52話 くるみブートキャンプ
「いいのかよ?2人同時で。」
「フフフ、くるみ先生を舐めると痛い目見るわよ。」
悪そうな顔をしながら、こちらに手で挑発を仕掛ける。
「一発入れることすら、今の君達には困難だよー!」
「じゃあ一泡吹かせてやるよ!」
指をゴキゴキと鳴らし、京香ちゃんは構えをとる。
「行くぜ!杏奈!」
「うん!」
ミシ…
ドン!
京香ちゃんは力一杯地面を蹴り、間合いを詰め、ハイキックを放つ。
「遅いよ!」
くるみさんは腕を使い、京香ちゃんのハイキックを流す様にいなす。
「なぁ!?」
「ハイ!」
残った左手で、くるみさんが京香ちゃんを掌で押す。
「ぐお!」
ガッシャン!
ものの見事に吹っ飛ばされ、フェンスに身体をぶつける。
「いってぇ…」
「たぁ!」
私はくるみさんに向かってパンチを繰り出す。
チョン。
「あれぇ!」
私の拳は気付けば地面に向かっていた。
ガシ!
「頭ぶつけない様にね!」
襟元を捕まれ、ぶん投げられる。
ガシーャン!
「おい!杏奈!大丈夫か?!」
軋む身体を起き上がらせる。
「うん!今度は同時に!」
「「はぁ!」」
私は上半身に、京香ちゃんは下半身に、向かって攻撃を仕掛ける。
「甘々ちゃんね!」
私の拳は捕まれ、京香ちゃんの攻撃はジャンプで躱されていた。
「そおい!」
私は振り下ろされ、京香ちゃんと激突する。
「あ、あ…」
「動けねぇ…」
「じゃあ10分たったら、また組手ね!」
言動と強さが釣り合ってない!
そうして、私達は数時間、ボコられた。
「おや、戻ったかい。」
炉さんが私達をまじまじと見る。
「…先生の強さは痛い程わかったろう?」
意気消沈している私達をみて、ボコされたのは、伝わったらしい。
「まぁ、先生はしばらくは、ココに留まるそうなので、みっちりシゴかれたらいいさ。」
「ぜってー一発いれてやる。」
「京香ちゃんは反骨精神があって、可愛いねぇ!くるみブートキャンプ中に入れられるといいね!」
京香ちゃんの抵抗虚しく、頭をスゲェワシャワシャされた。
数週間くるみブートキャンプ漬けにされ、作戦実行日になる。
「くるみ先生も、作戦に参加するんですか?」
「衣織ちゃんに頼まれてね~保険としてついてきて欲しいて。」
くるみ先生はマジで強かった。
魔法としては、相手の攻撃を受け流す、防御寄りの魔法なのだが、普通に物理が強くて、不意打ちしても、魔法を使わず、反射神経だけで反撃してくる。
気味が悪かった。
「さて、じゃあ行くよ。」
採掘場で、箱に詰められた核を超高温にする。
「許してくれよ、魔法少女の魂よ。」
「エネルギー許容力限界!暴発開始します!」
ドーーーーーーーーーーーーン。
白い光が放たれると、体全体を轟音が揺らす。
黒の魔法少女は果てして、現れてくれるのか。




