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世界にダンジョンができたせいでセミリタイアに失敗した男、冒険者になって無双  作者: 椎名 富比路
第五章 FIRE失敗民、最後の戦い!?

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第60話 生成AI対策

「威勢がいいのはいいけどさ、この数をどうやって倒しきるかね?」


「たしかにね」


 これだけの数のムルルを倒すのは、至難の技だ。


『ロニちゃん、聞こえる?』


「マリエ!」


 端末を通じて、マリエから連絡を受ける。


「どうすればいい? 敵が、ものすごい数。精霊たちでも、捕まえられない!」


 ロニは、事情を説明した。

 

『わかったわ。生成AIね。だったら、対策は簡単よ』


 マリエから、アドバイスを受ける。「地球のテクノロジーを学ぶなら、ミツルより自分が適任だ」、と。


「あんたはすごいよ、キャトレイ。性根は腐っても、スキルまではザビついていない。この根性を、他に活かせばよかったのに」


「アタイを受け入れてくれる場所なんて、どこにもないさ。冒険者ギルドって言っても、まだまだ平等ってわけじゃない。どんな手段を使っても、のし上がるしかないのさ!」


 配信者となったのも、手っ取り早く稼げると思ったからか。


 そんなはずがないのに。まだ、夢にすがりついているとは。


「それでも、あんたの負けだよ。キャトレイ。【レイジ・オブ・エレメンタル】!」


 ロニは、ムルルたちに向かって精霊の雷撃を放つ。


「また、バカのひとつ覚えを……なんだと!?」


 AIムルルが、キャトレイを見殺しにした。


 精霊の雷撃をすべて喰らい、キャトレイが悶える。


「ど、どうして、勝手に避ける! アタイを守れよ!」


「ムリだよ。AIってのは、覚えたとおりにしか動かない」


 なまじ知性があるだけに、クセを植え付けるのが容易なのだ。


 何列もの雷鎚は、AIキャトレイたちを捉えた。

 シュリによって鍛えられた、とっておきの雷撃だ。威力は、申し分ない。

 たとえかわされたとして、どこまでも追い詰める。


「でもね、正確無比なガードで、アタイにはまったく攻撃は通らないよ!」


 それは、どうか?


「レイジ・オブ・エレメンタル!」


 全力の雷撃を、「AIのほう」へ叩き込んだ。


「一体ずつ倒すつもりかい?」


「そうじゃない」


 AIのムルルたちが、自慢のデコった爪で雷を弾く。


 弾かれつつも、ロニは雷撃をコントロールした。


 電撃は、なおもAIムルルに向かっていく。


 そのたびに、ホムンクルスたちは爪で弾き飛ばした。


「なにさ、一体も倒せ……がはあ!」


 キャトレイの背後に、雷撃が直撃する。


「バカな!? どうしてアタイに!?」


「あんたの配下の防御が、正確無比すぎるんだよ!」

 

 ちょっと軌道を変えてあげただけで、本命の敵を狙ってくれるのだ。



 この戦法はかつて、ミツルがアンドラス相手に繰り出したスキルである。ヒガンと戦っているフリをして、アンドラスの首をヒガンのスキルで跳ね飛ばした。



「こんな芸当を教えてくれたのは、キャトレイ! あんたが散々バカにした男だよ!」

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