対巨神兵器
神造魔人の正体とは
宇宙空間および異世界調査の報告がニックのもとに出された。それは、別次元で起きた事件がきっかけだった。こちら側の地球側の情報からもたらされた有用な事項をもとに解決したことによって、捕らわれていた宇宙探索に出かけていた乗組員も開放された。その事件報告をもとに作られた報告書には古代の地球に関するとても重要な記載があったため、急遽、乗組員を地球に戻すことが決定した。
しかし、ニックは報告書にある、ダンジョンシステムまつわる記載について気になる点があり、急遽、宇宙空間からの通信を使って、乗組員のケントと会話することにした。
「こちら、地球連合国家のニックである。今回はご苦労であったな。」
「閣下殿。今回のプロジェクトについて遂行ができなくて申し訳ありません。」
ケント達は宇宙探査を異星人に捕虜とされたことを情けなく思っていた。
そんなことは気にするなと言わんばかりにニックはケントの報告書をほめちぎっていた。
「気にするなケントよ。今回のプロジェクトの裏のミッションは異星人に捕虜となると思ってもいいぞ。なおかつ、地球は新たなる異世界人と知り合うきっかけができた。胸を張って地球に早く帰ってこい。それにしても大活躍ではないか。なおかつ、報告書のできも素晴らしいぞ。そうだ、報告書についてもっと詳しく聞きたいのだがいいかね。」
ケント達乗組員は顔を見合って戸惑っていた。
「ニック閣下そのように言って頂きまして、ありがとうございます。報告書にすべて記載してありますが何か気になる点がありますでしょうか。」
ニックはふてぶてしくにやけた顔でケントに質問した。
「ジャイアントシードってもしかしたら隕石のことかね?」
ケントは捕虜となったときの状況と捕虜になったときに知りえた情報を交えて話だした。
「ニック閣下その通りです。我ら調査隊の宇宙船は宇宙空間を曳航していたとき、突如現れた、隕石に吸い寄せられる形で隕石の重力に捕まり、隕石に不時着しました。隕石上にはダンジョンと思われる洞窟そしてダンジョンタワーの塔もあり、いきなり不時着した場所に魔法陣が現れ転送させれ、ある牢獄に捕らわれました。」
「ケントよ?なぜ、洞窟や塔があるだけで迷宮ダンジョンのように表現したのか教えてくれ。本当に牢獄だったのか?」
ケントは嘘がばれてるとわかり、あきらめたように話し出す。
「すいません。どこまで事情を知っていますか。ニック閣下殿?」
「悪かったな、いきなり暴くような質問をしてしまって。本物のケントは別次元のケント達によて救出されていてな、アンドロイドタイプの物と入れ替わっているんで、報告が少し違っているんでな。できれば仲良くできないものかと思ってな。」
ケント達乗組員は正体がばれていることがわかり、ケント達の姿から本当の正体を現した。
「なぜ、地球に着いてから拘束すれば良いものを、この宇宙空間で正体を暴いたんだ。逃げてしまってもよいのか?」
ニックはさっき以上にふてぶてしく答えた。
「目的があって、ケント達の宇宙船に乗ってきたのであろう。」
ケントになり代わった宇宙人はあきらめたように答え始めた。
「我らは巨神族に作れらた神造魔神と言われるものです。地球に難民申請をしたいのです。私の名前はインフィニティです。」
ニックは目をつぶりながら首を横にふった。
「インフィニティさん、まだ嘘を重ねると遠隔装置で宇宙船を爆発させますよ。そこは、宇宙空間の牢獄と思っていいですよ。我ら以外には通信できませんから。」
インフィニティは眉間にしわを寄せ威嚇するようにいった。
「我ら神造魔神を怒らせないほうがいいですよ。ニック。」
ニックはすかさず指を鳴らすと神造魔神に映像を見せた。その映像には、核兵器で燃やし尽くされた情景が写っていた。
「そちらの宇宙船に核兵器にも使われている使用済み核燃料棒を搭載している。危なくて地球においてけないものなんでな。宇宙のスミに捨てに行こうと思っているでな。もしくは太陽に似た恒星に捨ててもいいんだがな。」
さっきまで強がろうとしたインフィニティ達は硬直したように油汗を流した。あまりにも肝が据わってるニックを悪魔のような冷酷さを感じ取ってしまった。
「この宇宙船を恒星に突っ込むような真似はしないでください。ニック様。我ら神造魔神といえども、そのような超高温では死んでしまいます。嘘は金輪際つきません。お約束いたします。そうだよなみんな。」
「おう。もし、インフィニティが嘘をついたら教えますから。私たちだけでも助けてください。お願いします。」
ニックは、今いる状況が神造魔神たちもわかったようだと悟り神造魔神について聞き出すのであった。
「仲間は地球にいるのかなインフィニティ君?」
「今はいません。」
「今はいないってことは過去にいたのか?」
「過去にいましたけど、竜人たちに殺されました。」
「今地球で暴れまわっているテロリストは仲間ではないのか?」
「・・・厳密にいうと古代の神造魔神の信者たちの末裔か・・・信奉者たちではないですかね・・・」
「そうか!わかったぞ。お前たち地球に来たらそいつらと合流して、古代の神を復活させようとしているのか!」
「・・・・」
「インフィニティの代わりに横の者答えろ。」
おもむろに自分に指をさす男が立ち上がり話し出した。
「ニック様。正直者のこのサウザーが答えます。古代の神を復活させる気はないと言っては嘘になります。実は我らは密かに魔神兵器を育てようと地球に行くつもりでした。」
インフィニティは頭を抱えこんで悶絶していた。
ニックは子供のように目を輝かせサウザーに問いかけた。
「魔神兵器を育てる?ジャイアントシードと関係あるのか?」
サウザーは地球に歴史を話を持ち出した。
「地球には巨神と神が争った話はありませんか?」
「神話の話では巨神と神が争った話はあるぞ。」
「宇宙が誕生したときに巨神が生まれた星がありました。巨神達はあるとき争い始めました。しかし、巨神は不死身なので争いが終わることはありませんでした。しかし、ある巨神が、対巨神武器として神造魔神をおつくりになりました。その結果争いを終わり、巨神は滅びました。」
ニックは顎に手を添えながら
「巨神は本当に滅んだのかね?」
サウザーは腕を組みながら目をつぶり
「私が知っている巨神たちは滅びました。しかし、巨神がいた星は一つとは限りませんがね。星自体が知的生命体のように意思をを持ち巨神になるような星があるかもしれません。そして、われらのしっている巨神の星は滅んだというか惑星が粉々になって宇宙に散らばりました。一部の神造魔神も隕石と共に散らばった者もいました。」
ニックは睨み付けるように聞いた。
「隕石は惑星に落ちると神造魔神は死なないのかね?サウザー君。」
サウザーは胸を張りながら答えた。
「隕石が外の星に落ちるには条件があるんですよ。重力の関係とか・・・」
ニックはサウザーが答えやすくなるように話はじめた。
「そうかね。隕石が地球みたいな他の生命が生きれる惑星に落ちるなんてことはめったにないんだろう。ある程度の技術がなければ無理だよね。そういえば、隕石にいる間は神造魔神はすごい時間があったんだろう。巨神の技術を上回り、選んで惑星につけるような技術や安全に隕石と惑星の衝突から身を守る技術もあったんだろう。」
サウザーはとぼけようとしたことが見透かされたのを感じて目をそらした。
「ジャイアントシードは単なる隕石ではありません。われら先祖の神造魔人の作った魔人兵器です。」
ニックは少し大きなドスのかかった声で、
「ジャイアントシードを育てるって話を早く言え。」
サウザーは下を向きながら小声で話した。
「ジャイアントシードは巨神のなれの果てです。ジャイアントシードは惑星に落下すると塔や洞窟、不思議な森を形成します。しかし、がダンジョンコアとなり運営をしなければ作動しません。ダンジョンが成長するためには、惑星からエネルギーを吸収しなければなりません。」
ニックはさらに睨み付けながら
「ダンジョンやタワーが人を喰らうのは成長させるためなのか?」
サウザーは小さくなりながら
「ダンジョンが時間とある種の栄養をとると進化して、対神拠点兵器になり、さらに進化すると移動可能な対神兵器にもなります。しかし、さらに進化させると巨神化してきます。」
「しかし、巨神化と言ってるのは、神造魔人は対神兵器に痛い目に合わせれているのかね。サウザー。」
サウザーは唇をかみしめて答えた。
「神造魔人同士で争いがあるんです。まだ対神拠点兵器で戦っているうちはよかったんですが、惑星の地殻のエネルギーを取り込んだ巨神化した兵器は惑星をも滅ぼし、他の惑星まで滅ぼす存在になります。」
「もし、同じ惑星にいる間は、神造魔人同士仲良くすれば争いにならないではないか。」
「単なるボタンの掛け違いで争いは生まれます。そして、ちょっとした争いが、勝った負けたと言い続けるだけでも争いが生まれます。どうします。100年たっても○○の戦いに勝ったと祝っていたら?100年たっても謝り償い続けたとしたら・・・」
ニックは大きくうなづいた。
「不思議なダンジョンやダンジョンバトルの話は聞いたことがある。ダンジョンマスターはダンジョンの支配者にして守り人、そして地域支配者だな。ダンジョンコアはダンジョンの司令塔兼管理人ってところだな。ダンジョンバトルは神造魔人の意地ってところだな。どうだろう、ダンジョンバトルをスポーツとしてとらえたら?」
サウザーは首を横に傾げた。
「スポーツとは?何ですか?」
ニックは戦争や争いがいかに無意味なものと、とらえるかの如くスポーツについて語った。
「考案した施設や技術、ルールに則って営まれる、遊戯・競争・肉体鍛錬の要素を含む身体や頭脳を使ったゲームといったところだな。ダンジョンに栄養を送らなければ巨神化兵器にもならないのだろう。もしくはダンジョンコアが壊れれるかいなければいいんだろう。ダンジョンバトルをスポーツ化することによって、バトル自体を楽しみとし、公正なプレーを尊重し、相手の選手に対する尊敬や賞賛、同じスポーツを競技する仲間としての意識をもって行われる活動であるという姿勢となって表されるスポーツマンシップをはかり、競技を離れた際には友好関係を築く礎を作るのはどうかな。」
サウザーは目をまんまるにした。
「疑うわけではありませんが、どんな繁栄した種族でも、争いがあり、別のものに乗っ取られます。我らの父・・・巨神も争いの果てに兵器として生きるしかありませんでした。人間も同じような運命をたどるかもしれませんよ。」
ニックは笑顔でサウザーに説いた。
「神造魔人もかつて地球にきて、神として振る舞っていたのであろう。そして今は人間が地球を繁栄させている。そしてもしかして、未来は人間に変わる種族が台頭してくるかもしれないだろう。しかし、今、我々の前に神造魔人が現れたように、未来に台頭する種族の前に人間も現れるように生き延びなければならない。だからこそ、争いを好むことより、進化し続けるためにも技術の発展や精神の進化をし続けなければならないんだ。」
サウザーは膝から崩れ落ちた。インフィニティも観念したようにニックに話しかけた。
「我らはどうしたらいいんですか。せめて地球に残っているかもしれないジャイアントシードを探させてください。必ず廃棄します。」
ニックは嬉しそうにインフィニティに微笑んだ。
「以前、地球にいた神と名乗っているものを滅ぼした種族と接触する機会があるんだが、君たちの話を出してもいいかね。まー安心したまえ、その宇宙船は地球に向かっているのは確かだからね。」
インフィニティも膝から崩れ落ちた。
その様子を見たニックは契約を結ばせることができるだろうと確信した。
宇宙船の中が急に光だし、フロアーの中心に魔法陣が現れた。
その魔法陣からニックが現れた。
「私は武器も何も持っていないぞ。襲うなら今だぞ。」
あえて安っぽい挑発をニックはした。
しかし、この世の終わりを感じている神造魔人はニックの足を見ているだけだった。
ニックは神造魔人達と目線を合わせるようにしゃがんだ。
「我と契約しないか?私の世界には悪魔と契約する者もいます。人間と契約することは恥ずかしいことではありません。神造魔人が味わったこともない甘美なる背徳の世界が待っているぞ。もしくは、後悔や昔年の恨みともいえるものも解消できる世界があるかもしれません。神造魔神の選択に沿った価値ある時間を提供もできます。我と契約しようじゃないか。サウザーとインフィニティよ。」
神造魔人達は大きくうなずいた。羊皮紙に書かれた契約書にサウザーとインフィニティは自らの血で契約書を締結した。次の瞬間サウザーとインフィニティの魂はニックの持つ魂回収装置の中に入っていった。そして、ニック、サウザーとインフィニティの体を含む宇宙船は、地球に転移魔法で転送したのであった。
ぼちぼち更新します。




