41話 魔女ってなんですか?
黒の魔法少女の呼吸が荒くなり、眼球が揺れる。
「大丈夫かい?ほらゆっくりと息を吐くんだ。」
炉さんが黒の魔法少女の背中を擦る。
「触らないで!」
炉さんの手を弾き、心を落ち着ける様に、ゆっくりと深呼吸を行う。
「…その…魔道具の存在を…知っている者は、他に何人いる!」
凄い剣幕で、炉さんの胸ぐらを掴み慟哭する。
「…僕達3人だけさ、それに、僕以外の2人は、魔道具を見たのも、今のが初めてさ…」
「ッ……」
京香ちゃんが何かを言おうとしたが、踏みとどまる。
「…そう…なら今の貴方達を…殺す。」
「引っかかる言い方だねぇ…それは、記憶をなくした魔法少女のように…という意味かい?」
ピクリと黒の魔法少女の指が動く。
「そうね…証拠を残しすぎたもの…知っているのも当然か…」
「君がどのようにして、記憶を消しているのか、知りたいのだが、その前に…桜色の魔法少女と琥珀色の魔法少女、君達は積る話もあるのだろう?」
炉さんがこちらに会話の主導権を渡す。
「黒の魔法少女!何で…何で…銀河の記憶を消しやがった!」
「何か、理由があるんでしょ?私は貴方を信じたいの!」
黒の魔法少女が黙り込む。
「……理由…それを言えば貴方達は、素直に記憶を消させてくれるの?」
「記憶は消されたくないけど…せめて、知りたいの…貴方が何を抱えているのか…」
先程の動揺といい、黒の魔法少女には何か、訳があって、行動しているように思えた。
私は切実に黒の魔法少女に訴え掛ける。
「ここで…言えたら…楽になれるのでしょうね…」
「あ?何ていた?」
それはとてつもなく小さな声で放たれ、よく聞き取れなかった。
「ワタシは全ての魔法少女を…魔女を…この世から消し去る…」
「だから!その理由は何だって聞いてんだよ!勝手に人から奪いやがって!お前の言った通り、お前は魔女かよ!」
京香ちゃんは、黒の魔法少女に詰めより、怒鳴り散らかす。
「……いいわ、少しは訳を話してあげる。」
「魔法少女が存在する限り、魔女も魔物も、湧き続ける、だから魔法少女の記憶を消し、魔法少女に変身できなくさせた。それだけよ。」
黒の魔法少女が放った言葉に放心する。
「どういうこと……」
「ほう?それは実に興味深い話だねぇ。君は一体どこまで、魔法少女のことを、魔女のことを、知っているんだい?」
「魔物は、魔法少女が誰かを助けたい、その願いが形を成したものよ…」
「皮肉よね…何かを助けるためには、悪役がいないといけない…歪なのよ魔法少女は…」
唇を噛みしめ黒の魔法少女は語る。
その内容に、私達は騒然とする。
「おい!待て!魔物は魔女から産まれるんじゃねぇのかよ!」
「嗚呼、琥珀色の魔法少女が言う通りだ、君は一体何を?」
口をゆっくりと開き、黒の魔法少女は衝撃の真実を語る。
「魔法少女は言わば…」
「魔女の幼体よ…」




