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世界にダンジョンができたせいでセミリタイアに失敗した男、冒険者になって無双  作者: 椎名 富比路
第四章 FIRE失敗民 幻の財宝を求めて

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第43話 ヒガンの力を、取り戻す

「バカな。ヒガンの攻撃が、オレサマに」


 頭だけになったアンドラスの目が、光を失う。


 どうやら、勝ったようだ。

 

「危ねえ」


 ズタズタになったシールドを投げ捨て、オレはため息をつく。


 オレに向けてヒガンが攻撃を放ったとき、オレはとっさに落ちていたシールドを手に、アンドラスに向けて攻撃をそらしたのだ。シールドの落下ポイントまで、ヒガンを追い込んだのである。


「すごいね。ミツルは。ホントに、強い」


「強いもんか。オレは、最善を尽くしただけだ」


 最重要だったのは、オレがヒガンを倒して力を取り戻すことではない。

 絶望的な局面を、切り抜けることだった。


 アンドラスに苦しめられているロニたちを無視して、ヒガンを倒すことに専念することも、できただろう。


 だが、オレ一人が強くなったって、守る相手がいなければ意味がない。

 オレは仲間を助けたくて、強い力を求めた。

 単に力がほしいだけなら、ソロ狩りで経験値を稼ぐさ。ロニたちコンパニオンを雇うなんてマネはしなかった。


「あーあ。ヒガンも、呆れちまったようだ」


 アンドラスの死体を見ながら、ヒガンは立ち尽くしている。


「オレは、落第だろうな。相手の力を利用して勝つようなやつは、失格だ」


「ミツル、そうとも限らんのとちゃうか?」


 オーゼも、ヒガンを見ながら呆然としていた。


「んだよ、オーゼ……んっ?」

 

 光の粒子となって、ヒガンが消えていく。


 ヒガンの粒子が、オレの方へ流れてきた。


「わわわ、なんだ?」

 

 オレの体内に、ヒガンだったものが入り込んでくる。


[過去の自分との戦い:達成しました。【ノーマルモード】時代のヒガンのステータス

や所持品が、手元に帰ってきます]


 ホントだ。ノーマルモードのスタッシュ……倉庫用の宝箱まで、戻ってきやがった。当時に売りそびれたアイテムとか、そのままだ。

 使うか売るか迷って、倉庫に寝かせていたんだよなぁ。


「素材アイテムとかも、そのまんまだな」


 おいおい、うれしいねえ。クリアした実感なんて、全然ないのによぉ。


「どういうこった?」


『おそらくですが、あなたの機転を利かせた行為が、ヒガンにとってベストだと判断されたのでしょう』


 ヒガンの力を利用して、敵を倒したことが、か?


『ただ自分を倒すことだけが、ヒガンの希望ではなかったのでしょう。もし、あなたが仲間を見殺しにして、自身の強化を優先するような人間だったら、ヒガンも力を与えようとはしなかったのかもしれません』


「そう言い切れるかい、キナ子?」


『ワタクシがヒガンなら、そう判断いたしますよ』


 なるほどね。

 

 それはそうと。


「伝説の刀ってのは? それを探すために、このダンジョンに入ったはずだぜ」


 素材は大量に、手に入った。ヒガンがドロップしたスタッシュを含めて、かなりの大収穫である。

 だが、お目当てのアイテムはどれだ?


「私のスキルと、ヒガンのことなんじゃないかな?」


「たしかにな。攻撃力だけで言ったら、かなりのパワーアップだ」


 なんせオレは、もう一人分のステータスを得ている。サブジョブがひとつ、完成したようなもんだ。


「ヒガンが伝説の刃だ」というなら、信じるかも。


『ミツルさん、その武器なのでは?』


「ん、これか?」


 オレは、地面に突き刺さっている、ボロボロの刀を引き抜いた。

 

「これが伝説の刀、なのかねえ?」

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