31話 星に願いを
「あの~炉衣織さんの研究に参加する、東野杏奈と言うものなんですけど…」
「東野杏奈様ですね、お待ちしておりました。こちらです。」
私は京香ちゃんと銀河ちゃんをつれ、炉衣織さんが、研究するために使っている、国立魔力研究センター(NMR)に来ていた。
受付を済ませ、案内人さんに続き、中に進んでいく。
コンコンコン
「どうぞー」
扉の中から返事が帰ってくる
「失礼します。炉所長、東野杏奈様がお見えになりました。」
椅子をくるりと回転させて、私達の方に向く
1人の白衣を着た女性
「やぁ!やぁ!待っていたよ!三人とも!ささ、こちらに、きたまえ!」
並べられた椅子に座っていく。
「それで、その子が前に言っていた。記憶をなくした魔法少女、花守銀河君かい?」
「はい、そうですわ」
「話を聞くと変身も出来ないそうだね。すまないが変身と言ってみてもらえるかい?」
「ええ、構いませんわ。」
「変身」
銀河ちゃんはメタモルフォーゼと言うも、何も変化は起きず、ただ立っているだけだった。
「う~ん、記憶をなくした魔法少女の、文献が少ないとはいえ、記憶をなくした程度で、変身が出来ないとは考えにくい…本当に彼女は魔法少女だったんだよね?」
「はい、証拠は出せませんが…銀河ちゃんは魔法少女だったんですよ。」
「あぁ俺達は、一緒に魔女と戦ってたからな。」
炉さんが白衣の袖を捲る
そこには、右腕に埋め込まれた、小さな水色の宝石があった。
「魔法少女にはこのような、魔力の塊…魔石が埋め込まれていてね…君達にもあるだろう?」
「確かに…私は手の甲にあります。」
「俺は腹にあるな。」
京香ちゃんが服を捲りお腹を見せる。
銀河ちゃんにはしたないから、辞めなさいと叱咤を受けていた。
「それでだ、君達は銀河君の魔石の場所は覚えているかい?」
「確か…鎖骨と鎖骨の間に合ったような…」
「銀河君、ちょっと胸の当たりを診させてもらってもいいかな?」
「はい、どうぞ」
炉さんはじっくりと、銀河ちゃんの体を観察する。
「胸骨付近に痣があるね…これは昔からかい?」
「いいえ、昔にはなかったはずですわ。失くした記憶の間についたか、最近ついたのかは、分かりませんが…」
「いや、恐らく、ここに魔石があったのだろう。確か黒の魔法少女、と言ったか、彼女が銀河君の体に細工をした可能性は十分にありえるね。」
「あの…」
私が静かに腕を上げる
「なんだい?杏奈君?」
「そもそも魔石ってなんですか?」
炉さんが口角を上げる
「いい質問だね!では逆に問おう、魔力は何処から、いやどのようにして生まれたエネルギーだと思う?」
それぞれが思案する
「普通に食事とかで取れた。エネルギーじゃないですか?」
「魔法は思いの力って言うし気合いだろ!」
「日光、熱や風などの自然エネルギーを何らかの形で変換しているのでは?」
炉さんがパチパチと手を叩く
「素晴らしいねぇ!実際、魔力が何処から取れているかなんて、分かっていないからねぇ…僕の考えとしては銀河君、君に近いよ。」
「そうですの?」
「まあ正確には、自然エネルギーからの変換というよりは、直接貰っていると言った方がいいか…」
炉さんが天井に向かって指を上げる
「空に浮かぶ星々、つまり、恒星からエネルギーを奪い取っていると僕は考えいる。」
ゆっくりと炉さんは語り出す、魔力についての衝撃の事実を。




