21話 最大出力
勝てる勝てないそんなことは考えるな
年々魔女による被害は増えている
もし憤怒をここで取り逃したらどうなる?
震える膝を無理矢理抑え、立ち上がる
「ライトレイン!」
またも光線は曲がり軌道から外れる
「何故抗う!抵抗してもどうせ死ぬだけ!お前達は只肯定すればいいのだ!妾につけば生かしてやるのに!」
「肯定…ね、私は憧れになるために戦う!憤怒貴女を倒し、みんなを守る!」
憤怒はギリギリと歯を削る
「ナニもナニもナニもナニもナニも!分かっていない!聞き分けがここまで悪いとは!可哀想に!」
ドザ!
「ぐぉ……」
体が地面に張り付けられる
「この頭が悪のかしら!」
憤怒は私の頭を掴み、何度も何度も地面に叩きつける
カツ
盾が憤怒の頭に当たる
「なんなのなんなのなんなのォォォォ!」
憤怒は私を森の方へ投げ飛ばす
「妾に!妾に!逆らうなぁ!」
金切り声が木々を揺らし、川を割る
「mul AL.LUL!」
体が鉛のように重くなる
「こ…れ…は重…力…!」
憤怒の魔女がまた左腕を掲げる
「貴方が悪いの!貴女が悪い!妾に殺しを強要する!酷い!醜い!薄汚い!」
油を注がれた炎のように激しく怒る
「アクベン─」
ビュン
森の奥から光線が放たれる
憤怒は振り返り左手を殻で纏い光線を受ける
「少しは効けよ…クッソ…」
「不意打ちだなんてッ!醜い!汚ない!赦されない!」
「なら…正々堂々やってやる!」
「ライトレイン!」
複数の光線が宙を駆ける
「しッつこいのよぉ!」
光線は彼方こちらに曲がり憤怒を躱す
「うごけぇ私の脚ぃ!」
震える脚を立たせ憤怒の魔女に駆け寄る
ズシン
「うぐっ…また…体が…」
「馬鹿なの!学びも無しに突っ込んでナニがしたい!」
「スイングノヴァ!」
「?!」
憤怒の魔女は左腕を殻で覆い、京香ちゃんの技を受ける
「またあれを受けたいのかぁ!」
「mul AL.LUL!」
京香ちゃんの足が地面にめり込むが辛うじてその場に立っている
「何故!何故!倒れない!」
「気合いだあぁぁ!」
「そこまでして何になると!言うのだぁ!」
「アクベンス!」
「エモーショナルシールド!」
盾は京香ちゃんをその場から引き剥がし
腕を完全に振り切る前に盾が割って入ってくる
「なぁ!」
「そろそろフィナーレですわ」
銀河ちゃんが空を見上げる
そこにはさっきほど軌道を変えられた光線が憤怒の魔女の上から墜ちてくる
光線を曲がらせたり、盾を地面に叩きつけるためには恐らく攻撃がくることが分かってないとできないのだろう
オートガードであれば先ほど頭を掠めた盾も、腕で受けた光線も対応したはず
「血が昇りすぎだよ」
これが今だせる私の
「最大出力」
「花の柱!」
光の柱が憤怒の真上に降り注ぐ




