37話 順応
「それじゃあ、行こうか。」
右手に蒼炎を纏い、構える。
「サン・フレア」
蒼炎が凄まじいスピードで、宙を舞い、嫉妬の魔女に直撃する。
「いいなぁ、かっこいいなぁ、でも暑いや。」
爆煙の中、左腕が捥げた嫉妬の魔女がゆらりと姿を見せる。
「こっちからもいくよー。」
「エルナート!」
瞬間、地面は抉れ、角で炉さんを遥か上空に吹き飛ばした。
「炉さん!」
「オラァ!」
私が気を取られている間に京香ちゃんが、嫉妬の魔女に向かって杖を、フルスイング。
メキメキメキ
瞬時に再生した左腕で、受け止めらる。
「な?!離れねぇ!」
杖を手から引き抜こうとするも、がっちり捕まれ、離れない。
「ライトレイン!」
ドドドド!
幾つかの光線が嫉妬の魔女の体を貫く。
「あれ体が、ボロボロになっちゃた?もー悪い子はメ!」
ドゴ!
咄嗟に体を腕で守るも、嫉妬の魔女の拳が私を打つ。
ドガン!
「杏奈!」
「腕が…」
体全体を岩に打ち付けられ、腕の痺れが強く、まともに動くことができなかった。
「サン・フレア」
「!」
嫉妬の魔女が天を見上げると、蒼炎の火球が降ってくる。
「炉さん…」
「派手に吹き飛ばしてくれた、お返しさ。立てるかい?杏奈君。」
「はい!なんとか。」
よろける体を何とか起こし、前を見る。
土煙の中今度は、少し焦げた程度で嫉妬の魔女が姿を表す。
「まだ暑いや。」
「ほう…」
「サン・フレア」
また蒼炎を飛ばすも、今度は手で弾き返される。
「吸収変換!」
どっからともなく、魔力砲を取り出し、跳ね返ってきた魔法を吸収する。
「え!すごい!すごい!何それ!いいなぁ~」
嫉妬の魔女は、キャッキャッと子供のように、はしゃぐ。
「よもや、自分の魔女を吸収することになるとは…それと嫉妬の魔女。君の魔法は何となく理解したよ。」
「君の魔法は、受けた攻撃の軽減!環境への順応、適応と言うべきか!」
キラキラと目を輝かせながら、興奮気味に言い放つ。
「え!すごい!なんで分かるの?」
嫉妬の魔女に当てた光線の傷口がどんどんと塞がりながら、嫉妬の魔女は子供のように質問する。
「ただの経験に基づいた、仮説だよ。その反応が帰ってくると言うことは正解とみて間違いないねぇ。」
マズい。
もし、個人の魔法に順応していたら、
私の魔法も、炉さんの魔法も、京香ちゃんの魔法も、全て受けられてしまった。
この状況の最後の希望は…
最大出力の魔力砲を当てる他ない。
「ククク!まさに科学と魔法、どちらが勝つかの真剣勝負と言うわけだ!」




