50話 魔装
私達はノアの実験場に移動していた。
「では、やるとしよう。」
炉さんがMTDを胸部に取り付ける。
「ピピピ…変身者確認中…承認完了。テストモード起動。」
音声が鳴り終わると、MTDのベルトが淡い光を放つ。
「楽海助手、観測の準備は出来たかい?」
炉さんがインカムに話しかける。
「はい、いつでも。」
「よし、2人も準備は大丈夫かい?」
「はい!」「おう!」
私達は魔法少女の状態で待機していた。
「一応1分経てば、解除されるとはいえ、保険は必要だからね。」
「さあ、いこうか!」
MTD中央にある、穴に魔女の核をはめ込む。
デューン、デューン。
待機音がなり、核が光る。
「魔装」
MTDに、取り付けられたボタンを押すと、炉さんの体が光に包まれる。
「確認、承認、魔力魔装!タイプテストモード!」
MTDから変身音が鳴り響き、炉さんの体が、魔力のアーマーで包まれ、ゴツゴツとしたロボットの様に変化する。
「歩くぞ。」
炉さんが足を地面につけた瞬間。
「うお!」
ドゴーン!
凄い勢いで壁に突っ込む。
「炉さん?!」
「所長!無事なら返事を!」
「あ、あぁ問題ない、防御面の心配は要らなそうだ?!」
手を地面につけた瞬間炉さんが真上に吹っ飛ぶ。
「あぶねぇ!」
京香ちゃんが、吹っ飛んだ炉さんをキャッチする。
「ありがとう、京香君、ゆっくりと離したくれ。」
京香ちゃんがゆっくりと手を離すと、MTDから音声がなる。
「タイムオーバー、魔装を解除します。」
シュン。
魔力の装甲が解け、汗だくの炉さんが姿を表す。
「はぁ…はぁ…」
「大丈夫ですか!」
「あぁ、だが…やはり、分かっていたことだが、制御をとるのが難しい。」
炉さんがゆっくりと立ち上がる。
「今のままじゃ、体への負担が大きすぎる。」
「楽海助手、どうだった?」
「想定より、魔力の流量が多いですね…あと一部分に魔力が集中しているのも確認できました。」
「ありがとう、まだまだ調整の甲斐があるね。」
よろける炉さんの肩を持ち、研究所に戻る。
「すまないね、もう大丈夫だ。」
「所長、お水です。」
「ありがとう。」
ゴクゴクと手渡された水を飲み干す。
「ふぅ、あぁ、そうだ楽海助手すまないが、お使いを頼めるかい?」
「今度は何ですか?」
「魔女の核を倉庫から10個ぐらい持ってきてくれ。」
「分かりました。」
楽海さんがスタスタと部屋を後にする。
「さて、2人に話がある。」
「何ですか?」
「黒の魔法少女についてだ。」
「彼女は恐らく、200年…いや、それ以上に長く生きている可能性がある。」
「は?!」
唐突なことに私達は驚く。
「いやいやいや!どうやって人間がそんな…!?」
「まさか…」
「いや彼女が魔女と言いたいわけではないのだが…まぁとにかく長生きなんだよ彼女は。」
「そして、彼女は記憶を消す魔法を魔道具により可能としている。」
「つまり、昔は常識だったことも、彼女の手で消された可能性がある。」
確かに、あり得る話だ。
黒の魔法少女が魔女の秘密について知っていたのにも合点がつく。
「それでいったい?」
「黒の魔法少女を呼び出す。」




