34話 二つの魔法
翌日
凄く、ぐったりとしたシロが、私の元に戻ってきた。
「大丈夫?シロ」
「ま、まさか…あんな、とこまで…」
シロはそう言い残すと、私の魔石の中に、帰っていった。
「いったい何したんですか?!」
「多少の犠牲は付き物さ…」
炉さんはスゥイーと、顔を反らす。
本当に何を仕出かしたんだ。
「まぁ!そんなことより、黒の魔法少女の話を
聞こうじゃあないか!」
思いっきり話を反らしたなこの人…
でもまぁ、こちらとしても好都合だ。
「話を聞くと、黒の魔法少女の魔法は、黒い光を放つと言っていたね?間違いないかい、杏奈君。」
「はい、一回しか見てませんが…」
「では、京香くん、銀河君の記憶がなくなった日、黒の魔法少女以外の気配は感じたかい?」
「いんや、黒の魔法少女以外の気配なんて、毛程も感じなかったぜ。」
炉さんが、うーんと唸り、
天を見上げて、椅子をくるくると回す。
「ど、どうしたんですか」
ピタッと、椅子を止め口を開く
「君達の魔法はなんだい?」
「えっと、エネルギーの状態変化?です。」
「俺は身体強化だな!」
炉さんはこくりと頷く。
「君達の使える魔法は1種類だけだよね?」
その言葉に体が震えた。
炉さんは子供の様に、けれど邪悪に笑みを浮かべる。
「通常、魔法少女が使える魔法は固定だ。ある程度の想像力で汎用性のある魔法に昇華することは出きるだろうが、黒い光を操る魔法と、記憶を操作する魔法、この二つには接点がなさすぎる。」
ガチャガチャと炉さんは棚をあさり、宝石の埋め込まれた、ブレスレットを取り出す。
「これを見てくれ…」
ブレスレットを腕につけ、そこら辺にあったシャーペンを近づける。
ブオン
シャーペンがブレスレットに吸い込まれる。
「な?!」
「このブレスレットは、唯一、実用化できた魔道具だ。そしてこのブレスレットに埋め込まれている。この核…ワームホールを作り、空間を歪める魔女から取れたものだ。」
ブオン
シャーペンがブレスレットから生成される。
「つまり、この魔道具はその魔女の魔法を使用し、道具の持ち運びが簡単にできる、いわゆるインベントリ…」
つまり、それって…
「黒の魔法少女は、魔道具を使用した可能性がある!」
「この技術は、まだ一部の人間しか知らない、ククク…面白いのじゃあないか!」
獲物を見つけた猫の様に、炉さんは目の瞳孔を広げ、笑う。
「黒の魔法少女…俄然興味が湧くねぇ!彼女は、特定の記憶を消せるほどの魔道具を作れる、技術がある!取っ捕まえて、洗いざらい話して貰おうじゃあないか!」
黒の魔法少女捕獲作戦開始─




