表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モノガリのユディ  作者: ササユリ ナツナ
第一章 ひとりめ
24/137

24ユディの初陣

「あなたが受けたのは、色の精霊リリケイアの祝福ですね? 道理で目撃証言が出ないわけだ。自由に姿を変えられたのですから。…あの賞金首たちは、皆、あなた一人が生み出した、虚像だったわけですね」


 ユディはとても冷酷に、目の前の女性を見据える。

 レオタードのような体の線の見える服装で、とても身軽な印象を感じた。


「うふふ! 頭のいい子は嫌いじゃないけれど、敵に回ると厄介なのね、知らなかったわ。あのユディアールって子が残ってくれていたら、もうちょっとうまく行っていたのに。昨日は妖精の存在も隠し切れていなかった、ああいう明け透けな子って好きよ」


 くすくすと、赤眼のアレイアと呼ばれる女性は笑う。


「そして―――その通り。アタシは姿も、声『色』も、塗り替えるように変えられる。けれど、瞳の色だけは無理だったのよ。皮肉なものね、色素が少ないアルビノのアタシが、色精霊の祝福を受けているなんて」


「知られたからには、僕を消す流れになるのでしょうか」


「そうね。残念だけれど。日光に弱いアタシは、この光の届かない街で生きていくしかないのよ。この街を住みよくするためなら、何だってやるわ」


「そうですか。…残念です」


 ぱら、とユディは精霊道具の本の適当なページを開く。

 どのページも白紙なのだから、開くページは本当に適当だった。


「あら、それが武器? 面白いのね」


 面白いと言いながら、アレイアからは笑顔が消えている。

 腰元から抜き放った短剣を油断なく構え、何をしでかすかわからないユディの一挙手一投足を見逃すまいとしている。


「どうやら今の僕は、『好き』に指向性が付いた状態のようですね。とても強弱を感じる。優先順位、と言ってもいい」


「……?」


 ユディの意図がわからず、アレイアは不気味そうにその言葉を聞いている。


「つまり、リルハープに手を出そうとしたあなたを、敵だと感じている。たとえ人間でも、僕の大事なものに手を出す者は敵でしかない。そして僕は、敵に対する情が無い。どうやら思ったよりも、殺すことができそうです」


 ユディは、涼やかな顔で微笑んだ。

 その瞬間。

 野生の獣が防御反応をするかのように、アレイアはユディに向けて飛び掛かった。

 そうしなければならないほどに、アレイアは妙な怯えを感じていた。


「<刹那吹いた薫風の中に、冷ややかなきらめきが混じる。またたきの合間に、ユディの周囲に突如として、氷の茨が現れた>」


  バキンッ!!


 アレイアの短剣の一撃が砕いたのは、いきなり目の前に浮かび上がった氷の茨だった。

 それは、夢か幻かを疑うほどに、美しい造形をしていた。


「な…っ!?」


「<次の瞬間、みずみずしい輝きをもって、その茨は細く、繊細なサファイアブルーの針を飛ばした。細く長い針たちは、まるで目の前の乙女の血肉を求めるかのように、その身をぬくもりの中へと溶かしに向かう―――>」


   ヒュヒュッ!


 短剣を振りぬいたばかりのアレイアの身に、幾条もの氷の針が飛んで行った。

 アレイアは何とか身をよじり、急所を外して数本を身に受けた。


「く、うっ!?」


 たまらず、アレイアは後退する。

 文字通りのことが起こった。

 あまりにも得体のしれない攻撃だった。


 その当惑の表情を見て、ユディは冷淡な表情を崩さず、説明をする。


「僕が祝福を受けた精霊は、音精霊タールトット。この精霊道具の本は、この音……いえ、『声』の奇跡を何倍にも増幅してくれるようです。心を込めて発する僕の言葉は、『声を聞いてもらいやすくなる』そうです。つまり今。この世界は、僕の声を聞き逃せない。その通りの現象を、周囲に引き起こしてしまうほどに。土壇場で思いつきましたが、存外うまく行きましたね。この本があれば、僕の音は、言葉は、世界へ影響を及ぼせる」


「そ、そんなの、反則だわ…!」


「そう思うのなら、僕の命を狙うのはやめることをお勧めします。僕としても、無駄な殺生はしたくはありませんからね」


 そう言っている間に、ユディの周囲に浮かんでいた茨は消え、アレイアの身に刺さっていた針も消え失せた。

 しかし傷口は消えない。

 アレイアは傷口を押さえながら、ほのかに微笑んだ。


「強気なのね。砕きたくなるわ」


「お受けします。容赦はしない」


   ヒュオッ!


 投げつけられたのは、必中のシラが使っていた、投げナイフだ。

 ユディはそれを読んでいたかのように、よどみなく声を上げる。


「<投げつけられたナイフは翼が生えたかのように向きを変え、持ち主に刃を向けて戻っていく。ユディはそれを見送った>」


 アレイアは、舌打ちをしながら、横っ跳びにそれをかわす。


「<その瞬間、アレイアは足で床を踏み抜いた。床の一部が腐っていたのだろう、まるでチョキチョキと音を立てて切り出されたかのような、美しい窪みが床に出来上がっていた>」


   タンッ!


 アレイアは、咄嗟に足ではなく、前転をするように、手を床についた。

 ゆえに、床は無事に、アレイアをユディの元へと送り届けた。


「その攻撃の弱点は、言葉を聞いてから行動できることね! タイムラグのある攻撃って、慣れれば攻略は簡単よ!」


 アレイアは膝をついたまま、低い一撃を、ユディの足に向けて放った。

 ユディは微動だにせず、静かにこう告げた。


「<アレイアの一撃は、瞳の赤い女の足に食い込んだ>」


   ザブンッ!!


 アレイアは、自らの足を、短剣で切り裂いていた。


「な、あ…、ああああああ!!!?」


 噴きあがる血と痛みの中で、アレイアは床に転がる。

 ユディは真剣に考える。


「…なるほど。相手の認識を利用する、という手もありなんだね。一種の催眠術みたいなものなのかな? まだまだ検証の余地があるなあ…」


「主!」

「ユディエルさん!」

「ユディ、無事か!?」


 どうやら途中で合流をしたらしい、リコリネ、シグナディル、ユディアールが、一気に戻ってきた。


 そして3人とも、目の前の光景に、驚愕して固まる。


「あ、みんな、おかえり。今からとどめを刺すところだよ。シグさん、心配をかけていましたが、どうやら僕は、人を殺せそうです」


「……、……」


 シグナディルは、自分が安堵するよりも先に、冷や汗をかいていることに気づいた。

 まるで、赤ん坊にナタを持たせたような危うさを、ユディから感じたからだ。


 しかし、それ以上に恐怖を感じたのは、アレイアの方だったらしい。


「ま、まって! お願い、殺さないで! もう襲わないから、騎士団に出頭するから!」


 ピタっとユディの動きがとまった。

 瞬きを一つする。


「……ホントですか?」


「本当よ…!」


 ユディはゆっくりとアレイアの前に片膝をついて、足の傷口に手をかざした。


「……<ユディがアレイアの傷口に手をかざすと、空の欠片のような、うるんだ翡翠色の光が集い、アレイアの傷を治し始めた>、―――っ!?」


 言葉の途中で、急にユディからがくんと体の力が抜け、倒れ込みそうになった。


「主!」


 咄嗟にリコリネが駆け寄って、なんとか手を滑り込ませる。

 ユディの体を、リコリネの鎧の硬い感触が受け止めた。


 アレイアの傷口には、残光のようなうすい緑の明かりが漂っただけで、血は止まったが、傷口がふさがるまでには至らなかった。


「…バカね、祝福の力を使いすぎたのよ。アタシも最初の頃はよくそうなっていたわ。それにしたって、アタシの傷を治そうとしてそうなるなんて……」


 アレイアは、戸惑うようにユディを見ている。

 ユディは、リコリネの腕の中で、弱弱しく、かすれた声を出した。


「だ…って、もう……敵じゃ……ない……」


「……バカね。頭のいい子だと思っていたのに。言葉の上で降参しただけの相手を、そんなにすぐ信じるなんて……」


 アレイアは、何かが喉に詰まったかのように、一度ぐっと口を閉じた。


「……完敗よ。煮るなり焼くなり、好きにしたらいいわ……」


 アレイアは、無抵抗に項垂れた。

 ユディアールは、不思議そうな顔で、ユディたちに近づいていく。


「一体何がどうなってるのさ?」


「リルちゃんが、説明します~~…」


 リルハープが、パタパタとユディの胸ポケットから出てきた。

 ユディアールの手に着地をするが、視線はまだ心配そうにユディを見ている。


 リルハープは、ユディとアレイアの能力や、今までのことを簡潔に説明した。


 リコリネも、ユディアールも、シグナディルも、納得がいったような、驚いているような、そんな表情ですべてを聞いた。


「なるほどね~、それで必中のシラを探しても探しても、全然見つからなかったわけか…。保護色を使われるだけでもお手上げなのに、まさか別人に化けていたなんてね。ま、これで一件落着かな? 面白い戦いができなかったのは残念だけどさ~」


 ユディアールは、まだ少しうずうずしている手をぶらつかせた。


「主、一人にして申し訳ありませんでした、踏みとどまっていただけてよかった…!」


 リコリネは、ユディをいたわるように抱えなおす。

 ユディはもう何も喋れずに、ぐったりしている。


 やがてシグナディルが、うずくまるアレイアと視線を合わせるように座り込む。


「…アレイアさん。俺は、シグナディルという。実は一連の流れで、一点だけ、アレイアさんに聞いておきたいことがあるんだ」


「…?」


 アレイアは、まだ波のように押し寄せてくる怪我の痛みに耐えているようで、シグナディルに視線を向けるだけだ。


「アレイアさん。ひょっとして貴女は、…賞金首の立場を利用しながら、この街を守っていたんじゃないのか?」


 アレイアは、驚いたように目を見開いた。

 いや、驚いていたのは場の全員だったようで、先を促すようにシグナディルを見る。


「俺は様々な街の、色々な賞金首を見てきた。そのおかげで、なんとなく、賞金首が活動しやすい土壌というのがわかるようになってきた。例えばこの街のように、数年は常在する古株のような賞金首が居る場所は、新参者が入りにくい。事実、殺人を犯すような2等級が増えた時でも、すぐに消されている。あれは、アレイアさんがやったんだな?」


「……それは、……そうだけど」


「アレイアさん自身が演じてきた賞金首についても、殺人を犯すような凶悪犯が居ないことが気になっている。特に花火師、ユルリアの存在だ。派手なパフォーマンスのわりに、怪我人が出ていないという話を聞いている。この際だ、内情も全て話してみてはくれないだろうか?」


 シグナディルは、真剣なまなざしで、じっとアレイアを見つめた。

 アレイアは、居心地が悪そうに、視線を逸らす。


「…バカね。何も考えずに騎士団に突き出せばいいのに」


 少しの沈黙が続いた。

 アレイアは観念したように、大きくため息をつく。


「…アタシの生まれは辺境よ。でも、日光に弱く生まれついたアタシを案じて、父がアタシをこの街へと連れてきたの。その時の旅路で盗賊に襲われ、傷ついた父は、何年も前に息を引き取ったわ。それで、少しやけっぱちになっていたの」


 何かを思い出すように、アレイアは時々言葉を詰まらせる。


「……最初は、ただの憂さ晴らしだった。あなたたちみたいな旅人にはわからないでしょうけれど、『いつでも外に出て行けるのに、敢えてそれをしない』ということと、『最初から外に出ることができない』というのは、天と地ほどの違いがあるのよ。この街で暮らしていくしかないアタシは、鬱屈した思いを羨望と共に吐き出す方法を、ようやく見つけた。それが、賞金首ごっこだった」


 アレイアは、床の一点を見つめたまま、話を続ける。


「色精霊の祝福自体が、あまり知られていないほどに少数だったため、正体なんて絶対にバレっこないし、純粋に楽しかったわ。きっと舞台演劇ってああいう感じなのね。精霊の祝福の使い方も、剣術も、ナイフ投げも、火薬草の育て方も、たくさんたくさん練習したわ。すごく充実した毎日だった。そうやって遊んでいるうちに、ある日、近所のおばさんが通り魔に殺されたの。別に仲がいい人ってわけじゃなかったんだけどね。でも…。アタシのテリトリーを、無遠慮に掻きまわすような存在が居ることが、許せなかった」


 アレイアは、その時の感触を確かめるかのように、じっと手の平を見る。


「もともと盗賊のようなタイプには恨みがあるし、アタシの力は、悪い奴を懲らしめるためにも使えると気づいたら、もう実行あるのみだったわ。でも、手加減ができるほど、アタシは強くなかった。この力を使って不意を狙っては、全力で殺すしかない。ただのそれだけよ。別に、守っているなんて綺麗な言葉を使えるようなことはしていないわ。死ぬ覚悟もなかったしね。大きな怪我をしてみて実感したわ。アタシの牙は、こんなにも脆かったのね、って」


 アレイアは顔を上げると、自嘲気味に笑った。


「それに、そこの妖精ちゃんをペットにしてやろうと思った事実は変わらないわ。ユディアールって子が、どうしてポケットに話しかけているのか、不思議だった。近づいてその綺麗な羽が見えた時、どうしても欲しくなったの。お日様って、きっとそんな色をしているんだわ…って、一度でも思ってしまったらダメね。結局アタシには、太陽なんて手に入らないようにできているのね」


 リルハープは、自分に向けられた羨望のまなざしに戸惑うように、一度羽を震わせた。


「…そうか。話してくれてありがとう。話しにくいことでもあっただろう。…失礼する」


 そう言うと、シグナディルは、アレイアを抱き上げた。


「…!?」


 アレイアは驚いたようにシグナディルを見上げたまま、硬直する。


「その怪我だと動くのも大変だろう。このまま騎士団の詰め所に連れて行かせてもらう」


 その動きに合わせて、リコリネもユディを抱き上げようとした。

 ユディアールが、慌てて止める。


「待ったリコリネちゃん!? リコリネちゃんのその硬さじゃユディがかわいそうだ、オレが背負うよ!」


「!! …硬……い……」


 リコリネがガーンとなっているのが、鎧の上からでもわかった。

 しかしユディも今は喋る気力が無いため、なすがままにユディアールの背中に寄り掛かる。

 リルハープは心配そうにくるりと一度旋回すると、仕方なくユディアールのポケットに入っていく。


 全員で騎士団の詰め所に向かう途中、道行く人々が、この満身創痍な集団を、何事かと振り返って行ったのは言うまでもないだろう。



-------------------------------------------



 事情が事情だけに、シグナディルは、まずここの騎士団の隊長格との面会を求めた。

 しかし先程の花火による爆音騒ぎで、隊長は見回りに出回っているという返答を受けた。


 しばらく待たされてから、生真面目な感じの中年男性が、急いでやってくる。


「お待たせした、ついに賞金首を捕まえたんだって?」


 よほど急いできたのか、息を切らせながら、いきなり本題に入ってきた。

 シグナディルは、「話せば長くなるが」と言い置いて、事情をすべて説明していった。

 アレイアが吐露したことまで、すべてを。


「…というわけで、ここの賞金首は、すべて同一人物による犯行だったわけなんだが、同時にそれは街を守るための手段でもあったんだ。確かに罪は罪ではあるし、俺にはお上が下す処罰に口を挟む権利はない。だから、まずはきっちりと相談をさせて貰いに来た。なんとかならないだろうか?」


 情報の洪水に、隊長は目を白黒させながら、まずは「ううむ」と唸った。


「あなた、何を考えているの? あんなに情報集めに苦労していたんだから、大人しくすべての賞金を貰えるようにすればいいじゃない…!!」


 お縄になったアレイア自身が、その内容に溜まらず口を出した。

 しかしシグナディルは、真面目な顔で首を振るう。


「善行は善行、悪行は悪行だ。貴女はどちらもやっているから、話が難しくなっているというだけのことだ。俺としては、貴女がこれからも街を守り続けることで、罪を償う機会がもらえれば、それが一番いい形だと思っている」


「ま、諦めなよアレイアちゃん~、コイツはこういうヤツなんだって」


 ユディアールはのんびりと、琥珀色の瞳を細めて笑った。

 隊長は、もう一度唸り声を上げた。


「……申し訳ないが、すべてが同一犯という段階から、あまりにも前例がない事態のため、今すぐこの場で決定を出すわけにはいかない。本部に伺いを立てる時間を貰えないだろうか? 最短でも、一週間以上はかかってしまうが…」


「俺としては、構わない。ユディエルさんたちはどうだ?」


 リコリネは、静かにユディアールが背負っているユディを窺う。

 ユディは、こくんと頷いた。

 隊長は、少し安堵したように息を吐く。


「それから、何か身分を証明できるものをお持ちではないだろうか? それがあれば、かなり話が早くなるのだが」


 シグナディルとユディアールは、顔を見合わせるだけだ。

 ユディがピクリと動いて、リコリネはそれを察したかのように、ユディの肩掛けカバンから紙の一枚を引き抜いた。


「これを。叡智の街の賢者の卵、ライサスライガが、我々の身元の証明を引き受けてくださいました」


「おお、見習いといえど、賢者となればかなり有利になる! ひょっとしたら、君たちの望み通りの結果にできるかもしれない! では、少し待っていたまえ、こちらの都合で引き留めるのだからな、本日以降の宿代を肩代わりする旨の書類を用意しよう! ただ、賞金首に関しては、まだ丁重に扱うわけにはいかない。怪我の治療はさせてもらうが、しばらく牢の中で過ごしてもらうことになるぞ」


 隊長がアレイアを窺うと、アレイアは何かを我慢するように、小声でつぶやいた。


「…構わないわよ。もう、温情なら、一生分受けた気がしているわ……。バカな旅人に見つかったものね。本当に、バカ……」


 アレイアの声は、震えていた。


「こちらとしては、アレイアさん関係の賞金が支払われない事態になっても別に構わないつもりでいる。その、破砕の跡もあるからな……。だがその分、滞在期間中に、害をなす獣や昆虫を狩るつもりでいるから、賞金を受け取る時にまた世話になる。よろしく頼む」


 真面目に告げるシグナディルの言葉に、隊長は笑った。


「そうか、助かるよ。騎士団も現状は、わざわざ獣を狩りに郊外に出られるほどには、人手が足りてはいないからな。今すぐ君たちをスカウトしたいくらいだ」


「残念ながら、俺たちは集団行動には向いていなくてな。隊長殿に一目置かれたという事実だけは、ありがたく受け取っておくよ」


 シグナディルは、冗談めかして笑い返す。


「あ~あ、疲れた疲れた、早く宿屋に行こうぜ~」


 ユディアールはいつもの調子で、話を打ち切り、踵を返す。


 シグナディルとリコリネは、「では、失礼する」と同時に一礼し、ユディアールを追いかける。

 ユディは心地よい疲れの中で、眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ