第45話 クラスチェンジ
ひとまず、クラスのリストをチェックしておくか。
【魔法戦士】……物理攻撃と魔法とを、同時に使いこなす戦士。
筋力が衰えないため、重い装備もそれなりに装着可能。
【忍者】と違って、素早い動きは困難である。手先も器用ではないため、クリティカル発動も運任せ。
忍者になると、もともと備わっているパッシブスキル【会心の心得】によって、三回に一回はクリティカルが出る。
魔法戦士のクリティカル発動率は、七回に一回くらいだ。だから【ヘビーアタック】や【天啓】のような、アクティブスキルがある。装備に助けられることも、多い。
それでも、装備ペナルティがなくなるのはいいな。
忍者だと、装備が限られる。素手が一番強くなるのだが、必要なレベルは六〇もあるのだ。とても育てていけない。
どうしてこんなムチャクラスを育てようとした、かつてのオレ!?
あ、時間ができるからか。無職になれると、本気で思い込んでいたもんな。当時は。
なのに、ゲームのほうがサ終しやがった。トレハンして、リアルマネーで売り飛ばすオレの計画が……。
おっと、昔話はもういいか。
「魔法戦士、なります!」
オレは、クラスチェンジの許可を出す。
「おめでとう、ミツル君。これでキミは、魔法戦士だよ」
ギルドカードが、更新された。プレートの金属部分が、ちょっと豪華になる。
「ミツル、なんか見違えたみたい」
ロニが、今のオレの状態について、感想を述べた。
「ヒガンを取り込んだからかな?」
「それもあるかもだけど、若返った、って言えばいい?」
「どうだろうな。腰痛は直った気がするけど」
「これを見て」
手鏡を用意して、ロニがオレに見せてくれる。
「メイク道具なんて、持っていたんだな?」
「マリエがくれたのっ。それより、ほらっ」
やや照れくさそうに、ロニが鏡を見せてきた。
「はいはい……うーん、シワは取れてるかもな」
「雰囲気が、いつもと違う。活力に溢れている感じ」
オレは、自覚がないんだけどな。
「オーゼは、どうだ? オレになんか変わったところとか、わかるか」
「どうやろう? ワイには男の特徴なんて、いちいち覚えてへんし」
だよね。オレもそうだもんな。
「こんなボロ刀に、そんな効果があったとはな」
シュリも、驚いている。
「ここまでボロい刀の復元には、本来なら二〇〇種類の素材が必要なんだぞ。それを一瞬で集めてくるとは」
「ヒガンが拾ってきただけだ」
「ただ、復元できたのは刀身だけだぞ。柄や鞘も、そのうち強化が必要になってくる。そのための素材は、ここにはないんだぞ」
「わかった。集めておく」
防具の更新も、ない。広いもので揃えただけだ。素材で多少、強化してもらったが。
「じゃあ、ロニとおっさんの装備も、強化しといてやる」
「頼む」




