30話 研究者であり、魔法少女!
「是非君を僕にくれないか!」
「えあ…?その?え?」
「ちょ、炉所長!また魔法少女を引っ掻けてるんですか!」
図書館の方から白衣を着た青年が走ってくる。
「引っ掻けてるとは失礼な言い方だなぁ…君もこの生物を見たら同じことは言えないはずさ!!」
水色の魔法少女はシロを掴み、青年に突き付ける。
「何だ、ただの猫じゃないですか?これのいったい何処が─」
「どうも初めまして、私はシロと申します。」
「喋ったぁ!?」
「どうだ!凄いだろう!このシロと言う使い魔は、彼女のものらしい!」
ビッ!と私に指を指す。
「これは…所長が言うとおりです…、是が非でも研究したい…」
「そうだろう!そうだろう!こんな文献にしか乗っていなかった、意志疎通の通じる使い魔を従える、魔法少女なんて研究するしかないだろう!!」
「あ、あの!」
凄い興奮気味に喋る、水色の魔法少女と青年の会話を遮るように大きな声で声をかける。
「おや、すまないねぇ、少々興奮しすぎたようだ。なんだい?僕の研究対象になってくれるのかい?!」
「えっと、水色の衣装に、青い炎を操る魔法少女…もしかして、炉衣織さんですか…?」
「いかにも、国家公安魔法少女の水色の魔法少女、炉衣織だが。」
「知り合いか?」
気圧されていた京香ちゃんが口を開く。
「京香ちゃん…この人は!」
バシ!と京香ちゃんの肩を掴む。
「炉衣織さん!国家公安魔法少女の1人で現代魔法少女研究のパイオニア!魔法少女研究以外にも、魔女や魔物の研究もされていて、この人が今の魔学を作ったと言っても過言じゃない!」
グワングワンと肩を掴んで京香ちゃんを揺すりながら説明する。
「あ、あのサイン貰えますか…?」
「嗚呼、構わないよ。」
「やったぁー!」
「うふふふ…グヘ…フヘ…」
「おい、杏奈なんか…顔キモいぞ。」
「仕方ないでしょ~こればかりはさぁ~」
ニヤニヤしながら京香ちゃんの肩をバシバシ叩く。
「それで返事の方はどうかな?」
炉さんがこちらを見つめ問いかける。
「僕の研究対象になってくれるかい?」
「光栄です!是非!」
ゴツン
京香ちゃんの拳が頭に当たる。
「痛ったぁ~何するの京香ちゃん!」
「ちょっと冷静になれ!勢い任せすぎだろ!」
「京香ちゃんって自分のこと以外だと、理性があるよね。」
「なんだと?!」
確かに冷静さにかけていた。
これは、チャンスだ。
「炉さん!私が研究対象になるのはいいのですが、条件があります。」
「僕にできることなら、何でもして上げようじゃあないか!」
「私達に魔学を教えてくれませんか?」
「ほう?それはどうしてだい?」
「私達はとある理由で魔女と魔法少女について調べています。今の私達は魔女や魔法少女に、ついて余りにも疎い。だから魔学のパイオニアである炉さんに教えてもらいたい。魔法少女のことも魔女のことも知りたいんです。」
フハハ!と炉さんが高笑いを上げる。
「いいだろう!知りたいと思う、その欲求、それでこそ人間だ!」
両手を揚げ、空を見上げ、語る。
「改めて、僕は炉衣織だ。よろしく。で隣の青年は、僕の助手の…」
「楽海優です、よろしくね。」
「私は東野杏奈です。よろしくお願いします!」
「久力京香だ!よろしくな!」
私達はこれを皮切りに魔法少女の秘密について近づいて行くことになる。




