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大賢者の箱舟

DNAデザイン可能にする

 いつの時代にも、どんな強固な政治を行っていても、反対派は常にいるものだ。フィクサー連合が裏で手をまわし、地球連合国家にしても間違いなく反対しているものはいる。それもいたるところに・・・・それもフィクサーの中にも・・・しかし、表立って反対表明をする馬鹿なフィクサーはいない。でも、反対勢力の力を後押しするフィクサーもいるだろうが、この動きはすべてニックが防いでいた。それも、不思議な奇跡の水の力によって・・・


 しかし、この水の力が及ばないのか、まだ、本来の力が発揮していないのか、まだ、依然、地球連合国家の存在自体をみとめないものがいた。その者たちをひとくくりにすれば、差別主義者といってもいいだろう。この時代においての、男尊女卑を肯定している未開の土地に住んでいる民のようである。


 フィクサーたちはあえてその者たちを悪者とはいわない。言い換えれば、地球連合国家が未来に目を向けて、異世界や新たな銀河を越えて、地球に住んでる人類の価値を尊い存在として生きていくことを見据えているといえよう。


 たとえ、フィクサー同志の国が戦争を起こしたとしても、全面降伏を求めたり、受け取ることはせず、戦争責任や賠償を求めたりもしない。なぜならば、それだけ、国の文化レベルや意識レベルに差があることの証明ともいえるからだ。


 たとえば、今戦争に勝ったとしても、次には相手が他国の力を借りてやりかえし、戦争に負けるかもしれない。その都度、倍々に賠償を払っていったら破産する。そして、得するのは、武器商人や戦争屋と呼ばれる者たちである。


 少しでも、賢い者ならば、戦争なんかするものは何かの利権があるとわかる。だが、あえて、しなければならないときがあるとするならば、裏で操るものいるはずである。もし、喧嘩両成敗が原則として考えるのであれば、全面降伏要求や賠償金を求めることこそ、次の争いを招くもと・・・もしくは、戦争屋達の温床になると考えられないだろうか。


 ニックたち、フィクサーは金で物事を解決するプロというわけでもない。金で解決できないことを解決するプロである。そんな、フィクサーたちが争うもとになるのは、やはり、考えかたの相違に決まっていた。

 

金で解決できなければ、力や暴力、そして戦力で解決するのは、もはや時代錯誤といえよう。フィクサーたちは、知恵や尊敬そして、確固たる未来創造をもとにしたモデリングに沿って解決を導いた。


そんな中、人間の悪い部分を丸出しにした欲望の塊を信念に置いたカリスマがどの時代でも現れる。今が良ければ人を殺してでも手に入れる・・・輩と呼ばれる者たちを率いるカリスマ・・・


そのカリスマは自分が楽しい国がほしい。自分の思想を受け入れる人がほしい。そして従わなければ、女でも子供でも容赦なく殺し、人を拉致しては莫大な金を要求し、通らなければ殺す・・外国人も関係ない。メディアも関係ない。ただの、人間の皮をかぶった魔物である。


そんな、魔物退治を地球連合国家は退治するのか、それとも見守るかの選択を迫られることになった。人の皮をかぶった魔物といえるテロリストも対象になったが、いまいち各都市に隠れている者を探すことは困難だった。しかし、反社会的人格障害ある程度は目星がつく方法がわかってきた現在は比較的見つけやすくなった。


フィクサーたちはあえてこの反社会的人格障障害者たちを研究対象とした。彼らは人類の進化させる要因となるか、退化させる要因・・・それとも滅びの証明となるか見極めたかった。


 あえて言えるのは愚策であることはまちがいなかった。ニックは、地球連合国家では反社会的人格障障害者を含め、ハイパーコンピュータ数基を並列演算させ未来予想をした。


 結果的にリスクは大きい割には人類の進化が進むのは遅いと判断したニックは、人が求める理想のDNAを試験管BABYに求めようと考えたのであった。しかし、この意見を露骨に嫌がる者がいた。神を冒涜する。倫理に反するといったものから、愛する者から生まれてこないことは不幸だと・・・


 だが、ニックは自信があった。人間は卑しく貪欲でわがままで罪深いと知っているからである。人間はいつの時代になっても争いをやめず、殺しあって奪ってきた。今後、人間が神を冒涜することは一切なく、倫理に反することも行わないことを確約できる保証はないと知っているからである。理想を言ったところで、んらかの理由をつけては捻じ曲げるのが人間である。


 そもそも、一人が理想を願っても、全体の文化や教養、そして意識がかわらないと意味をなさないと知っている人間はどれくらいいるのだろうか。一昔前まで、大きな罪と言われたことが、未来では罪ともいえない良識の範囲ならば大丈夫という具合になるのものである。


 もし、愛する者同士が何等かの理由で子供ができなかったら、試験管BABYで子孫をもうけるのはゆるされるとしたら・・・また、経済力のある年老いた夫婦が、なんらかの理由で子供を亡くし、その試験BABYでもう一度、子供を育てることができたとしたら・・・


理由があればまかり通る技術なら、規制緩和という言葉で運用範囲が広がる。もし、差別主義者なら、有無を言わさず、軽蔑するだろう。しかし、当の本人たちは、あえて、軽蔑のまなざしをものともせずに育てるだろう。そういった、軽蔑や差別の歴史が争いを生む原因となることは誰しもわかっている。でも、技術は未来を行くだろう。


 不純な動機で不老不死のために予備の体を作ったり、フランケンシュタインやアンドロイド・人造人間を作る者もいるだろう。また、恋人に振られて恋人そっくりな試験管BABYから育てる者もいる。そうした者たちが世界や地球を繁栄せる。だから、地球連合国家ではある程度の危機管理のもと試験管BABYのようなDNAデザインを行える環境を認めた。


 その基礎研究となる研究をDr.ジェーンにまかせることにした。ジェーンは進化のプロフェッショナルともいえる存在だった。現在は恐竜のDNAをを研究し、新たな種を生み出すまでの技量を持っていた。この技術を汎用化して、誰しも簡単に自分自身が納得する子孫を試験管BABYから誕生させるようになる時代になる。もし、異世界で自分一人になっても、人類を増やし繁栄させる技術。異世界人と人間を試験管内交配による繁殖ができたなら、人類と異世界の懸け橋になる存在。


差別主義にはわからない、開拓精神にも似た、人類が異世界交流そして異世界進出を目的にした新たな概念の創造を胸に、ニックはC国のフィクサー・陳から根回しをされていた。


 Mr陳は地球連合国家の人材育成機関を作っていた。それにあたり、多岐にわたるスペシャリストを確保していた。そして、新たなにニックの新人類進化のためのDNAデザイン案について、研究している超能力部門も加えろと言ってきた。地球にとっても英雄、勇者と呼ばれる者の故郷となる施設をつくる必要があると熱弁をふるった。


 フィクサー達はMr.陳に限らずいろいろな思惑を持っていた。反社会的人格障害をもったものDNAでも人間が進化のために用いるDNAデザインのデータの一部になりえる存在であり、人間の行動発展のためにも、犯罪を犯さない、もしくは大災害予防の観点以外において、あえて捕獲・隔離や駆逐する必要がないと考えていた。


 しかし、犯罪者やテロリストになってしまったら捕獲・隔離や駆逐はもちろん、BLACK的な存在としてDNAの価値をさげてしまう存在と認めるようにした。なぜならば、優秀なDNAを含め様々な可能性のあるDNAの可能性を抹消する存在だからである。

 

 BLACKになったDNAも戦争屋にとっては安くて、効果的なDNAだ。同じように、研究者たちにはこのようなイレギュラーな個体こそこの分野の発展のカギを握っていると考えているのは当然であった。だからこそ、後に、新人類と呼ばれる人間が生まれることとなった。


 地球連合国家はフィクサー達をその後、大賢者と呼ぶようになる。そして、最初に大賢者と呼ばれる者たちは、地球の箱舟を完成させるためにも、地球に存在する人類のDNAを集めさせるのであった。

ぼちぼち更新します。

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