第105章
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ヒッポ君「しかし今日はやけに降るな。ここのところで今日が一番の大雨だなぁ。これじゃ外にも出れやしないしビバークしている女帝ミッチの様子すら視界が遮られて全く見えやしない……」
ターシャ「ヒッポ君はナディアの得意技の透視魔法を使えるの?以前ナディアから教わっていなかったかしら。透視魔法ならミッチの様子を事細かく観察出来るよね!」
ヒッポ君「残念ながら途中で断念したんだよ。ナディアは根気よく教えてくれてはいたんだけど、当の本人に素質がなかったのさ。好奇心が足りなかったのかもね。」
ストレンジャー「実はね、僕は以前その透視魔法の使い方を古文書て研究していた事があって、図書館に入り浸って資料集めに没頭していたもんさ!だからね、自己流だけれどすっかりマスターしたんだよね。でもそれは僕の若かりし頃のことだからもう何十年も使っていない。今できるかはちょっと試してみないと分からないんだけどね。ちょっとやってみようかな。」
ストレンジャーは立ち上がると、なんともおどろおどろしい奇妙な呪文を唱え始めたではありませんかッ!ヒッポ君とターシャはストレンジャーを黙って見守っていました。するとどうしたというのでしょう、ストレンジャーはふらふらしながらそこに突っ伏すと、まるで感電でもしたかのように全身を大きく震わせていました。しばしの時間が経過した頃、皆のいる鍾乳洞の壁面に何やらぼんやりとした映像が映し出されたではありませんかッ!徐々に輪郭がくっきりとし始めると、それは紛れもなく女帝ミッチの姿でした。彼女は配下のものと共に何やら議論を繰り広げているようでした。そして何処からともなく音声が聞こえてきます。それはやはりミッチの声であり、つよい口調でなにやら配下に申し付けているようでした〜〜〜〜
〜〜〜透視魔法の映像〜
ミッチ「あんなへなチョコインチキ祈祷師のジュズッピ如きにどれだけ手こずっているのです!そして彼らの行方すらいまだに掴めないとは、諜報員の資質が適任ではない事の現れでしょう。早いところ第2部隊を編成し別ルートのプランニングをして回らせなさいッ!」
側近「ミッチ様、貴方の仰られる事は十分に承知致しておりますが、そうは言われましてもあまり大胆な奇襲攻撃をかけるわけにも参らないではありませんか。あなたがなんと仰っても彼は貴方のお父さまてございまして、血がつながっていらっしゃるのですからほどほどになさいませんと……」
女帝ミッチ「お主、この私に、なんとも無礼な言葉で責めていることにお気づき?もしくはそのような説き伏せ方で穏便になさろうとでも考えたのかしら?
私がそんな脆弱な言い回しで惑わされようものならば、とっくに我が軍勢は陥落させられて居ようぞよ。少しはその口を慎むがよい。
私にはね、ジュズッピの奴を父と敬う遥か以前より、そう、母が愛想をつかして父の元を去って直ぐに、父は私を王家へと放り出して屈辱的な立場へと陥れたこの恨み、それは非常に根の深いものであります。
我が人生の大部分をかけてここまでのし上がれたのも、その反動かあったからかもしれませんがね。
私の生い立ちで育まれてしまったこの恨みの根は死ぬまで晴れることなど決して御座いません!もしも貴方がたがそのように仰ってジュズッピとの和解などを望まれていらっしゃるようでしたなら、それはお門違いですので、今すぐこの場からとっとと出ていきなさいッ!」
そう言い放つや女帝ミッチは席を外すと今度はビバークしている自分のパオへと向かうのだった。パオの中へ入ると彼女はなにやら奥の書庫からぶ厚い鍵付きの百科事典のようなものを取り出すや、ひたすらに読み漁り始めるのだったーーーー
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鍾乳洞の壁面から映像が消える。透視魔法を終えたストレンジャーは体力のありったけを振り絞って透視を行ったのだろうか、そのまま眠りにつくのであった……
ターシャ「ねぇヒッポ君。どうやらこの親子喧嘩はただのじゃれ合いなんかではないようね。これまでジュズッピか行ってきた自分に対しての悪行を懲らしめようとする彼女の信念には、相当な恨みが込められているのね。王家に拾われて侍女として厳しい教育を受けて仕えながらの長い期間が彼女の性格をひねくれたものにしてしまったのでしょうね。きっとそんな娘の気持ちも知らないジュズッピとしたら、今回のこの闘いも他愛もないじゃれ合いだと勘違いされているのではないでしょうかね。」
するとヒッポ君も荒い呼吸で床の上に仰向けの状態でいるのでしたーーー
ヒッポ君「俺も少しの間休ませてくれないか。何度か透視魔法を試みてはみたが、やはりストレンジャーほどの能力は引き出せないようだな……」
ターシャ「私もちょっとだけ試してみようかな。今度はジュズッピ側の部隊の動きを見てみたいし、ジュズッピが一体どんな考えなのかを探るきっかけが知りたいので。」
ヒッポ君「ターシャ、お前って……ナディアに教わってたのか?」
ターシャ「うんう、見様見真似でね。それとストレンジャーの呪文を絶対音階の私がフルコピーして何処まで可能か挑戦してみたくてね!」
ターシャは先程ストレンジャーがやった通りに立ち上がって呪文を一音も外さないように慎重に唱える。するとどうしたというのでしょう、鍾乳洞の真っ暗闇が内部の光苔が一勢に輝き始めるとそれは大きな光の輪となり、何本もあらわれるやターシャの頭からどんどん重なっていき遂にはターシャを取り囲んでゆきます〜〜〜
そしてそれは光の塊となってターシャの体を浮き上がらせるや、とうとうターシャを鍾乳洞の出口へと瞬く間に運び去ってしまうのでしたーーーー
ヒッポ君「うわっ、ターシャ!コレはどうしたものか?もしやターシャの奴、あんな事言ってたけど透視魔法の呪文を読み間違えちゃったんじゃね?」
///tobecontinued!!!☆☆☆〜〜




