久しぶりの集まり
「いや、俺もライン、送ったんだけど既読になんねーの。ちょっと心配なんだよな」
「だよな。俺も送ったんだけど、既読になんねーの」
俺はビールを一口飲みながら言った。
「私もさ、うちらのグループライン、シュンだけ既読つかないじゃん。だから私も心配
になって個別でライン送ったんだけど、やっぱり同じ。未読のまま」
サエが言った。
「私も心配してたけど、送ってない」
リエが言った。
「いや、送れよ」
ヒロがつっこむ。
「私、今連絡するわ。電話してみる」
リエがスマホを出してシュンに電話をかけている。
「コール音はなるけど・・でない感じ」
「まじか。なんか大丈夫か?あいつ・・」
「ちょっと心配じゃない?」
リエが電話を切ってスマホを机に置いた。
「つか、ガチで心配なって来たわ」
俺は飲み干して空になったグラスを置いて言った。
やっぱり、シュンは誰とも連絡をとって無いようだ。
ネットニュースを思い出した。
【自粛による自殺者の増加】
いや、シュンに限って・・。
***
「やっと終わったー。話し長すぎなんだよな」
予定していた時間よりも長引いた会議がようやく終了し、
パソコンに表示された、勤怠管理システムの退勤ボタンを押す。
着ていたシャツを脱ぎ、ネイビーのユニクロのロンTに着替え、マスクをつけ、
玄関に向かった。
もう、あいつらは着いてるだろうか。
シュンは大丈夫だろうか。
俺はエレベーターの中でシュンに電話をかけた。
コール音が鳴り続け、やがて留守番電話に切り替わった。
俺は電話を切り、昨日から連絡が無いマイにも電話をする。
『電波の届かないところにおられるか、電源がはいっていないため、お繋ぎできません。』
マイまでどうしたんだよ。
まぁ。マイは一日くらい返事が無いだけだから、深く考えなくてもいいか。
今日あたりに連絡が来るだろ。
そんなことを思いながら、俺は駐輪場に停めている自転車に乗り、
最速でシュンの家に向かっていた。
自粛のせいで普段よりも、かなり人通りが少ない。
俺は自転車を漕ぎながらシュンのことを思い出していた。
最後にシュンと二人で飲みに行ったのは自粛の二ヶ月くらい前で、海鮮が上手いって、評判の店だった気がする。
酔いが回った時にふとシュンが言った言葉。
「俺さ、実は転職活動中なんだよな」




