表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界にダンジョンができたせいでセミリタイアに失敗した男、冒険者になって無双  作者: 椎名 富比路
第三章 FIRE失敗民、違法ダンジョンをぶっ壊す

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/68

第27話 魔王の使い ヒドラ

 悲鳴のような雄叫びを上げながら、ヒドラは多頭の首をぶん回して暴れまくる。


 ヒドラの暴力によって、ダンジョンが崩れ始めた。


 オークも騎士たちも、ガレキに飲まれていく。それだけじゃない。ダンジョン内の魔素まで食ってやがった。これでは、違法ダンジョンがあった痕跡もなくなってしまう。


「ほんとに用なしかよ!?」


 不要になった違法ダンジョンを、こうやって潰しているのか。


 まったく、証拠が残らないわけだ。

 

「くそ、アイザック、仲間たちを避難させろ!」


「よっしゃ! こんなんが相手やと、ワシは役立ちそうにない。頼むで」


 切り替え早く、アイザックは自分の役割を心得る。


「お前ら、逃げんかい! ここはもう、あかん! 逃げ遅れた冒険者を、保護せえ!」


 的確に指示を送り、アイザックは騎士たちの動揺を抑え込む。 


「ミツル、妖精たちが!?」


 強制労働させられていたのか、妖精たちが逃げ回っていた。


 エネルギーの塊である妖精たちは、ガレキの下敷きになったとしても、別段死ぬわけじゃない。


 だが、妖精たちの魔素自体は枯れていく。死にはしないが、復活のためにまた魔素を使うからだ。


 なにより、寝覚めが悪い!


「助けるぞ!」


『援護致します。この【ロックウォール】で』

   

 キナ子が土魔法で、妖精たちを守る壁を作る。


「だらあ! 喰らえ!」


 オレはキナ子が作った土壁を駆け抜けた。ヒドラの頭より、上を取りに行く。


 火と氷、どっちの魔法が効くんだ?


 炎のブレスを吐いて、ヒドラが逃げるオークや騎士たちを焼き尽くす。


「ええい氷だ! 【アイスシャード】!」


 氷の矢を、ヒドラの口に向けて放つ。


 ノドを攻撃されたヒドラが、悶絶する。


「やったよ、ミツル!」


「いや。完璧じゃない」


 ダメージは軽微。ヘイトがこっちに向いただけ。


「だったら! 【アイススピア】からの【天啓】!」


 ロニが、特大の氷槍を生成する。


 クリティカルを確定で出す天啓を、ロニは取ってやがったのか。まったく、火力バカだな、コイツは。


 ヒドラの視線が、ロニへと向けられる。


「ロニ!」


 オレは【チェイン・ライトニング】で、ヒドラのヘイトを稼ぐ。

 

「ぐお!?」

 

「ミツル!?」


 オレは、ヒドラのシッポ攻撃をまともに食らった。


「大丈夫、ミツル!?」


「なんてことない、平気だ。ブレスでないだけ、マシだっつの」


 しかし、当分は動けないだろうな。


「この、よくも! 【アイスジャベリン】!」


 ロニの渾身の槍が、ヒドラの頭を一体潰す。


 ダメージは、通っている。だが、まだヒドラはピンピンしてやがった。頭はまだ、六個くらいある。


 どうやって、倒す?


 弱点は、口の中だってわかった。しかし、簡単に開けてくれるわけじゃない。

 

 こうしている間にも、違法ダンジョンは崩壊していく。


 ヒドラの瞳が、光った。


 紫に光る目が、キナ子に向けられる。あれは、呪いか。


 キナ子の周りにいたオークたちが、石化したようにマヒする。

 

「キナ子!?」

 

『問題ありません』


 唯一キナ子だけは、呪われていない。【ドクロの瞳】の効果で、呪いの効果を受けなかったようだ。

 

 あれだけの首があって、一つしか呪い攻撃をしてこないとは。


「目が紫のヤツが、本体だ! あいつの顔にぶちかませ、ロニ!」


「わかった!」


 また、【天啓】を【アイスジャベリン】を組み合わせる。


「オレも加勢してやる。【チャージド・リング】を受け取れ!」


 ロニの母親がくれたアイテムを、オレはロニに投げ渡す。


「これで、威力は三倍だ! いけるぞ!」


「でも、ミツルが」


 オレの方角に、紫の目をしたヒドラの頭が。


「やってみろよ!」


 紫の目が、オレを射抜いた……かに思えた。


「【シャドウ・スタン】!」


 魔力そのものの爆発によって、ヒドラの目を潰す。


 ヒドラの目を、オレはスタンさせた。


 ダメージを与えられない、しょうもない技だ。しかし、使い道ってもんはあるんだよ。

 オレだって、ロニに教わらなかったら、わからなかったけどな。



「オレを敵に回したのが、テメエの運の尽きだ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ