49話 マジック・トランス・ドライバー
「ごめんね、京香ちゃん、1人に背負わそうとして…」
「ごめんじゃねぇだろ?」
「そこは、『ありがとう』だ!」
「…うん!ありがとう、京香ちゃん!」
京香ちゃんがニカッと笑い、白い歯を見せる。
「いいってことよ!お前が無事で良かった。」
「それでさ─」
「…魔女を人間に?」
「うん…可能なら、みんな救いたい。」
「救えるんなら、それが一番だな!炉の野郎に聞いてみるか!」
そして後日─
「魔女を人間に戻すね…可能性としては、ありえるね。実際少し考えていたしね。魔法少女因子を完全に取り除ければ、できると思うよ。」
「それじゃあ!」
私の唇に炉さんが指を当てる。
「が…今の技術じゃ無理だ、そもそも魔法少女因子自体、ブラックボックス過ぎて、よく分かってないんだ。」
私がシュンとしてると、炉さんが話し出す。
「でもね、黒の魔法少女が残したヒント…銀河君だ!彼女の身体を調べさせてもらったが…魔法少女因子が、減少していることが分かった。これは恐らく、魔石を取り除いたからだろう。」
笑みを浮かべながら流暢に喋る。
「もし、それが魔女にも適応できるなら、核をどうにかすれば、何とか…と言ったとこだね」
「希望はあるつうーことだな!」
「けど、根本的な解決には、ならないね。」
「魔法少女が魔女になる、条件は分からないが…魔法少女自体に変身するのは、あまり良くないのだろう。」
「そこでだ…」
炉さんが机の上から、胸の辺りに、丸い穴の空いた、ハーネスを取り出す。
「魔法少女じゃなくても、魔法少女になれる装置。」
「MTD。」
「ここの穴に、魔女の核をはめ込み、魔力のアーマーを生成する。」
「それて…」
「いわゆる、変身ベルトってやつさ。」
そんな、日曜の朝にやってそうな、ヒーローの装置が存在するのか?
「けど、この魔道具は、この魔力砲とは、危険度が訳が違う。何分、体全体を魔力で覆うからね、暴発や暴走の危険がある。慎重にことを進めなければならない。」
炉さんが私達に指を指す。
「そこで、僕がこの魔道具の被験体になるわけだが、僕自信がどうなるか、分からない。だから君達2人には、保険として、僕が制御を失った際に止めてもらいたい。」
炉さんがいつになく、シリアスな声色と表情で、話す。
「任せろよ!炉!」
京香ちゃんがドンと胸を叩く。
「そんなカッケー装置、あった方が面白いに決まってる!だから絶対完成させてくれよ!」
「な!いいだろ?杏奈!」
魔法少女因子があるかぎり、どれだけ魔女を倒しても魔女は生まれる。
魔石を取り除いても、どこかで新しく魔法少女が生まれる。
黒の魔法少女はそうなると、永遠に魔法少女と戦うことになってしまう。
けど、この技術があれば少しは魔法少女が魔女になるのを止められるかもしれない。
黒の魔法少女の為にも、この研究は成功するべきだ。
「わかりました!是非協力させてください!」
MTDの開発が今始まる。




