44話 恋い焦がれ
にしても、魔法少女が魔女の幼体か…
何故、そんなことを彼女は知っていたんだ?
僕は2人に何かあった時用に、魔道具を持たせ、家に帰したあと、ノアの自室で考えに耽ていた。
「杏奈君が言っていた本…まだあるのだと良いのだけれど。」
コンコンコン。
「おや?来たか…入りたまえ。」
ガチャ
扉が開くとそこには、古めかしい本をもった、僕の助手が立っていた。
「これが東野さんが、言っていた本で間違いないかと…」
皮で、できた表紙にタイトルが書かれている本を受け取る。
「どれどれ…蛇遣いの魔法、リウィア・カプ・フィア、大魔女の記録も…載っているね。ありがとう、楽海君。」
「はい、大怪我を被ったらしいですけど…余り
夜更かししないでくださいね。」
「魔法というのは便利でね、飯も入ったし、痛みも引いたから問題ないよ。」
「…」
何かを訴える様な、悲しそうな目で楽海君は僕を見つめる。
「……まぁ、そうは言っても、魔力消費は馬鹿にならなかったからね、今日は早めに寝るとしよう。」
ほっとした表情を浮かべると、楽海君はその場を後にした。
「にしても、この本、古語翻訳からの、現代翻訳になっているのか…、この本の元…200年も前物だが…」
何故?黒の魔法少女は一体何者なんだ?
一つの考察が頭を過る。
「ハハ…あり得るのか?そんなこと…」
魔法少女は、当たり前だが、少女である。
魔法を使う少女で、魔法少女。
だが、僕のような大人でも少女になる。
これは、魔法少女に変身する際に、肉体が魔法少女としての、最適な身体になるためである。
つまり、どれだけ歳を取ろうと、肉体年齢は少女になるのだ。
黒の魔法少女は、少なくとも200年以上も前から…
「変身を解いていない…!」
勿論、あの本の元の著者が、違う可能性はある…
だか、しかし黒の魔法少女は、あの時、嫉妬の魔女のことを知っていて、
嫉妬の魔女も黒の魔法少女のことを知っていた。
そして、魔女の中には推定数十年、存在するものもいる。
仮に黒の魔法少女が魔女になっていたとしても、魔女としての本能を抑え、魔女を狩る行動をするのは、とてもじゃないが、イカれている。
嗚呼、黒の魔法少女…この胸のトキメキ…どうやら僕は…
「恋い焦がれてしまったようだね…」




