05 ミッキー
俺は店員が籠にたくさん入れた商品から、必要な物を選んだ。最低必要な物だけを選んだつもりだ。
俺が選んでいる間に、犬が出てきた。ふわふわになっていい匂いをさせて、頭にリボンなんかつけて・・・
「お名前は?」と言われて
「山本です」と答えて、あっ犬の名前かと思った。
「ミッキーです」と自然に答えていた。
生まれる前に逝ってしまった娘の名は美紀。なぜかその名前をあの子につけていた。男の子だし、犬だし・・・
だからあの子の名前はミッキー。
美紀ちゃん。生まれていたらいくつに・・・
やめ!やめだ。
妻が三人目を妊娠した時、子供二人は大喜びをした。
「赤ちゃんが欲しい」と二人が声を揃えてねだってくるようになった時だった。
妊娠して妻の具合が悪くなると二人は気味が悪いくらいお利口になった。
妻は順調だった。俺は上司が対応を間違えた案件で先方に謝罪に行くことになった。
「どうして俺が」と思ったがサラリーマンの悲しさ。準備して、電話で平謝りをして顔を合わせて詫びる約束を取り付けた。さぁ出発と言う時、妻が流産した。
俺は出張を取りやめた。信頼している部下に頼み込んで行って貰った。
これで俺は出世コースから外れた。代わりに行った部下は上手く謝罪が出来た。この部下は俺を追い越して出世していった。
だが、俺は後悔していない。妻がまた笑うようになった日は一人でこっそり乾杯した。
「ミッキーちゃんって言うんですか。本当にミッキーちゃんですね」と店員が言うのを聞いて笑顔でお礼を言った。
「えぇ最初にこの子を見た時、ミッキーちゃんだ」と思いました。とすらすら答えた。
経験豊かなおじさんはこれくらいの対応は出来る。だが、おじさんは会計の時、大変驚いた。
ミッキーはさっそく首輪をつけてやると、すごく可愛くなった。犬らしくなった。すごく可愛いい犬らしくなった。
それから二日俺は有休を取った。この子を家に一人で置くのが心配だったからだ。
二週間に一度はペットショップに行ってシャンプー、カットをして貰った。正直、俺の頭よりミッキーの方がお金がかかっているが、そんなもんだ。
ペットショップで見たドッグランに行って見た。
ミッキーは、はしゃいで走り回っている。大きな犬があの子に近づいた時は心配のあまり駆け寄ったが、大丈夫だった。逆にミッキーがはしゃいで申し訳なかった。
ネットで調べた温泉リゾートに予約を入れた。
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