04煮えたつ冷酷
―――ガシャン!
その時響いた金属音に、ユディは自然と目を向ける。
リコリネが、倒れた音だった。
「リコリネ!!!?」
「あら……おかしなことね……そのような使い方をしている割に……祝福の量は少ないのね……? 合意ではない限り……吸いつくすことはできないはずなのだけれど……力が半減どころか……もうその騎士は動けないわね……ほほほ…」
勝ち誇ったように笑うアデリーサの声が、ユディの耳には遠のいて聞こえる。
倒れ込んだリコリネは、ほとんど虫の息だ。
それだけで、ユディの頭に、かっと血がのぼっていく。
体の熱量とは裏腹に、ユディは精霊道具の本を力を込めて握りしめ、酷く冷徹な声音を落とした。
「<―――ユディは、近くに居た男の腕を斬り飛ばした。次の瞬間には、ため息が出るほどに美しく、きめ細やかな断面がそこにある>」
ザブンッ!
そういった音と共に、ユディは細剣を振りきる。
柄についた蝶の根付が、場違いに美しく舞っていた。
電光石火としか言いようがないスピードだった。
そのため、腕を斬られた男が、自分の身に何が起こったかを理解するまでに、かなりの時間を要した。
「う、…うわあああぁああっ!!?」
バシャバシャと、潤いを帯びた血飛沫の音。
惜しげもなく、血液が床を汚していく。
「アデリーサ…。虎の尾を踏むって言葉を、教えてやるよ……」
殺意のこもったユディの視線に気おされたように、場に居た人々が、後ずさっていく。
瞳には、命の危機への恐怖を宿し、アデリーサから受けた洗脳と、生存本能の間で揺れ動いているように見える。
その動揺の隙に差し込むように、ユディは、心を込めて発言する。
「―――お金様大原則、第三条。第一条および第二条に反するおそれのない限り、人間は、自己を守らなければならない」
そのユディの言葉に背を押されたように、人々はハっと顔を上げた。
ユディは、にっこりと微笑む。
「その腕を持って逃げてください。処置が早ければ、くっつくかもしれませんよ? この場に残る者は、すべて僕の敵とみなし、すぐにその首を跳ねに行きますね」
「ひっ、ひいいいいいっ!!」
その通りに動き、真っ先に逃げ出したのは、腕を切られた男だ。
彼の動きに触発されたように、アデリーサの周囲に居たすべての人間は、我先にと裏口から逃げ始める。
「お……お前達、どこへ行く! あたくしを守りなさい……!」
そう叫ぶアデリーサの声も、混乱の中では届かない。
ただ一つ確かなことは。
細剣を携えたユディが、一歩、また一歩と、着実にアデリーサへと近づいてきている、ということだ。
アデリーサは青ざめて一歩下がる。
どうやらアデリーサはあくまで司令塔であり、自身に戦える力はないらしいな…と、ユディは頭のどこか冷静な部分で判断をする。
「お、おのれ……来るな……! 望みのものを何でも言いなさい……叶えてあげるわ……あたくしの金で…」
「滑稽だな。モノオモイでも、果てることを恐れるのか」
歩みを止めないユディから逃れようとして、アデリーサは長い豪奢なドレスの裾を踏んでしまい、どさりと尻餅をついた。
「あ、あたくしが何をしたというの……!」
その問いに、ユディは少し驚いたように目を見開いた。
「…そうか。そういうものかもしれないな。信念も何もなく、自分の思ったように振る舞うから、被害者であるかのようにそう言える。さぞや楽しかったんだろうな、金持ちになる夢は。くだらない栄華だ」
ユディは容赦なく、抵抗の手段も知らない相手へと、細剣を掲げた。
「お前は、僕たちを排除しようとしたじゃないか。いや、僕のことはいい。リコリネを、傷つけようとした。僕は、それが、許せない。お前は僕の敵だ」
「来るな……来るなぁ……!」
アデリーサは、這いずるように背を向けて逃げ出す。
ユディは、手元が狂ってしまわないように、静かに、心を込めて、音の祝福を口にする。
「<ユディは、アデリーサを斬り殺した>」
ザンッ!
「<ユディは、アデリーサを突き殺した>」
ドツンッ!
「……ッ!」
「<ユディは、アデリーサを細切れにした>」
ザシュ、ザシュンと、その言葉通りの光景が繰り広げられる。
アデリーサは、動きを止め、形を崩し、少しの名残を残して床に転がる。
しかしアデリーサからは、血の一滴も滴り落ちず、淡く光り始める。
チャリン―――
やがて、そこに転がり落ちたのは、一枚の大金貨。
くるくると回転したかと思うと、ピシリと亀裂が入り、不格好な破片となって、バラバラになる。
ユディはそれを見届けると、カチリと細剣を鞘に納めた。
アデリーサに吸い取られた祝福の影響で、少し足元がふらつく。
リコリネは、床に這いつくばり、息も絶え絶えになりながらも、その一連の流れを見ていた。
「ある……じ……」
絞り出されたリコリネの声に、ユディはハッとしたように振り返る。
「リコリネ!」
慌ててユディはリコリネに駆け寄って、抱き起こす。
こうして抱き起してみると、間違いなくリコリネの全身鎧は、最初に会った頃よりも軽く改良されているとわかる。
リコリネは、ハアハアと息を荒くして、それを何度も繰り返しながら、何か、何かを喋ろうとしている。
「リコリネ、もう大丈夫だ、落ち着いていい。ゆっくり喋ってくれていいから……」
ユディは優しく言葉を落とし、リコリネはそれに応えるように、何度も息を整えていく。
やがて、ひときわ大きな深呼吸の音が、フルフェイスの中から聞こえたあと。
「………ネ……」
「うんうん?」
ユディは、声を聞き取ろうと、リコリネの方に耳を近づける。
「ネックハンギングツリー!!」
「なんで!!!?」
ガッという音と共に、リコリネはユディの首を片手でつかみ、そのまま乱暴に立ち上がった。
だらりと、首つりユディが掲げられる。
しかしそれは一瞬だけで、すぐにガシャリとリコリネは力尽き、地に臥せる。
ユディも投げ出されるようにして倒れたが、なんとか、胸ポケットだけは庇った。
一瞬だけだったが、ユディは呼吸ができないほどの締め付けを受けて、ひどく咳き込む。
首には、リコリネの指の後が、痣となって残っているほどだ。
いきなり、二人は満身創痍になった。
しばらくの間、二人でぐったりとしながら、時間をむさぼる。
やがて、呼吸が整ったユディは、あおむけになるように寝転がって、静かにリコリネに声をかけた。
「リコリネ……どういうこと…?」
リコリネも、何とか呼吸を整え、ごろりと仰向けになる。
二人で天井を見上げながら、静かに会話を始めた。
「主……あれはいけません…。不必要な虐殺を、私は騎士として見過ごすわけにはいかないのです。どうしてもああいうことをしたいのであれば、それは私の役目です。次からは私に命じてください」
「…それは……」
「主。今、私にそんなことはさせられないと、そう思われたのではありませんか? 他者が同じことをやると想像して初めて、あの殺戮の異常さを、改めて認識できたのではありませんか?」
「………」
シンとした時間が流れた。
リコリネは、淡々と言葉を続ける。
「主…。主には、モノノリュウを倒した後の世界が待っているのですよ。主には、未来があるのです。時折、主がそのことを失念しているのではないかと、私はそれが心配なのです。あなたは、無抵抗な相手を惨殺したその手で、ライサス先生と握手をし、トビー殿の頭を撫でる気ですか? あなた自信を傷つける矛とは、そのことです」
「……、……返す言葉もないな」
「いいえ、あるはずです。私はあなたを怒りはしますが、決して嫌わない。どうぞ、胸の内をお話しください」
ユディは、驚いたように息を呑んだ。
それから、ふっと、諦めたように笑う。
「かなわないな。どこまでわかられているんだろう。……リコリネ。僕の中には、煮えたぎった何かがあるみたいなんだ」
「……はい」
「それは煮え立ってしまえば、すぐに喉元まで湧き上がってくる。たぶん、僕は、壊したいんだ。たまに全部全部ぐちゃぐちゃにしてやりたくて仕方がない。だから、壊してもいいと判断した相手には、そういった自分を隠せない」
「…そうでしょうか?」
「そうだよ。見ただろう?」
「私が見たのは、表情一つ変えないあなたの姿です。主が、相手を壊すことが楽しくて仕方がないし、そうしないと収まらないというのであれば、私はそうですかと納得し、それに合わせ、どこまでもお供します。しかし、楽しんでいるようには見えなかった。どちらかというと……その煮えたぎる獰猛な何かを、持て余しているのではないですか? かつて、出会ったばかりの頃の私が、力の精霊の祝福を持て余していたように」
「リコリネ、僕の本質はきっと、君のように優しくないんだ」
「いいえ、違います。あんなに素敵な音楽を生み出せる手を持っているではないですか」
「僕は、悪い側の人間なんだと思う」
「いいえ。主、惑わされないでください。本質など、どうでもいいのです。大事なことは、ご自身が、どうしたいか、どうありたいか、どう生きたいか…です」
ユディは、驚いたように、視線だけを動かしてリコリネの方を見る。
「どうしたいか…」
「…もちろん、今すぐに答えを出さなくてもいいのです。ただ、今日のことを覚えておいてください。その答えが出るまでの間、私は良識に従い、あなたの首を絞め続けるでしょう」
「ネックハンギングツリーは良識の範囲内ってこと!?」
「まあ、それはそれです。そして、悪人を惨殺して生きたいという答えを出すのであれば、私は二度とあなたを止めはしないでしょう。あなたの心が、その行為に対して疲弊しないのであれば、それはそれでいいのです」
ユディは黙って、首元にあるリコリネの指の後を撫でた。
リコリネは、淡々と話を続ける。
「それから主、勘違いをしてはいけません。例えば世の中には、『ざまあみろ』という言葉があります。シャーデンフロイデとも呼ばれるそうです。世の中の多くの人が、この単語と、単語の意味を知っています。つまり、広く使われる言葉であると言えます。広く使われるということは、誰でも持ち得る感情であると言えるでしょう。この感情を表す言葉が用意されるほどに、それはポピュラーな感情です」
ユディは、一度瞬きをしてから、リコリネの言葉を聞き続ける。
「しかし、誰かが『ざまあみろ』という言葉を使ったからといって、その者に大悪党のレッテルが張られるわけではありません。大なり小なり、誰にでもある感情だからです。主、勘違いしてはいけません。あなただけが、悪い感情を持っているわけではないのです。誰でも、煮え立つ何かを持っているのです。私の中にもあります。ですが長い年月をかけて、そういったものとは折り合いをつけていく術を見出しているだけです」
「………」
「主はきっと、長い旅をしてきたとお思いでしょうが、それでもまだまだ経験が足りていないだけです。トビー殿を思い出してみてください。嬉々として、虫の足を引きちぎって遊んでいたらしいではないですか。子供とは残酷なものです。人間とは、そういうものでもあるのです。主だけが異常というわけではありません」
ユディは悔し気に、くしゃくしゃと自分の前髪を掻きまわす。
「…くそ、記憶があいまいな部分さえなければなああ。君に子供扱いされるって、すごく不本意だ。絶対五十歩百歩くらいなのに」
「む……。主は私を子供扱いしたがる癖がありますね?」
「君が騎士で居たがるのと一緒なんじゃないかなあ? 僕はかなり成長したと思うんだよ、もう全然女に間違われなくなったし」
「ああ、それはそうですね。やはり内面がにじみ出るのでしょうか、今の主からは、たくましい印象すら受けます。ひょっとしたら、リョクミドロと同じなのかもしれませんね」
「え? リョクミドロって、微生物の…?」
「はい。周囲の状況によって性分化するとライサス先生から習いました」
「これ僕はショックを受けていい場面じゃないかなあ!?」
いきなり微生物扱いされて、ユディは少なからず衝撃を受けた。
リコリネは、マイペースに話を進める。
「まあ、それはさておき。目の前の怒りにだけとらわれることがないように、お互いに成長していけたらと、私は思っております。きっと主の心は、まだまだこんなものではありませんよ。…とはいえ。今回は、私を助けていただき、ありがとうございました。不甲斐無い私が原因の一つであるはずなのに、主の行動に口出しをした非礼をお許しください」
「…ほんと、君ってそういうところは真面目だよね」
「む……。私はすべてが真面目ですよ?」
その返答に、ユディは困ったような顔で笑ってしまう。
しばらく、じっと天井を見つめてから、ようやく口を開いた。
「リコリネ、ひとつだけ聞かせて欲しい」
「なんでしょうか」
「モノノリュウを倒した後の世界で、…君は、どこに居るんだ。君は、一体どんな世界を夢見ている? 僕が目指すのは、君とリルハープが隣に居る世界だ。どうしたら、何を我慢したら、何を選び取れば、正確にそこまで行ける?」
リコリネは、一度言葉に窮した。
「……。それは、主自身が考えねばならないことであり……それと同時に、今の私は、その問いにお答えすることはできません。ですが。私には確かに、あなたへ伝えなければならない言葉があります。いつか、モノノリュウを倒して、私があなたの騎士である必要がなくなった時。その質問にお答えしますね」
「うわあ、めちゃくちゃ焦らされた気分になった」
「…ふふ。楽しみは最後に取っておいた方がいい、くらいに思っていてください」
「努力しよう。リコリネ、動ける?」
「そうですね…肩を貸していただければ、なんとか」
「よーし任せろ」
ユディは何とかリコリネを肩に担ぐようにして立ち上がる。
そして、ハっとどこかを見て、凍り付いたように固まった。
「主、どうされましたか?」
「……どういうことだ? モノオモイの気配が、消えてない」
「…なんですって?」
リコリネは焦ったように、アデリーサの大金貨が転がる方に目を向ける。
「…? あのモノは、壊れているようにしか見えませんが……」
リコリネの言葉に、悩み始めるユディの胸ポケットから、リルハープがひょこりと顔を出した。
「ひょっとして、ご主人サマが、モノオモイの気配がいつもより濃いと言っていたことと関係あるのでは~~?」
「まさか……二体いたってことか!?」
驚愕するユディに、リコリネが頷いた。
「なるほど。それならば、色々と納得がいきますね。異例中の異例のようですが。すみません、主。私はしばらく動けそうにありません」
「くっ…。いや、大丈夫だリコリネ、僕も消耗しているから、休息を必要としているよ」
「そうですね~~、ここは焦らずゆっくりと行くしかありません~~。リルちゃんを危険にさらさないためにも、ここは我慢ですよ、ご主人サマ~~!」
リルハープなりの気遣いが伝わってきて、ユディは困ったように笑う。
「…わかった。とりあえず、宿に戻ろう」
ユディはリコリネに肩を貸しながら、えっちらおっちらと屋敷の外に出る。
そして、ワっと騎士に取り囲まれた。
「…!!?」
「いや、こっちは賞金首じゃないな、乗り込んだ青年たちだ!」
「君、大丈夫か!?」
「そっちの鎧は怪我でもしたのか!?」
数人の騎士に矢継ぎ早に質問をされて、ユディは目を白黒させる。
「これは、どうなっているんですか……!?」
やがて、隊長マークの勲章を胸に着けた人がやってきた。
「驚かせてすまない、私が説明しよう」
隊長が言うには、どうやら彼らは前々からアデリーサの依頼に目をつけていて、最近になって、ようやく屋敷を張り込む流れになったそうだ。
しかし決定打が無いため、乗り込むこともできない。
ユディたちが訪れたのも、監視をされていたらしく、あまりにも長い間出てこなければ、救助に向かう流れになっていたそうだ。
様子を見るために、しばらく成り行きを見守っていると、屋敷の中から、わらわらと賞金首たちが出てくるではないか。
驚いたものの、咄嗟に捕まえるに至ったらしい。
さぞや派手な大捕り物が繰り広げられたかと聞くと、そうでもなかったという。
それほどまでに、腕を切断された男のインパクトは強く、全員が戦意を喪失していたとのことだった。
「あ……すみません、それは僕がやりました」
ユディが申し訳なさそうに謝ると、隊長は、「だろうな」と頷いた。
「難しい話だが、こちらとしては捜査に協力してもらったも同然だからな、一方的に責めることはできん。次からは、あまり不必要にやりすぎないように気を付けたまえ、と偉そうに注意をすることで、不問にさせて貰おうか。相手は賞金首で、正当防衛ではあったのだろうしな。救護室に連れて行った者の話では、処置も早くできたし、美しい断面だったため、何とかくっつきそうだという報告を受けている」
ユディは、ほっと安堵の息を吐いた。
隊長は、ユディの様子に、少し笑う。
「それとは別に、こちらとしては随分と楽をさせて貰い、感謝をしていると言わせてもらおうか。ただ…な。捕まえた者達からざっと聞き取り調査をしているのだが。証言があやふやで困っている。こちらの都合で申し訳ないが、説明を頼めるか? 礼としては、賞金首を捕まえたのはすべてそちらの手柄にしよう」
「ああ、いえ、手柄はそちらで、僕たちは賞金だけ頂ければ、それでいいです」
「そうか、クールだな。まあ、賞金稼ぎとはそういうものか」
「いえ…実は僕たちは、賞金稼ぎではないんです」
事が事なだけに、ユディはモノガリであることを伝え、アデリーサが竜の夢だったことを伝えた。
隊長は、静かに驚いている。
「そうだったのか…まさか、伝説のモノガリが実在したとは…。いや、たしかにそれならば、ある程度の説明はつくな。実は、捕まえた彼らは口をそろえて、自分が今まで何をしていたか、記憶にないと言っているんだ。それどころか、この屋敷の執事の話によると、ドラクロアミレー氏は独り身で、アデリーサなどという奥方は存在しないとのことでな。しかし、大陸情報倶楽部に出した依頼は、確かに彼の筆跡で、彼もまた、あやふやな記憶に困惑しているようだ」
「そうですか…。洗脳が行われていた、と解釈した方が話が早そうですね」
「確かにな。どのみち、超常の力であるには違いない。さて、そちらも疲れただろう、宿まで送らせよう。賞金が用意出来次第、使者を送るという流れでいいだろうか?」
「あ、待ってください。実は、まだ終わっていない可能性があるんです」
「…なんだと?」
「隊長さん、ご協力をお願いします。僕らだけでは情報が足りない。アデリーサに行きつくまでに、何件か候補があったんじゃないですか? 僕らは回復次第、しらみつぶしにそれらを当たる気でいます」
「…ふむ。休む暇無しか、大変だな、モノガリというのも。わかった、ではこちらで資料を整理しておこう。ただ、今回の件の事後処理もあるからな、回復した頃に、そちらから詰め所を訪ねてきてもらう流れでどうだ?」
「ああ、それでお願いします。それから…」
「なんだ、何でも言ってくれ。出来得る限り協力をしよう」
「…実は、全部終わったら、観光がしたいんです。その辺りの情報も、まとめておいていただけますか?」
ユディは、悪戯っぽく笑う。
隊長は、不意打ちをされたようにきょとんとしたが、すぐに笑顔を返した。
「もちろんだ。自慢の街だからな、ゆっくり見て行ってくれ!」
ユディは隊長と、固い握手を交わした。




