あゆみ
ジェームスに協力要請します。
フィクサーニックはE国に二人の神造魔人を引き連れて、ジェームスの住む学園都市に出向いた。魔法学校の図書館の前にある公園でジェームスは一人、本を読んでいた。
「こんにちは、ジェームス。ガーディアンもつけないで読書なんて自信家だね?」
「おー!ニック君が足を運んでくるなんて珍しいな!おや、変わった人達をお連れで!」
半分、読書しながら寝ていたジェームスも突然の訪問とただならぬ魔力を感じて臨戦態勢を取ろうとした。
しかし、ニックは笑いながら、勇むジェームスにサケを差し入れた。
「真昼間から、のんびりと屋外で花見でもどうだジェームス?」
「学園都市にアルコールなんて。君も非常識だね。しょうがないな。このあたりに魔法結界をはるからまっててろ。」
どうやら、ジェームスも非常識らしい。それもそうだろう、ニックが持ってきたサケは、かの有名な杜氏の酒蔵で作られた10年物の古酒だった。
ジェームスは公園全体に特別な魔法結界を張り巡らせた。魔法の発動とともに、公園中の木々は花を咲はじめ、目の前に赤いシートが張られた一段高くなったステージが現れた。
「非常識をいう割には、ジェームスも飲む気マンマンだな。」
ニックはそういうと、ステージの上に持っていた魔法のアタッシュケースから、飲み物や食べ物などあっという間に宴席を作ってしまった。
ジェームスはニックの手際の良さを見て相談ごとがあるとわかった。
「ニック、飲む前に要件を言っといたほうがいいぞ。そのほうが早く酔えるだろう。聞いてやるぞ。俺はいい酒のためだがな。」
「お見通しだね。ジェームス。笑わないで聞いてくれ。太陽を作れる方法があるとしたら協力してくれるか。」
ジェームスはあまりにもニックが荒唐無稽で突拍子もないことをいったので、ニックのおでこに手を当てた。
「熱はないな。あんなバカでかい恒星をつくれるのかよ。もう、アルコールが入ってるのかニック。」
ジェームスはニックをたしなめるように表情をうかがった。ニックは相変わらずニヒルに笑いながら答えるのであった。
「もし、銀河系でもつくれるとしたら信じるかい。それとも、太陽爆発して太陽がなくなったとき人類はどうしたらいいと、聞いたほうが良かったかな。ジェームス?」
ジェームスはニックがとてつもない発見をしたかもしれないと困惑してしまった。
「なんだい。それは・・・太陽にも寿命もあるし、太陽の光のエネルギーが弱くなってしまったら、生態系に及ぼす影響は計り知れないが・・・現在でさえ太陽フレアの強弱によって、自然界にさまざまな影響をおよぼしてるのは事実だけど、何十億年も先のことだろうニック。」
ジェームスのこの意見を聞いたニックは今の時代を正しく、ジェームスを神造魔神に共通の意識を持たせようと話を始めた。
現在この地球には100億人を超す人類がいる。しかし、過去、人間は豊かさ富を求め、技術を発展させた。過剰なる経済活動がもたらす、幸福をさらに求め、自国以外に活動拠点を増やしていった。しかし、経済格差を生み貧困問題が発生した。それにより、国家間の対立を招くことになった。それにより、世界大戦が度々起こった。しかし、世界大戦によって、勝者敗者がわかれたことにより、更なる、経済格差を生み悪循環を生無結果となった。偽善がはびこった世界になり、人口が増えすぎ、水や食料というもので、紛争や戦争をうむじたいとなった。人類は解決の手段として、宇宙に進出した。戦争や宇宙開発技術の発展が解決をもたらすとは限らなかった。人類は逃げ道が宇宙にあると確信したとたん、核を使ったり、生物化学兵器を使い自然環境まで破壊した。また、ある地域ではウイルスをまき、その国を亡ぼしたりもした。しかし、いかなる窮地におとしいれられても、人間は克服した。しかし、宇宙空間で生活している人たちにとって地球に住む人々とのわだかまりも表面化してきた。宇宙艦隊をつくり、ロボットを使い宇宙戦争が勃発したのである。宇宙に住む人類と地球に住む人類との争いは人類にとって新たな進化を生んだ。そして、進化した人間をまねるように、改造する人間も出てきた。環境と生存競争という争いを繰り広げることによって、新たな人類の進化と技術を手にした人類にとってあくなき挑戦は必然である。それは人類が滅びるまでかもしれない。
ニックは最後を締めくくるようにジェームスに聞いた。
「地球が死ぬ時が人類が滅びる時なのかジェームス。それとも、太陽が滅びたとき人類が滅びる時なのか?」
ジェームスは自門自答するようにつぶやくのだった。
「地球に住む人間は地球が滅びれば滅ぶけど・・・宇宙に住んでる人間は・・・太陽エネルギーがあれば自給自足できるから・・・2択なら太陽が滅ぶときかな~。」
ニックは別の問をすかさず出した。
「太陽からのちょうどいいエネルギーが地球に届くから人類は生きていけるのだろう。もし、恒星がない惑星群があって、太陽が人工的に作れれば第2の地球が作れるとは思わないか。」
ジェームスは不可能だと言わんばかりに答えた。
「もし仮に、恒星がつくれたとしたら、恒星の引力と重力によって惑星同士がぶつかり消滅する可能性もあれば、惑星自体が、その恒星を中心に自転や公転しなければ生命が生きれないだろう。」
ニックは不敵な笑みをこぼした。
「ジェームス。さっきも言ったろう。銀河系をつくれるとしたらって!この3次元宇宙を生むことができる技術があるかもしれないだろう。」
ジェームスは不気味に感じ始めた。
「ビックバンを起こせる技術があるのかニック!惑星や恒星同士を衝突させたり、内部崩壊を誘発させても、超新星爆発を起こすぐらいがせいぜいだぞ。」
ニックは高笑いを始めた。
「ジェームス!そんな壮大なことははなしてるんじゃないぞ。あくまでも、3次元宇宙を発生させるだけだぞ。頭をやわらかくしろ。」
ニックはそういうと、ある仮説を話し始めた。
もし、高次元の存在がいて、宇宙を創造できるとしたら・・・
人間に例えると!
人間が2次元と言われる紙の上に3次元の星々を描いた(創造した)とすると人間は紙の上の創造したものは気にするが、実際に紙の中で事件が起こっていたとしても気にしないだろう。
もし、3次元と言われる紙があったとして、創造主が創造しても創造主は3次元の紙の中は気にしてないかもしれない。もしくは、創造主はたくさんいたら3次元と言われる紙もいっぱいあるかもしれない。たくさんの創造主はそれぞれが描いた3次元を一つ一つ気にしないかもしれないだろう。
もし、3次元に住む人間が高次元の存在にお願いする手段があれば宇宙さえ創造していただけるだろう。
ジェームスは神だよりかよと言わんばかりに言い返すのであった。
「結局、神様をみつけたのかよ。ニック。」
ニックは大真面目に答えて見せた。
「神様に直接あえるヒントをもらえあたかも知れない。ある意味、神様からギフトを手にするための布石として連れてきた者だよ。」
ニックはあらゆる星に存在する巨神や地球に眠る巨神の説明をした。そして巨神がつくた神造魔神と兵器ダンジョンについて・・・
「人間の魂は死んだらどこ行くのであろうか。もし、輪廻転生して戻るといたらどこだろう。輪廻転生の輪から外れ、解脱したら何になるのか、もしくはどの次元に行くのか?」
ジェームスはニックが言いたいことがはっきりと見えてきた。
「もし、人間の魂にGPSがつけれたら、新たな地球に似た星がわかる可能性が出てくる・・・そして、死んで高次元の世界にいけるとしたら、新たな宇宙を作れる可能性があるということなのか!」
ニックはサケを飲み始めた。
「ジェームスも飲もうぜ。おおいに。しかし、なんだ!人間の魂にGPSをつけれたら面白いが、意識や霊体を感知する方法なら魔法でも科学でもできるだろう。それに、本当に、地球に巨神のエネルギーや3次元で実体になる何らかの物が眠っていれば、降臨させる方法があれば可能かもしれんぞ。」
ジェームスもサケをつぎ始めた。
「巨神とのコミュニケーションとは?・・・降臨術?降神術とか降霊術みたいなものか・・・本体が地球の地下に眠ってる・・・・式神みたいになれば・・・・」
ニックはすかさず突っ込みを入れる。
「巨神を何かに憑りつかして兵器や武器にしようと考えてないかジェームス。無粋だぞ。でも、高次元の存在だから無謀化もしれんがな、逆の技術なら、やる価値はあるかもな。」
ジェームスはぐいっと一気にサケの入ったグラスをあけた。
「逆の技術とはなんだ?」
「だから、人間を高次元の存在にする技術だよ!多分だが、ある種のエネルギーが3次元の物体に反応して巨神が降臨し、4次元に戻り時も、ある種のエネルギーが放射すると仮定するならば、ある種のエネルギーに近いエネルギーで人間を高次元の世界に行くことができるかもしれん。しかし問題になるのが、高次元で実体になるものがないという点だがな。まず、魂だけなら可能とは考えられる。でも、応用すれば、人間が生きた状態で天使にも悪魔みたいな高次元の存在になれるってことだよ。」
ジェームスは強張った顔でサケをもう一度つぎなおした。
「そんな技術が出来ても、誰しも、創造主になれる資格があるとは思えん。せいぜい、なれたといても3流悪魔だろう。」
ニックはさらにサケを煽った。
「創造主の資格はダンジョンを制覇したものだよ。ダンジョンマスターになれば、その人の創造したものが具現化する。死んだ者が生き返る空間や争いのない安全地帯のような空間・・・制覇した人物の価値観・・・そうさまざまパラダイムが実現する空間。」
「そんな理想郷をつくれるダンジョンマスターがいるのか?」
ジェームスはニックをみながら笑い飛ばした。
ニックはジェームスのサケの入ったグラスを取り上げて答えた。
「J国の地球連合国家の都市・・・・あれダンジョンから派生したものだぞ。知らんのか?ジェームス。」
ジェームスの酔いがいっきに覚めたように目を開いた。
「あそこの国は大地と海洋のエネルギーが大量にあるから、いっきにダンジョンが成長するというのか!」
ニックは頷くように言った。
「フィクサースドウは狸オヤジだぞ。戦争に負けても、しらを切るだろう。それより、ダンジョンマスターとダンジョンコアとなる者がいるということだぞ。すでに、あのダンジョンは宇宙にもいけるかもしれないぞ。」
ジェームスは背筋が凍るような悪寒を感じた。
「何か、けん制する兵器でもあれば・・・」
ニックはジェームスが持っていたグラスにサケをつぎなおし、ジェームスにグラスを返した。
「ダンジョンをスポーツ化しようと思うんだが協力してくれないか?」
「どういうことかね!ニック。」
「なに、単純なことだよ。人類が到達すべきあらたな世界をつくるためだよ。世界をかえようぜ!」
ジェームスはニックが世界の人々を導ける、ダンジョンマスター育成に尽力したいとわかった。ジェームスもサケを飲んでいるせいか、勢いで思い付きを話した。
「ダンジョンのスポーツ化面白いな。どうせなら、ダンジョン用にペットやロボットも開発したらどうだ。まーロボットはJ国にはかなわないが、パートナーとなるペットを使えば流行るぞ!」
ニックは不思議そうに聞き直した。
「なんでパートナーをペットを使うと流行るんだ?」
「ダンジョン攻略は信頼関係が重要なんだろ。知らない者同士より、信頼する自分が育てたペットのほうが役に立つだろう。要はスポーツサバイバルみたいになるだろうからな!」
ジェームスはダンジョンの真髄を見極めているようだった。
ニックはジェームスが乗り気になったことがわかったのでズバリ告げるのであった。
「どうだろう、J国のフィクサースドウに会いに行かないか。視察だよ。ダンジョンのね。ダンジョンのスポーツ化を打診に行かないか地球連合国家として。ジェームス。」
ジェームスはニックの目を見て頷きもう一度聞くのであった。
「ニック、異世界にももちろん、ダンジョンのスポーツ化を推進していくんだろう。」
「よくわかったね。ジェームス。新たな世界を感じて世界を造れるダンジョンマスターが必要だからね。」
この世界に満ちた欲望や悲しみを乗り越えた、新たなる人類が目指す世界を造るためにフィクサーニックとジェームスは新たな協調の道を歩くのであった。
ぼちぼち行進します。




