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たくさんのおみやげ  作者: 朝山 みどり


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04 桜と柏と・・・

うちの庭には桜と柏が植わっている。狭い所に不釣合いに大きく育った。


娘が生まれた時、桜を。息子が生まれた時、柏を植えた。深い意味はない。たまたま店に在ったのを買って来ただけだ。

ただ、子供が生まれた時はなにかしてやりたくてそれが木を植えると言う行為になった。


休みの日はなんとなく庭の木を見て過ごす。すると子犬が庭に入ってきた。野良犬とは珍しい。


それにどこから入って来たんだ? いきなり木の間をうろうろしているが・・・


俺が見ているのに気がついたようだ。少し警戒していたが、意を決したように近づいてきた。

一生懸命尻尾を振っている。

 

野良犬は腹を空かしていると相場が決まっている。俺は朝の残りのご飯に味噌汁をかけると犬の前に出した。


犬は器を一生懸命みているが、待っている。参ったな・・・お利口だ。



「よし」と言うと器に飛びついてがつがつを食べた。食べ終わると器を舐めた。一生懸命舐めている。


「そろそろ犬を飼いましょう」妻はそう言った。

確定していることのような口ぶりだった。


「子供には犬が必要よ」と俺の意見は無視かよと思ったが賛成していた。

すぐにでも買うつもりだったが、短期ながら単身赴任したり海外出張が多くなって延ばし延ばしになって、なんとなく買いそびれたなと思い出した。



でも今、目の前の犬を見ていると、あのとき飼っていたらどんな日々だったのかを想像してしまう。

庭で走り回る息子。犬と寄り添う娘。妻が笑っている。

そんな未来があったかもしれない。

だが、もうその「もしも」は叶わない。

俺は静かに息を吐いた。

犬はもの問いたげにこちらを見ている。


俺は決めた。この犬を飼おう。そう決めると犬を抱き上げた。犬は臭いとわかった。


俺はペットショップに電話を入れた。





ペットショップの自動ドアが静かに開いた。

餌やリード、犬用ベッドが整然と陳列されている。店内には微かに牧草のような匂いが漂っていた。


俺を見て店員がやって来た。


「山本様ですか?」

「はい。この犬をさっき」

「はい。いい子ですね。どうしましょうか?シャンプーしますか?かなり汚れてますが」

「は・・・はい。お願いします」


俺は犬を店員に渡した。犬はおとなしく店員に抱かれてドアの向こうに消えた。


犬のシャンプーってどれくらいかかるのだろうか?確認しておけば良かった。

ここを離れるのも心配だから、店をうろうろとした。


先ほどの店員がやって来た。


「山本様、初めてですか?」

「はい」

「最低、どういうのが必要なのかお話しますね」

彼女は柔らかく言うと


「まず、首輪。あの子に似合いそうなのはこう言った物でしょうか?実際にあてて見るのがいいですね」と言いながら、自分の手に持った籠に首輪を二本入れた。


「お散歩用のリードはこれくらいでしょうか?」

「はぁ」

「ブラシ」

「は?」

「えーーと毛がもつれないようにブラッシングが必要ですね。大抵の子が好きですよ」

「はぁ」

「フードはまずこれですね。お湯でふやかして下さいね。これを器にいれてお湯を注ぎます。お湯が冷めた頃、柔らかくなっていますので」

ペットにお金をかけると言う風潮は知っていたが・・・


予想以上の世界だ。

誤字、脱字を教えていただきありがとうございます。

とても助かっております。


いつも読んでいただきありがとうございます!

楽しんでいただけましたら、ブックマーク・★★★★★をよろしくお願いします。

それからもう一つ、ページの下部にあります、「ポイントを入れて作者を応援しよう」より、ポイントを入れていただけると嬉しいです。


どうぞよろしくお願いいたします。



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