03 その後の日々
家に帰ると、静寂がそこにあった。
玄関を開けても、誰の声も聞こえない。夕飯の匂いも、子供たちの足音も、妻の優しい声もない。
ただ、がらんどうの空間が広がる。
冷蔵庫を開けた。中はほぼ空だった。昨日、適当に買った弁当の残りがあるだけ。手を伸ばしたが、食欲は湧かず、扉を閉める。
ダイニングの椅子には誰も座っていない。息子がよく読んでいた漫画も、娘が置きっぱなしにしていたスケッチブックも、もうない。
俺は家の中を歩く。部屋は広く感じる。いや、元々こうだったのかもしれない。ただ、以前はこの空間を埋めるものがあった――家族の気配。
それが消えた今、ただの空洞だ。
仕事では、何も変わらなかった。
「課長、明日の会議の資料ですが……」
「修正点、チェック済みですか?」
「はい、すぐに確認します!」
部下たちは俺を頼る。俺はいつも通り指示を出し、冷静に仕事をこなす。いつも通りの上司、いつも通りの職場。
「課長、本当に助かります」
感謝の言葉を受けながら、俺は微笑んだ。
そうだ。俺はまだ、頼れる上司でいなければならない。
何も変わらない、そう振る舞わなければならない。
だけど。
仕事が終わると俺はただ、がらんどうの家に帰るだけだった。
◇◇◇◇◇
いつも綺麗な課長の机。出来る男の机はこうなんだろう。
課長は静かで落ち着いているのに、すぐに判断してすぐに指示をくれる。
そして机に置かれた写真はこの三年変わっていない。わたしが入社した時からずっと同じだ。
前に取り替えないのかって聞いた時
「一番可愛い時の写真だからね」と笑って答えてくれた。
課長でも子供を叱ったりするのだろうか?
うちの弟は昨日、怒鳴り散らして晩ご飯を食べずに出て行ったが、九時すぎにお腹を減らして帰って来た。
間抜けなやつだ。
課長さんの息子さんもゲームのやりすぎで叱られるのかな?
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