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世界にダンジョンができたせいでセミリタイアに失敗した男、冒険者になって無双  作者: 椎名 富比路
第四章 FIRE失敗民 幻の財宝を求めて

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第45話 クラスチェンジ

 ひとまず、クラスのリストをチェックしておくか。


 

 

【魔法戦士】……物理攻撃と魔法とを、同時に使いこなす戦士。

 筋力が衰えないため、重い装備もそれなりに装着可能。

 

【忍者】と違って、素早い動きは困難である。手先も器用ではないため、クリティカル発動も運任せ。



 

 忍者になると、もともと備わっているパッシブスキル【会心の心得】によって、三回に一回はクリティカルが出る。


 魔法戦士のクリティカル発動率は、七回に一回くらいだ。だから【ヘビーアタック】や【天啓】のような、アクティブスキルがある。装備に助けられることも、多い。


 それでも、装備ペナルティがなくなるのはいいな。

 忍者だと、装備が限られる。素手が一番強くなるのだが、必要なレベルは六〇もあるのだ。とても育てていけない。

 

 どうしてこんなムチャクラスを育てようとした、かつてのオレ!?

 あ、時間ができるからか。無職になれると、本気で思い込んでいたもんな。当時は。


 なのに、ゲームのほうがサ終しやがった。トレハンして、リアルマネーで売り飛ばすオレの計画が……。


 おっと、昔話はもういいか。


「魔法戦士、なります!」


 オレは、クラスチェンジの許可を出す。


「おめでとう、ミツル君。これでキミは、魔法戦士だよ」


 ギルドカードが、更新された。プレートの金属部分が、ちょっと豪華になる。


「ミツル、なんか見違えたみたい」


 ロニが、今のオレの状態について、感想を述べた。


「ヒガンを取り込んだからかな?」


「それもあるかもだけど、若返った、って言えばいい?」


「どうだろうな。腰痛は直った気がするけど」


「これを見て」


 手鏡を用意して、ロニがオレに見せてくれる。


「メイク道具なんて、持っていたんだな?」


「マリエがくれたのっ。それより、ほらっ」


 やや照れくさそうに、ロニが鏡を見せてきた。


「はいはい……うーん、シワは取れてるかもな」


「雰囲気が、いつもと違う。活力に溢れている感じ」


 オレは、自覚がないんだけどな。


「オーゼは、どうだ? オレになんか変わったところとか、わかるか」


「どうやろう? ワイには男の特徴なんて、いちいち覚えてへんし」


 だよね。オレもそうだもんな。

 

「こんなボロ刀に、そんな効果があったとはな」


 シュリも、驚いている。


「ここまでボロい刀の復元には、本来なら二〇〇種類の素材が必要なんだぞ。それを一瞬で集めてくるとは」

 

「ヒガンが拾ってきただけだ」


「ただ、復元できたのは刀身だけだぞ。柄や鞘も、そのうち強化が必要になってくる。そのための素材は、ここにはないんだぞ」


「わかった。集めておく」


 防具の更新も、ない。広いもので揃えただけだ。素材で多少、強化してもらったが。


「じゃあ、ロニとおっさんの装備も、強化しといてやる」


「頼む」

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