃああん!と貯水池の浅いところに叩きつけられ……仰向けになった私を覗いている白騎士。その声は聞き覚えのあったもの、エヴァンゲリウムに所属しマシウス直下の騎士団長。


「エステル……なぜここに!」


「リィンの課題を終えたところ、といったものだ。しかしあれからある程度は成長したと見えるが……まだまだと言ったところだな」


 課題すら与えられていないのだから、と。私を吊り上げるように引き上げて立たせるエステルの言葉は何か納得しているようなものがあるが一体なんだろうか?課題とは?そんなことを考えているとポリの吠える声が聞こえ……プリズムの警告も聞こえる。エステルと共にその場を飛ぶと、着弾する熱線!


「白騎士てめぇ!マイティが適当にボコられた後に出ていく手筈だろうがよ!」


「私はお前らと組むなどとは、一言も言っていないが?」


「お行儀よく止まりやがって~こうなったらシマいだ!全員で一斉にかかるぞ!」


 なんだぁ?!と思ったら……轟音のヘビー単車輪バイクに装甲車両!揚陸艇や宇宙船まで降りてきてこちらを包囲しながら火砲やらミサイルで攻撃してくるのだ!どれも治安が悪い装飾!ギルド程ではないが、怖い!ドクロのエンブレムが突起になっているし!


「軌道上の戦闘の中、火砲の中を無理やり突っ込んできた連中だ。無謀な宇宙のならずものどの、遠慮することはないぞ」


「遠慮も何も!びっくりだよ!金目当てでこんな怪しい大会に出てくるなんてさぁ!」


 相手はヴォイド将軍とかいう私の偽物、開かれているのはコンセプトが意味不明なお祭りみたいな大会!参加する奴は正気じゃないよ!エステルはそのあたり別の目的があっての参加だろうけどさぁ!


「まずは連中を倒してから、話はそれからとしようか」


「ヤローッ舐めやがって!やっちまえぇ!」


「銀河のならずもの!すっごいならずもの!ポリーッ!」


 私がポリの名前を呼べば……スペース・ならずもの軍団、そのまず第一矢の治安悪い単車輪バイクの側面へ突撃してぶち抜く!アレ系は側面が弱点だからね。そこで倒れかけるものに、私が乗り込み体制を立て直し……セントラルパークをコースにしたサバイバル・デスマッチ・レースの第二ラップを開始することになった!ポリは超スピードで走ってる、流石スペース・ウルフドッグ!


「みんな寄ってたかって私狙い!このままじゃマンハッタン島が滅茶苦茶になってしまうよ!」


「お前がいるだけで全てが滅茶苦茶だ、ということか?」


 違うよ!エステルめ、この状況私のせいだって言いたいのか?!確かにちょっと遅れたけど……ここまで執拗に狙われる覚えがない!誰だか知らないが私を予選で狙われるターゲットに指定するなんて!


「見つけ出したら文句の1つや2つ、言ってやる!」

 

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