32話 何故、魔法少年は存在しないのか
「君達はプロキシマという星を知っているかい?」
「確か…太陽系から一番近い恒星ですよね?」
銀河ちゃんが質問に答える。
「そう、近年になって観測されるようになった、太陽から一番近い恒星さ!」
「それと魔力がどう関係しますの?」
よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに笑顔を浮かべる。
「ある文献にね、矢の魔法を扱う魔法少女がいたとされている、その魔法少女が現れた約4年後、プロキシマの光が弱まっていると言うデータがあってね。プロキシマは距離にして約4.2光年。魔法少女が現れた時の光が届いたとしたら合致するのだよ!しかも年々磁場は弱まっていたらしい…しかも魔法少女は残念なことに失くなってしまったらしいのだが…その4年後にはプロキシマの光が弱くなるなんて事象は観測されなくなったらしい!」
「難しくて良くわかんねえなぁ。」
京香ちゃんに賛同し、5億回ほど心の中で頷く。
「つまり、魔法少女が現れて星が弱った、と考えてくれ。そしてこれは偶然ではなく、必然だと僕は考える。」
「もし、恒星から魔力を供給しているとなれば、魔法少女の馬鹿げたエネルギーにも説明ができる。」
「あ、あのそれが魔石とどう関係が?」
それた話を戻そうと話題をふる。
おっと、すまないと炉さんがいい、
コホンと話を続ける。
「理屈は分からないが、魔石を通って、何らかのエネルギーが魔力に変換し、その変換された魔力で我々は魔法少女への変身可能としている。これは魔女の核にもいえる。」
「つまり魔石というのは、エネルギー変換ツールと言うわけさ。」
「そして、その謎のエネルギーが星から来るものではないかと、僕は考えている。」
炉さんは、いつになく真面目な顔になる。
「この考えが合っていれば、近い内に宇宙は崩壊する…」
「え?」
「エネルギーは等価交換だ。増えることはない。このまま魔力として使い続ければ宇宙は形を保てなくなり、崩壊する。まあ、僕達が生きている内に起こることはないと思うが…それでも看過できない。」
炉さんは肩を落とし手を上げ、くるりと椅子を回転させる。
机の引き出しを開きおもむろに、機械の魔女を倒す際に使用した、銃を取り出す。
「だからこそ、魔力を常に使う魔女は極力減らさなきゃならい、そこで僕は、魔法少女じゃなくても魔法を使える技術を研究している。」
「そしてこれが、僕の研究作品、魔道具さ!」
「人類80億人で、魔女を根絶させる。それが僕の目標さ!」
クククと悪い笑みを浮かべ、炉さんは次なる質問を投げかける。
「さぁ!この流れで問おう!何故、魔法少女は存在するのに、魔法少年は存在しないのか?」




