表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オリジン・シード  作者: 草間
アース・エンパイア~地球帝国~
103/107

5話 デカい男女間のギャップ

■セカンドアース ニューブリュッセル 郊外 温室庭園



 私のこれまでのことを……1から10まで説明するのも冗長が過ぎる。説明と話が長いおじさんは嫌われるからね。そこで総集編として「これまでの劇場版」みたいな話をしていたら……まぁちょうど昼飯の時間にもなっている。春休みの映画が終わった後にランチでも食べようみたいな空気になったもので軽食を皆さんで取りつつ談笑中。


「で、君は誰かと婚約する予定はあるのか?」


「何を?何ですって?」


 これまた私が食感の軽い軽食を摘まんでいたところで、ジョエルから妙なことを問われたもので皿を落としそうになってしまった。ギリギリ取れたが……正月の親戚の集まりじゃないんだが?いきなりそんなことを聞かれても困る、曖昧に笑ってやりすごしたいところだが。


「やはりローデンシアか……21世紀の人間に頼るのは申し訳ないが」


「ちょっとまって何の話をされているので?」


「いやジョエル、それでいうならばバロウズもだ。この際再生者様に纏めてもらったほうがいい。しかし統合軍がそういうものとしてもだ。一元化するような手続き……ミュラー宰相は、いい顔をしないだろう」


 親戚の集まりの席かと思ったら見合いの話がどんどん進んでいるところで、流石によくわからないまま男女の話をされると本当に困るので一時止めてもらい。説明を求めたところで……あぁ知らないからまぁ仕方ないかのような具合で社会制度の話をしてくれたわけだが。


「君も察しての通りある程度の階層にある貴族、家名もあるものは代々それを継いで地球人類帝国を支える役職につく。また地球帝国は皇帝を頂点にし女性中心の社会運営が……」


 されている。


 しかし、かといって完全な女系社会ではない。なぜなら地球帝国皇帝がいるから……であり、あくまで地球人類という種族の存亡と地球への帰還を国是としているから。男女という種を分かちつつも繋げる観念を維持することも……国策に入れている。


 そのため貴族は同程度の地位間で繋がりを持ち次世代へ、となるが……かといって第一次地球防衛戦の時から遺伝子改造を行った過去がある。遺伝子疾患を恐れて遺伝子プールが固定されないようにする必要があるし、権力構造の固着を嫌うため……ある程度の帰還で婚約者という社会的な男女間関係の選定は行政等で決められるという。


「ただ稀に行政や司法に従わない者が出てくるものでな」


「稀に?海軍提督と海兵隊提督が揃って」


 ジョエルはツッコミもせず……なもので、あっはいそうですねと流すしかない。稀によくある、海軍提督と海兵隊提督揃って行政や司法……言ってはいないが軍法にすら従ってないのではないだろうか。とんでもない女性らだよ。第三艦隊の司令がこういう感じかぁ。


「縁を結んでもいいと思うものがいない上に、何かコトを起こした時……彼女らを物理的にも止められるものがいない。そこで君に頼みたいのだ」


「他にもいるがまずあの二人だな」


「ちょっとまって他にもいるのぉ!?」


「問題ないさ、そちらが……その、関係を持っている人造宇宙怪獣に比べれば小動物みたいなものじゃないか」


 じゃないが?そもそも比較対象がおかしくはないだろうか。クオンはその……出自こそあれだがちゃんとした巫女さんだぞ?出自が問題?そりゃそうか……そうかな……そうかも。でもまぁその、気性は落ち着いているんですよ彼女は!レーツェンのところで巫女修行を……してないな、記憶からラーニングしていたようだし。


「この後に3度4度クーデターを起こされても困る、なんとか抑えてほしい」


「抑えて欲しいと言われてもなぁ」


 その後、うまくいくのは前提としてその際に……どのような方法で対処したか教えてくれと言われてしまうが。下世話……と言わずとも、何か男女間のヘンテコな話を聞きたがっているのではと邪推してしまう。相手は230超えているヒグマみたいな女性なんですよ!でもまぁこの前はそう覇気もなかったし体格が大きいだけなのかもしれないが……あんまりそういうのは得意じゃないんだよな、男女間というのは。


「目覚める前はそういう話はとんと縁がなかったから、どうしたものやら」


「どうとでもなるだろう。今まで何でも、どうとでもしているのだから」


 どうにかなれ~ってなったら苦労はしないんですよ!


■夜 セカンドアース ニューブリュッセル 郊外 厳戒態勢のレストラン


 さてそういうもので「結局エレナ、きみはどういう感じの人なの?」と聞くためにエレナに直接連絡しようとしたが、どこに行っても見当たらないもので。彼女の副官でありモノクル輝くインテリ美女のカタリナ氏に連絡をしたわけだ。すると彼女から会う場所を指定されたものでアンジェラに導かれて向かってみれば竜宮城どころか……超高級そうというか、格式ある迎賓館か、宮殿か帝国主義の戦艦の内装みたいなレストラン。


 そこの一室を貸し切っているとのことだが、正面についたらついたで分かる異様さ。


 統合軍並びに帝国海軍の制服を着用した女性らの超厳重な警備の間を通されたのだ。しかも皆さんご丁寧に顔を隠されている、隠す必要もないだろうに。なんだこれは……決起に手慣れ過ぎてるだろ。ごめんなさいジョエル、第三回目のクーデターが始まりそうです。地球帝国の長い一日シーズン3です。おもしろくなる要素あるかなぁこのドラマシリーズ。


 アンジェラはアンジェラで入るつもりはないから、とでレストランの庭園に向かい……ポリとゲーミング・レインボー・キャッチボールしている。ずるいぞアンジェラ!俺これからクーデター軍の説得にいくようなものなのに!どこの所属だ?は515と226どっちだったか。


 そして通された部屋もすごい。中央壁際、というか上座にいるのがエレナ・ローデンシア海軍提督。式典の翌日……アンリと食事していた時の布面積が変なドレス、いや痴女みたいなドレスではなく北欧のようなセンスでシンプルなデザインのも。しかし体格もよい方なので立体映えしているもので……だ。その人がテーブルを挟み着席しているのだ、サーベルをもって。統帥権の話をこれからされるのかな?という風体で。


 だがその緊張感あるエレナの側にいるカタリナ副長の顔が渋い!なんというか……絶対何か間違っていることをエレナがしている、というのを私に訴えている顔!この部屋の両サイドに並んでいる女性らも若干覇気がない!決して3回目のクーデターでダレているわけではなさそうだ。


「本日はお呼びたていただき真に……真に……こ、この第三艦隊司令官エレナ・ローデンシアは……は!あなたのお言葉をもって本日は」


「まぁ落ち着け。そうサーベルを置かれたらビビって話もできねぇ。ビールでも飲んでリラックスしな」


「ビ、ビール!ビールもってきて!カタリナ!全て!」


「エレナ、彼はアルコールの類は飲みません。21世紀風の……ジョークです」


 だめだ初動ミスった。これはちょっとどうするか……あんまり会ったことがないタイプだ!ううむ私の言葉1つをとっても、で式典から数日しか経たず首都陥落の危機に陥るかもしれない。ちゃんと真面目にお話しないとダメなタイプと状況だな?私はカタリナと付近の女性らにまぁまぁ任せてくれ、と手と目で制し。カタリナに促してもらい、エレナの迎いの席へつく。


「さて冗談もほどほどに、としたいところだが。本日君を呼んだのは他でもない。我々はまだ互いに知らないことがある、そうだよね」


 落ち着いてもらうためにはまず対話をする、という姿勢を見せること。私は席についてあなたと話に来たんですよ、とする姿を見せないといけない。相手のエレナだが首をオウムみたいに縦へ振っている。シェイクでハイパワーなボリューム・ブロンドがこれでもかと上下してる。強化モードにチェンジするみたい。


 これはかなり時間をかけて、言葉をもって落ち着いてもらわないといけないな……クーデターの鎮圧ではなく、彼女自身にあるよくわからない緊張を解くためにも。


 そんなもので地球帝国ではなく私の長い一日、夜が始まった。

本当にどっちでしたっけね……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ