23話 大魔女
「質問に答えなさい貴方達は何と戦っていたの?」
杖を突き付けながら黒の魔法少女が問いただす
「あ?憤怒の魔女ってやつと戦ってたんだよ、いきなり杖を突き付けやがって喧嘩うってんのか?」
黒の魔法少女が目を見開く
「にわかには信じられないけれど…この禍々しい魔力の残り香は…」
手の甲を顎に当てぶつぶつと呟く
「おいおい!いきなり出てきて質問に答えたらぶつぶつとお前はなんなんだ?」
「…ワタシは魔女よ、質問には答えたわ。次はワタシの番ね…憤怒にトドメをつけたのは誰?」
鋭い眼差しでこちらを睨む
「あ?魔女だぁ?どっからどう見ても魔法少女だろうがよ?頭おかしいのかぁ?」
「いいから質問に答えなさい」
「質問に答えないで京香さん」
「あ?なんだよ」
「そうやっぱり、その背負っている子が桜色の魔法少女として見て間違いないわね」
殺気の籠った目で杏奈さんを見つめ黒の魔法少女は戦闘態勢をとる
小さな声で京香さんに合図を送る
「京香さん…詳しいことは省きますが杏奈さんを連れて逃げてください」
「なんだよ急に」
「あの方…前に杏奈さんを殺そうとしましたわ」
「やべぇやつじゃねぇかよ!俺も一緒に─」
京香さんの口を人差し指で押さえる
「大丈夫ですわ策はありますもの、それに」
杏奈さんの憧れの魔法少女にわたくしを殺させたりはしない
「いきますわよ」
「エモーショナルシールド!」
「?!」
黒の魔法少女を囲むように盾が現れる
「生き残れよ!銀河!」
京香さんが森の中に走っていく
「なんのつもりかしら?」
魔法で盾が吹き飛ばされる
「ただ貴方とお話がしたいだけですわ」
「貴方…あの祭りにもいたわね、知っているでしょ…死にたいの?」
黒の魔法少女…彼女は恐らく
「問題ありませんわ、だって貴方は...人を殺せないのでしょ?」
黒の魔法少女の目元がピクッと動く
「もし貴方が節操のない魔女であれば、あの魔法少女に質問なんかせず、問答無用で撃ち殺したはずですわ」
「つまり貴方はできることなら人を殺したくない─違うかしら?」
静かに黒の魔法少女が口を開ける
「……そう…人ならね…貴方は魔法少女よ、ワタシの中ではそれも執行対象よ」
「今の貴方を殺すことはできるわ」
「そうですの?ならせめて遺言は聞いてくださる?」
「何?」
「貴方は大魔女についてご存知ですの?」
黒の魔法少女が驚いた表情を見せる
「そう知っているのね…貴方…」
「その口ぶり…やはり何か知っていまして?」
「貴方達が相手にした憤怒…あの祭りの暴食…あれらは12の大魔女よ」
「…随分素直に教えてくださるのね」
「そして桜色の魔法少女…東野杏奈も大魔女が1人よ」
「…え?」
黒の魔法少女の一言にわたくしは意識をもっていかれた




