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アルランティアの日記   作者: 倉門 輝光
異世界文化交流 2
66/117

エルフの里 3 夜、誘惑

R15あり


 素朴でほのぼのとした里のせいで、すっかりガレオ村で泊めてもらっていたシンプルな部屋のイメージをしていたのだが、どうやら用意されている部屋は、ガレオ村のそれとはだいぶ違うらしいと気付いたのは、席を立ってすぐだった。


 まず、案内をしてくれた素朴なエルフが、すぐにゴージャスな美女エルフと交代をした。そして美女エルフに連れて行かれたのは大きな綺麗な屋敷だった。

 

 門をくぐりながらも建物の中には入らず、広い中庭を通って進む。中庭には白い噴水があって、水が月の光に反射してキラキラと輝いている。その回りには薔薇のような花がたくさん咲いており、麗しの森からエルフの里に入ってくる時のような、幻想的な、いかにもエルフの世界という雰囲気が漂っている。


 この庭も、もしかすると同じ場所にあって同じ場所ではない、時空の異なる空間なのかもしれないな。そう思った。

 

 俺の前を歩くゴージャスな美女エルフの、ふわふわの柔らかそうな長い髪がちょっとキャロを思い出させる。彼女の身長は180センチくらいか。赤毛のスラリとした美人だ。見た目は22〜3歳に見えるけど、実際は4000歳とか5000歳なのかもしれないな。


 甘い花の香りがする中庭を通り抜けると、明かりのついた部屋が見えた。

 振り返り、『あちらにお部屋をご用意してございます』と微笑む彼女は、今まで会った田舎の村人的な印象のほのぼのエルフとは何とも違う。とても薄い衣装を身に着けている。

 透けているのではないかと思う程に薄い布が、彼女が動く度にひらひらと揺れて、そして歩くとめくれて綺麗な脚があらわになる。とても扇情的な衣装だと思った。


 ジラールでいっぱいだった俺の頭にくすぐったい刺激が走る。お、おねえさん、下着つけてないですよね?と、つい凝視してしまう。いかん、まるで誘われているような気になるが、だめだ、しっかりしろ俺。

 奈々恵が言っていた。男が誘われていると思っても、ほとんどの女は全くそんな気はないのが現実だと。

 間違ってはいけない。誘われていると思うのは、男の願望でしかないのだと。女は男を誘うためにセクシーな服を着るのではない。自分の気分を高める為に好きな服を着ているだけなのだ。或いは好きな男のために装っているだけで、その他の男には関心を持って見られることすら嫌悪するのだと。


 「そんな事言われたって…」と言った時、奈々恵は言った。「アラン様は一般的な男性よりも誘われる事は多いでしょう。ですが、仮に本当に誘われているとしても、焦って手を出してはいけませんよ。いいですか、主導権を女性に持たせれば大きな問題は起きないのです」と。

 そして「結婚するまで子供は作ってはいけませんよ。女性に求められても徹底的に避妊をするのですよ」と。

 何だってこんな所で奈々恵の言い付けを思い出すのか。


 気を落ち着けて通された部屋に入ると、暗めの照明の洗練された落ち着いた(しつら)えになっている。

 大理石のような白い床にふわふわの敷物が敷いてあり、薄い布の天蓋が付いた5〜6人は寝られそうな大きなベッドがある。奥には開け放たれ外に繋がっている広いテラスがあって、テラスの中央にはローマ風の大きな浴槽が、たっぷりの湯を湛えて白い湯気を立てていた。衝立(ついたて)で仕切られただけの広いワンフロアになっている。

 

 なるほどね、部屋から繋がって自然の中で月を見ながら風呂に入れるというわけか…と思っていると、どこにいたのか、薄絹をまとって髪をゆったりと結い上げている女性が3人、湯気が立ち上がる湯に赤い花びらを撒き始めた。 

 花風呂?と思っていると、俺を案内してきた女性が『我が君、お召し物を…』と言って、俺の服を脱がせにかかってきた。

 ちょっと待って。今すぐ風呂?いや、自分で脱ぎますから。あ、やだ、脱がさないで。


 『わ、私、風呂一人で大丈夫!皆、もう下がる良い』


 俺が慌てて身を引いてそう言うと、クスッと笑って『お世話をするようにと言われております。さ、お召し物を』と言って、更に俺の服を脱がせようとする。押しが強い。

 花を撒いていた3人もやって来て、俺は寄ってたかって4人の美女に服を脱がされるというとても恥ずかしい事態が勃発。

 小さい頃に泥遊びをして全身泥だらけになった時に、メイド達に叱られながら服を脱がされて風呂に入れられて以来、ついぞこんな事はなかった。


 俺はもう大人なのに。あ、でもこの人達にとっては幼生体以前の卵みたいなものなのか。必死にそんな理屈を考え戸惑っている間にズボンも脱がされ、脚を一人が持ち上げて片足ずつ靴下も脱がされる。あっという間にパンツ一丁だ。そしてパンツに美女達の手がかかった。

 「え、待って」と抑えるも、にっこり微笑んだ美女にするりと脱がされてしまった。

 俺はどうしてこんな事になっているのか混乱しながら、まだ股間が反応していないことに安堵した。


 俺を脱がせたエルフ美女達は、みんな美人なだけでなくプロポーションもトップモデル並みだ。いや、エルフなんだから当たり前なのか。でもガリガリではない。ふっくらと張りのある胸や、細くくびれたウエスト、そこから腰への魅惑的なカーブが何ともさわり心地が良さそうだ。

 薄絹に透けた見事な身体に目が行くのは不可抗力だ。一生懸命「この人達は美女だけどお年寄り。この人達は美女だけどお年寄り」と心の中で繰り返す。


 『我が君のように美しい方は、我らエルフの中にもおりませんわ』と、うっとりとした様子で俺の全身を眺める美女達。すっかり脱いでしまった今となっては、もう見られても構わない。

 じゃあもうザブンと一風呂浴びますかねと湯船に向かおうとすると、他の3人よりも少し小柄な金髪の美女が、俺の髪をまとめて高く結い上げ留めようとしている。よりによって一番小柄なあなたが、でかい俺の髪を上でまとめようとするのは無謀だとは思わなかったのか。そう思って屈もうとしたが、すぐに他の美女が手を貸して無事に俺の髪はまとめられた。


 片手を赤毛の美女に引かれて湯船に誘導される。既に全員に確認されてしまった、片手では隠しきれない俺のバズーカを一応片手で隠して移動する。

 湯船に入る段差に差し掛かると、3人の美女が身にまとっていた薄絹をするりと脱いで全裸になった。え?と息を呑む俺を横目に、彼女たちは先に湯船に入って、赤毛の美女と交代するように俺の手を取って湯の中に誘導する。そして赤毛の美女もまとっていた薄絹を脱いで、ふわふわの髪を結い上げ俺の後から湯に入ってくる。 

 

 結果、俺は今4人の美女と一緒に湯に浸かっています。


 一緒に入るとは思わなかった。何だろう、この状況。嬉しくないのかと言われれば嬉しい。見ないふりをしながらばっちり見たけど、身体の作り的には地球の女性と変わらない。お湯に浮いた赤い花びらの隙間からチラチラと見える見事な肢体に俺はクラクラです。 


 落ち着け、落ち着け、と念じていると、茶色の髪の美女がすすっと寄って来て俺の肩と胸に手を置く。なんですか?落ち着けなくなるからやめてくださいよ、と思いながらも、当然、抵抗は出来ない。


 『我が君、お身体を洗いましょう』 と言ってさわさわと、洗っているのか触っているだけなのか、良くわからない力加減で俺の身体を撫で回す。 

 

 『あら、それでは私はこちら側をこうして…』と、亜麻色の髪の美女が反対側から寄って来て身体を密着させる。 


 いけない。俺の血液が身体の一点を目指して集まっていく。…嘘です。もうとっくに集まっています。

 

 あの、その、…その首筋を唇ですーっと辿るのは、それは洗っているのでしょうか?

 決して嫌ではないし、ドキドキしているのだが、思考が状況に追いついていない頭の固い俺。エルフの美女たちに身体を洗われ?ながら、戸惑いから抜けられずにいる。


 『このお湯は洗浄効果が高いので、やさしくさするだけで十分なのですよ』と説明が入るが、もはやそんな事はどうでも良くなっている。

 脚を洗っていた金髪の美女が、手を内腿から上に滑らせて来た。あ、ちょっと、そこはダメ! 


 『ここは自分で洗う。大丈夫。皆、触らない!』 

 

 既に元気はつらつ!となっている一点を、俺は死守すべく手で隠す。なのに、あら、まあ、うふふと笑って美女達は一斉に俺に密着して抑え込んで来た。そして言う。 


 『我が君、私達は皆、人間の夫を持った事がございますの。ですから、人間の男性の事は良く存じておりましてよ。安心して私達にお任せくださいませ』 


 抑え込まれて、ほぼ強制的にお任せすることになった俺は、そのままとてもとても丁寧に洗われた。そして一体いつ湯から上がったのか、ちゃんと身体を拭いたのかもわからないままに、気付けば広いベッドで4人を相手に大暴れをしていた。


 詳細は省くが、子供は出来ないように善処した。それだけは覚えている。「あら、残念だわ」と言ったのは誰だったか。

 確かに俺は押し倒され慣れている。だが、こんなにも力強く積極的な押し倒され方をしたのは初めてだ。俺が何もしないうちにコトが進んで、しかも同時多発ナニの連続で、困っているのか楽しいのか嬉しいのか気持ちいいのか、もうわけがわからないうちに時が過ぎていた。


 朝目覚めるとベッドに彼女たちの姿はなく、俺はモソモソと起き出して朝日の中でひとり温かい湯に浸かり、今度こそ自分で身体を洗った。

 残っているのは心地の良い疲労感と数カ所の噛み跡。一時的なのかもしれないが、胸の奥にチクチクとあったキャロにふられた悲しみが癒やされて、ちょっと安らぎを与えられた気がした。


 湯気がレモン色に立ち込める朝の空気の中で、世の中にはまだまだ知らない事がたくさんあるんだなと思った。そして、経験豊富なおねえさん達の肌のあたたかさと懐の大きさに感嘆した。もしかすると史朗が言っていたプロってこんな感じなのかな。

 …正直、4人はちょっと大変だったけど。本当は俺は1人で十分なんだけど。でも、でも、良いお世話でした。ありがとうございました。

 そういえば、あと2人増やすとか言ってたけど、それはちょっといくらなんでも無理です。許して下さい。あと誰か噛む人がいたんだけど、肩とか首とか脇腹とか噛まないで下さい。


 風呂から上がって着替える頃に、少しだけ俺の中に罪悪感のようなものが顔を出した。キャロが好きだって、本当に彼女だけでいいって、俺は思ってたんじゃないのか?

 でも、だって仕方ない。俺はもうフラレてしまった。キャロのものじゃなくなったんだ。癒しを求めたっていいじゃないかと思う俺もいて、どっちにしても俺は凹みながらもなかなか良い時間だったと思っているのだ。


 その後、少ししてから朝食の案内をされ、席で会った史朗が照れくさそうに「なんか、エルフの里って良いな」と言った。どうやら史朗もおもてなしを受けたらしい。


 「…史朗は何人と戦ったの?」と聞いてみた。


 「え?ああ、俺は…まあ、2人同時に戦うのは初めてだったけどな。やり切ったぜ。お前は?」


 「2人か、いいな。俺は4人だ。大変だった」 


 「4人だと?!…お前、やっぱり勇者だな!」


 「俺は何人もはいらない。1人で良いんだ。なんか今夜はあと2人増やすって言ってたから、それは史朗に任せるよ」


 「待ってくれ、俺も無理だ。俺は2人でいい。2人で十分だ」



 1人で良いとは言わない史朗だった。


   

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