第46話 コンパニオンの装備更新
コンパニオンの装備に使う素材も、大量に入っていた。
ゲームをしていたときは、コンパニオンの強化なんて、頭になかったな。
「ちょい待ってくれ、ミツル」
「どうした、オーゼ」
「刀を装備できるクラスには、【侍】ってのがあるやんけ。そっちには、ならへんのか?」
「あーっ、ならない」
たしかに、刀といえば【侍】という発想が湧くだろう。
しかし、【フュージョン・ワールド】の侍は、【忍者】をちょっと強くした程度である。
「刀を持てるってだけで、本質的には忍者と変わらん。攻撃も防御もスキル頼みで強いが、装備に制限がかかる」
軽い装備しか持てなくなる上に、スキルに依存する頻度が忍者より多い。強いことは強いのだが、すぐに魔力が枯渇するだろう。
「刀を持っているのに、素手のほうが強くなっていくとか詐欺だろうが」
「それはアカンな」
「まったくだ。アカン、アカン」
このゲームにおいて、侍はいわゆる『罠クラス』なのである。
それに、【フュージョン・ワールド】自体が、『装備品にスキルをセットする』遊び方だったのだ。
オレがそれを知ったのが、クリア後だったんだよな……。
また、コンパニオンをないがしろにしたのは、まずかった。コンパニオンのレベルが、シナリオ進行度でアンロックされるなんて。
それを知っていたら、もっとオーゼなどのコンパニオンを大事に育てていたっつーの。
「まあ、そういうわけだ。装備品の更新といこうぜ」
念願のコンパニオンの強化が、いよいよ実現する。
もりもりに、強くしてもらおーっと。
「せやな。まずは、槍を売却するで」
「いいのか?」
オーゼのクラスは、【ナイト】である。このゲームでナイトと言えば、槍ってイメージが強い。
いきなりオーゼがアイデンティティを捨て去るような発言をしたので、オレは驚いてしまう。
「盾持ちが、必要になったさかい。【イージスの盾】と、片手斧を装備さしてもらうで」
ちょうどいい斧を、【アンドラス】からゲットしたそうだ。
「この【破邪の大斧】を、強化してくれ」
「あいよー」
オーゼがシュリに頼んで、素材で強化してもらう。
「全身ヨロイの【ヒドラスーツ】も、素材を用意してくれたら【ヒドラアーマー】にグレードアップするからなー」
ヒドラアーマーになれば、対魔法防御が格段に上がる。毒だけではなく、混乱や睡眠、魅了など、あらゆる状態異常にも耐性がつく。
オーゼの筋力なら、使いこなせるはずだ。
「助かるで。おおきに。素材を集めたら、強化してや」
ヒドラスーツをヒドラアーマーにするのは、当分先の話になるだろう。が、完成が楽しみだ。
続いて、ロニの番だ。
「そういえば、ロニ。この装備さ、名称がついているはずだろ? なんで呼ばないんだ?」
「カンジが、読めないんだよ」




