46話 嘘
パン。
線香の匂いが部屋に充満し、どこか、寂しさを覚えながら、仏壇に合掌する少女。
「それじゃあ行ってくるぜ!オヤジ、おふくろ。」
見つめた先にあったのは、輝かしい記憶の家族写真。
「ばあちゃん、行ってくるぜ!」
「気をつけてなぁ…」
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ピンポーン。
「はーい」
ガチャ
「あら~もしかして貴方が、京香ちゃん?」
「はい!そうっす!」
「ささ上がって!杏奈は二階の部屋にいるから。」
「お邪魔しまーす。」
杏奈に呼ばれ、杏奈の家にお邪魔した。
「これ、よかったら食べてね!」
「お!ありがとな!おふくろさん!」
杏奈のおふくろさんは、飲み物とお菓子を置いていってくれた。
「で?話って何だ?」
おふくろさんが、部屋を出てから、杏奈の表情がどんどん暗くなり、虚ろな目をこちらに向ける。
「京香ちゃんは…魔女について、どう思った…?」
「魔法少女が魔女になるってやつか?」
「うん、京香ちゃんはどう、思っ…て…!」
「カッ…あッ…」
杏奈の呼吸が乱れる。
「おい!ゆっくりだ…ゆっくりと息を吸え…」
しばらく、背中を擦ると、呼吸が少しずつ、リズムを取り戻していく。
「ご、ごめんね…私が呼び出したのに、こんなんで…」
「歩けそうか?」
「え?うん…」
「散歩にいくぞ!」
秋風が心地よく体を撫でる。
「杏奈はよぉ、考えすぎなんじゃねえか?」
「そうなのかな…」
「杏奈が倒した、魔女が、友達のアリアってヤツとは、限らねぇじゃねぇか…」
「ずっと、アリアが話しかけてくるの…」
「痛い、辛い、何で助けてくれなかったの?って…」
杏奈の顔がまた暗くなる。
「なら、俺だって殺してる。」
「けどな、俺はそれ以上に、命を救ってるんだぜ!杏奈もな。」
「だからといって、私は…」
「杏奈…前に俺がこんな格好してる理由を聞いたよな?」
鳩が豆鉄砲を食らったような、表情を杏奈が浮かべる。
「たしか、ご両親から言われてって…」
「あれな、半分嘘なんだよ。」
「嘘?」
「実はな─」
喋ろうとした時、突如、空が鳴り響く。
「Graaaaaaaaaa!」
空から現れたのは、爬虫類のような肌に、爪
牙を剥き出しにした魔女が現れる。
「人が喋ろうとした時に、邪魔すんじゃねぇ!」
「いけるか?杏奈。」
「やってみる。」
「「変身!」」
身体から力が溢れ出す。
「あ、あれ?」
杏奈の方を見ると、そこにいたのは、魔法少女ではなく、ただの東野杏奈だった。
「変身!変身!」
何度叫んでも、杏奈が魔法少女に、なることは、なかった。
「どう…して…?!」




