その2
「大事な話ってなんだよ!」
「逆にいえば分からねぇのか、お前?」
分からねぇから訊いてんだよと言ってから山城はある事に気が付く。
「・・・瑞穂の事か」
「ふっ・・・分かってんじゃねぇか」
「やっぱりかよ・・・なんでそんなことすんだよ!」
「黙れ山城。クビ覚悟で来てやってんだ。少しは感謝しやがれ」
「はい?」
「ちっ・・・」
有栖川は、山城の右手首から手を離すと振り向きこう言った。
「正直に言うぞ。俺ら鋭利電機開発部はお前を、山城新を殺そうとしている」
「・・・いやすまん。真剣な顔だからマジなんだろうけどさ、実感湧かねぇんだわ」
「ふざけてんのか・・・まぁいい。話続けるぞ」
「おう」
「今までに二回ぐらい襲撃されてるだろ」
山城は首を縦に振る。思い出しただけで涙が出そうになる。
「・・・そんな顔になってるってこたぁそうなんだろうな」
「いいから続けろ」
「あぁ分かった。あれはな、知立っていう研究者一族の娘・・・まぁ毎回出向いてたっぽいから知ってるか。知立化見丹って言うんだがな。あいつが全部仕組んだんだ」
「本当か?そんなこと知れたら日本の最先端技術みんな廃れちまうだろ!」
「あぁ。だからお前にしか言っていない」
それから山城は、知立一族について説明を受けた。
「・・・結局、自分が邪魔だから消そうとしてんのか、そいつは」
「まぁそういうことかな」
「そもそもこの出会いも仕組まれたもの・・・正確に言うと瑞穂の担い手を探していたんだ」
「それで僕に」
「そうだ。そういう趣味なら、拒まないだろうと踏んでいたからね」
「・・・ロリ好きか、単のアニメ好きか、どっちの意味だ」
「後者だ」
またロリコンと勘違いされたのかと思った山城だったが、とりあえず一安心。
「ところで山城」
「なんだよ・・・まだ何かあんのか?」
「貸したあの服、まだ返してもらってないんだが」
「あれなら御崎とかいう奴がめった裂きにしてたぞ」
すると有栖川は中指を立て叫んだ。
「御崎め・・・あいつ殺してやるッ!フ○ック!」
「おいおい有栖川・・・」




