内
数分後、スマホで置き配お届け完了の通知を確認してから玄関に向かい、ドアを開けた。
ドアの取っ手に白いビニール袋がかけられていた。
人がいた気配みたいなものをを感じる。
実際には対面で会ったことはないけど間接的に、俺とこの配達員は今日、接している。
吊るされたビニール袋手を取り、ドアを閉める。
ビニール越しにほんのり串焼きの温かさが伝わる。
俺は皿を取り出し、袋から出した、タコワサと鳥の串焼き、出しまきを並べる。
冷蔵庫からビールを取り出しグラスに注いだ。
パソコンの画面をクリックする。
五個に区切られた四角い箱が現れ、その箱の中に見慣れた顔が並べられた。
「お疲れー」
俺はそう言ってグラスを少しあげた。
***
「あっ、ここ行ったよな」
俺はテレビに映る映画『アバウトタイム』のワンシーンを見ながら
スマホに映るマイを見た。
「あぁ、行ったね。懐かしー。ここでカフェしたね」
去年二人でイギリスに旅行に行った時に、行ったカフェが映画に登場している。
俺はコンビニで買った塩バターのポップコーンとコーラを机に置いて
つまみながら映画を観ていて、
スマホの画面越しには、マイがラムレーズンのハーデンダッツのアイスを食べている。
「自粛が終わったらまたヨーロッパ行きたいね」
「うん。行こう」
そう言って俺はコーラを一口飲んだ。
*****
ナイキのランニングウェアを着て、朝ランをするために家を出る。
走る前に軽くストレッチし、アップルウォッチをランニングモードに設定する。
まだ少し肌寒い朝の空気は、その寒さで気が引き締まるような、修行をするような、そんな気分になる。
カラスの鳴き声が聞こえたのと同時に、俺は走り出した。
***
通っていたジムが自粛により閉店し、そのジムに週三で通っていた俺は、ジムで身体鍛えたい禁断症状が
でてきていた。
身体動かしてー!
そう思いながら、何気に見ていたユーチューブのサムネイルに
【家でできるガチの筋トレ】と表示されるものをを見つけてしまった。
反射的に俺はそれをクリックしていて、気がついたらアマゾンで筋トレ機器とプロテインを購入していた。
【上腕二頭筋に効くトレーニング方法!】
俺はその動画を見ながら、上腕二頭筋に負荷をかけ、鍛えていく。
「うわ、きつっ・・」
「よし、後、十秒・・」
「はぁー」




