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あの意地悪な悪役令嬢が略奪したい理想の貴公子って誰のこと?  作者: アドリアーノ☆スパイラル


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108/118

第108章

ー☆〜〜


ケセラはターシャの心配を他所にジュズッピのパリピメロン家に対する心境がどのようなものなのか探っていたのでしたーーー


ケセラ「ねぇジュズッピ、貴方が偽の祈祷師であった事を皆さんに知られないようにしたいのにはどんな意味があるのかしら?」



するとジュズッピは暫く黙り込んでいたがようやく決心したように口火を切った。



ジュズッピ「それがな、この事は周りの皆んなの誤解から始まっているのじゃ。決して私は偽者の祈祷師ではなく出来損ないの呪術師なのじゃ。それが人々の噂で偶然私の祈祷によって健康を回復したのをきっかけに広まってしまった。

 それに気を良くしたワシはそれに乗っかって祈祷師としての名声を上げたのじゃ!だが偶然はそうは永くは続かぬもの。そこで当時付き合っていた皇后様に本音で相談したところ、ある解決策に至ったのじゃ。

 それが、ワシが祈祷をした時に皇后様の持ち技であるパリピメロン家代々の血筋で持ち合わせている「呪い魔法」をかけることで、まるで私が祈祷した効果だと人々に錯覚させるという手法だったのじゃよ。」


ケセラ「え、ちょっと待って、今皇后様と付き合っていた事があったの?初耳ですけどそんな話は聞いていなかったので……本当ですか?」


ジュズッピ「ほら、若かりし頃のことだからもう遠い昔の話だよ。それで久々にあの「呪い魔法のダイアリー」の中の世界を旅していた時に皇后様と偶然お会いしたのがきっかけでまた祈祷師として活動したのじゃが、何故か最初は皇后様の力を使わなくても上手く行ったのでまたまた良い気になっていたら途中から使えなくなったのさ。だから今の立場に成れたのも奇跡みたいなものなのじゃ!」


ケセラ「しかしそうなると貴方の娘さんのミッチはこの事をご存知ですの?」


ジュズッピ「いいや、知らんはずじゃろう。あの子には特に私も用心しているのじゃが、我がジュズッピ家の魔の呪いを操る力が歴代のなかでも強いようで、さもないと今回の戦闘で我々の軍は一毛打腎にされてしまうのではないかと内心ヒヤヒヤしながら戦況を伺っておるのじゃよ。だから君達もミッチには十分に用心するが良いぞよ。」


ターシャ「そうだったのね。てっきり仲良しの親子喧嘩のレベルだと思っていましたがやはり貴方が王家にミッチを捨てられた事を深く恨んでらっしゃるのですわね。これは相当根の深い闘いになるのではないかしらね……」




ー☆ー☆〜


オレガド王国ヘイレン国王と兄ジョシュアは「呪い魔法の中の世界」へ着いてからというものもう2日も満足な食事にもありつけないでいたのでした。



兄ジョシュア「そろそろこの辺りで休もうか。此処には綺麗な湧き水があるから飲み水には困らぬが、さてどうやって食料を調達するかが問題だ。」


弟ヘイレン国王「それなら良い方法がありますよ、お兄さん。ちょうど持ってきた道具の中に大きな網がありますからこれを木々に仕掛けると小鳥が獲れます。この辺りには野鳥が多いですから効果的かと思われます。」


兄ジョシュア「なるほど!よく小さな頃に森に行ってそんなことしてオヤツを調達したっけ。よく思い出したな。」


弟ヘイレン国王「後は燻製にでもしましょうかね。調味料も何種類かあるのでね。」


兄ジョシュア「あそこにあるのはもしかして琵琶の実ではないか?野生に生息しているのは初めて見たが。」


弟ヘイレン国王「多分あれはザクロでしょう。とってもビタミンが豊富なので旅の疲れも吹き飛ぶことでしょう。」



そんなこんなで何とか食料を調達した二人は今夜の駐留場所を設営するのでした。そして夕食を終えて人心地ついていましたーーー



兄ジョシュア「それにしてもこの先どうやって「呪い魔法のダイアリー」の中の世界を世直ししてゆけば良いやら、それを考えただけで途方に暮れてしまう。一体ケセラは何処に居るのやら……」


弟ヘイレン国王「ケセラといえば母親のナディアに会うのも久方ぶりでしたよね。幼い頃よく遊びましたっけ。」


兄ジョシュア「そうだなぁ、あの頃はとてもキュートだったよな。今見ても中々の美人ではないか。実はな、僕は彼女にラブレターを書いた事があってね。」


弟ヘイレン国王「それは知らなかったよ。で返事はどうだったんだい?」


兄ジョシュア「それがね、その返事を受け取る前に僕があの「開かずの扉」を開いてしまったんだよ。だから彼女の気持ちを未だ知らされてはいないのさ。」


弟ヘイレン国王「せっかく久方ぶりに会ったんだから聞いてみれば良かったじゃないか。」


兄ジョシュア「お前さん馬鹿を言うなよ、だいたい幼少の頃に渡した手紙のことなんて誰だって忘れてしまうものさ。聞くのも恥ずかしいだろう?」



夜が更ける中、二人は森の中で久しぶりに大声で笑い合ったのでした。それから彼らは明日からのこの「呪い魔法のダイアリー」の中の世界での世直しの長い旅路を、のんびりと時間をかけて楽しむことに決めたのでしたーーーー





///to be continued!!!☆☆☆〜〜〜






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