第63話 たくまvs紫陽花 発動と炸裂と
【00:02:41】
開始されたゲームのカウントが刻まれていく。
ヘッドギアの中は能に直接、通信させるようで。
360度の角度で映像も視える。
3Dの立体的なもので。
俺の中のポリゴン的なものではなくて。
「『ふっへェ~~』」
――装備の一覧です。
1.英雄の拳
2.三ツ星の霹靂
――使用する武器を選んで下さい。
「『両方共っ! っとね』」
――可能なのは1器のみです。補強は出来ます。
「『はぁ?! っじゃ……じゃあ』」
→ 2.三ツ星の霹靂
――登録されている武器は把握していません。使用が出来ないようです。
「『! じゃあ、英雄の拳っきゃないじゃんか‼』」
→ 1・英雄の拳
――《アジサイ》が先に行かれました。29秒遅れです。
「『っもォおお~~‼』」
俺が拳を強く合わせると。
ドォオオンッッ‼
英雄の拳が姿を現した。
「『っうっし! これで――戦う、のか』」
俺は前を奔る紫陽花見据えた。
このゲームは。
《追撃者の報酬》なるアクションが売りの。
最新のアーケード筐体。
もちろん紫陽花の野郎は。
きっと、やり込んでいるのは間違いがない。
だから、余裕をかまして。
見返りは要らないって言いきったんだ。
基本は先に《商品》を手に入れるだけの。
簡単なものらしい。
ただ、それはあくまでも。
Lv.1の初級編の場合はだろう。
大会のLv.は――MAXだぞ。
初めてのゲームで。
初めての大会で魔王を倒しに行くようなもんだ。
ひのきの棒でな。
「『くっそォおお‼』」
→ ↑ ↗ → ↘ + PP
――《グローブスマッシュ》炸裂!
「『!? ぃ、っけェええ――っっ‼』」
俺も拳を握って当たるのを奔りながら見た。
なのに。
紫陽花の野郎は、後ろを見ようともしねぇ。
↑ ↘ ↗ → ↖ 強P 強K
――《ウォールフィールド》発動!
「『っな゛??』」
あっという間に、俺の拳が木っ端微塵になっちまった。
俺の口が大きく開かれてしまって。
口の中もカラカラになっちまう。
ここでなら。
前の俺だったら逃げ出すだろうが。
【00:02:14】
でも、だ。
俺には目的も、目標もある。
こんな腹立つ野郎に――負けてたまるか。
「『俺が勝つッ‼』」
↖ ↘ ↓ ← + KKK
――《アンダーブロー》炸裂!
野郎に当てたつもりが。
周りに現れた敵の数体に全てが当たって。
ドォオオオオンンンツツツツ!
爆音が轟いた。
なのに。
「『まだ! 余裕をかますのかよ!』」
俺は歯ぎしりをして、目の前の野郎を睨みつけた。
そんときだ。
思いもよらないことが起こった。
『満
た
す
為
に
案
が
生
ま
れ
る』
かなり前に《三ツ星の霹靂》で唱えたものが。
文字となって宙に刻まれた。
「『‼ っえ゛??』」
俺は驚きの声を上げてしまう。
ただ。
それは、あの野郎には視えていないのか。
何の反応もない。
【00:01:47】




