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そんなつもりではなかった  作者: はるくうきなこ


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23/25

23あれから


 アキルの事はまだ行方がわかってはいないが、カレンがあばずれだって事は完璧に証明された訳でアルベルトからすればディアナには感謝しかなかった。

 それがあのディアナに感謝の言葉を言おうと思った経緯だった。

 そして夜にはディアナと仲直り出来た。ディアナの気持ちを聞いてアルベルトは自分がどれほど愚かだったかとひしひしと感じた。

 これからは二人で力を合わせてやっていこうと気持ちを新たにしたのだ。



 ディアナはディアナでいきなりアルベルトからあんな言葉を言われてものすごくうれしかった。

 この二週間ほとんど口も利かず何を考えているかも分からず、何とか取っ掛かりが欲しいと思っていたのだから。

 そして夜にはアルベルトから気持ちを聞かされてディアナもやっと彼をもう一度信じてみようと言う気持ちになるのに時間はいらなかった。

 だが、それはあくまでカレンがアキルと逃げてとんでもない女だと分かったからだとも思っている。

 そのことについてはまだモヤモヤした気持ちが晴れたわけではなかったがアルベルトとの間にあったわだかまりの山は少しずつ崩れていった。



 それから、アルベルトとディアナは何度も失敗を繰り返しながら王妃から依頼を受けた品物を作って行った。

 二人は互いの意見を交わし合い喧嘩もした。でも、それはあくまでも作品に妥協できないからで、仕事が終われば互いをいたわり二人の繋がりは強くなった。

 そして何度も何度も試行錯誤を繰り返して、やっと二人が納得のいくガラス細工の美しい皿とカップ。日常使い出来る食器が出来上がって行った。

 色とりどりのガラスはそれは美しく熱さにも冷たさにも耐えれるように何度も職人たちと作り直しを繰り返した。

 アルベルトはガラスの配合や釉薬などを何度もやり替えて決してあきらめずディアナの希望をかなえようと奮闘した。

 そんなアルベルトの苦労を見てディアナはまた一つ彼への信頼を取り戻して行った。

 まだまだ完全に信じれるまでにはいってないが、それでもカレンの一件からはかなり立ち直っていた。



 アキルはあれから一カ月ほどでハルドン男爵の工房に舞い戻って来た。

 持って逃げたサファイアはすでに売られておりすっからかんで戻って来た。

 アキルの話によるとカレンには三度目の夜に逃げられた。まだサファイアは手元にあって彼女は自分の荷物だけを持って逃げたらしい。

 アキルはカレンが自分を好きだから一緒に逃げたつもりだった。それなのにあっさりと捨てられ帰るに帰れず裏で売ったサファイアは安く買いたたかれた。それでもしばらくは売った金で暮らしていたが手配が回っているので仕事も出来ずとうとう父親の所に泣きついたのだ。

 まあ、捕られた時点ですでに盗品として王都中の商会にはお触れが出回っていて無事に指輪は戻っていた。

 アキルは頭を擦りつけアルベルトに謝りカレンに騙されたと涙ながらに謝った。

 アキルは工房ではなく鉱山の鉱夫として働く事になった。

 それでも受け入れてもらえた事にリゲルともども感謝した。



 たくさんの応援ありがとうございます。明日は最終話の投稿予定です。最後までどうぞよろしくお願いします。




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