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「妻の仕事など誰にでもできる」と離縁されましたので、その“誰にでも”をお貸しする商いを始めました ~お代は日割りで頂戴します~

作者:くらたん
最新エピソード掲載日:2026/09/24
「妻の仕事など、誰にでもできる」

離縁状にそう書き添えて、夫は私を子爵家から出した。

十二年、朝は四時に起き、使用人四十人と、台所と、来客と、冬の薪の量を回してきた。

「承知しました。では、その“誰にでも”をお貸しします」

「……何の話だ」

「日割りで。お代は前金で頂戴します」

街で看板を出した翌日、最初の客は元夫の家令だった。

「奥様……いえ、ドーラン殿。三日でいい、誰か寄越してくれ」

一人目は、朝四時に起きられずに帰ってきた。

二人目は、来客の席次で公爵夫人を下座に座らせて帰ってきた。

三人目は、薪の量を間違えて、子爵家の東棟を三日間凍らせて帰ってきた。

四人目を送る朝、元夫が自分で店に来た。

「……戻ってくれ」

「どちらの席へでしょう。妻の席ですか、それとも」

私は帳面を開いた。

「うちの、四人目の席ですか」
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